キセキの秋桜
32
(もし、空がイジメられてるって話したら、この人達空の事、嫌いになるかな)
(家に帰れねぇ理由を言ったら、コイツらは何て思うだろうな。ソラの敵になるか味方になるかは、俺達……いや、コイツら次第って事か)
リボーンと綱吉は、如何話せばいいのか悩んでいた。隠す事も出来るが今更な話だし、関係の無いキセキ達を此方(こちら)の世界に無理矢理引き摺り込んだ様なものだ。
隠さず全て話すしかないか……と覚悟を決めた。
「先に行っておくが、」
『?』
「ソラの敵か味方になるかはお前達次第だ」
「出来ればキセキの世代の皆さんには、味方になって欲しいです」
『?』
キセキ達の頭上に浮かぶ無数のクエスチョンマーク。敵や味方と言う単語と、リボーンの覚悟を決めた様な瞳、綱吉の悲しそうな表情でキセキ達は、空に何があったのか気になってしょうがなかった。
「勿体ぶんなよ」
「そうッスよ」
「よく分からないが、早く話すのだよ」
「……。」
「空ちゃんの力になりたいの」
「空ちんの事情は知らないけど、早く話してよー」
「ボクも訊きたいです」
キセキ達は、まだ事情はよくわからないが話を聞かせろと催促してくる。そんな彼らにリボーンも綱吉も驚きを隠せなかった。
そして、綱吉は確信した。ヒットマンが生業なリボーンは、まだ心の奥底からではないがキセキ達の真剣な瞳を見て「信用出来る」相手だと感じた。
「フッ」
「リボーン?」
『?』
「分かった、話してやる。だが、一つ言っておく」
「何だい?」
「こっちの人間に関わると言う事は、もう一般人じゃなくなる。それでもいいんだな?」
リボーンの問にキセキ達は一瞬考えた。だが、不思議と答えは直ぐに出た。
無表情で傷付いた空をこの眼で見ているからか、ふと思い出したキセキ達は目配りすると、綺麗に揃ってはい! と、元気よく答えた。リボーンもその真剣さに、ニヤリと笑うとゆっくりと話し出した。
──空の身に何が起こったのかを……。
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因みにヒロインは、レオンからブーツと手袋を受け取っている為、修行中の身ながら、超死ぬ気にもなれます。
武器は様々です。
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