キセキの秋桜
31
─休憩スペース─
「で、何から聞きたい」
「じゃあ、先ずはリボーンさんと綱吉君と空さんは何者か、から聞こう」
「……オレ達はボンゴレファミリーっていうマフィア≠ナぼ、ボスなんです……オレ」
『ま、マフィアァァ!? しかもボスゥゥゥ???!!!』
キセキ達の中で一番冷静な赤司がリボーンと綱吉に問い掛けると、綱吉の口からとんでもない言葉が紡がれた。あんなに可愛らしい空と可愛らしい(本人には失礼だが)綱吉がまさか、イタリアンマフィアだなんて、きっと言われないと分からないだろう。
それに加えて綱吉がボスだと言うのだから、心底信じられる訳もない。キセキ達の中のマフィアのボスは、もっといかついイメージだっただけに、綱吉の様な可愛い系ボスは正直頼りなさそうで、大丈夫なのか?と逆に心配になってしまった。
「じゃあ、ツナくん達戦ったりするの?」
「するぞ」
「どんな感じなの〜?」
「殺し合いみたいなのすんのか?」
「今の所は殺し合いは無いです。出来る限り殺し合いはしたくないです……」
キセキ達は、少しずつマフィアがどんなものなのか訊いていく。戦ったりすると訊かれれば、戦うと答える。
ただ、リボーンが答える事が増えるだろう。綱吉は、あまり乗り気とは言えず、出来る事なら答えたくないと思っているからだ。
リボーンはリボーンで裏の世界の事を洗い浚い話している始末。綱吉はもう何も言えず、ただただ黙っているしかなかった。
「と、いうのが俺達の居る血生臭い世界だ」
「……。」
「リアルにそんな世界があるんですね」
「凄いッスね……」
「でも、危険何でしょ?」
「スリルがあっていいじゃねぇか!」
「え〜何か面倒くさそう……」
「殺伐とした世界、と言う訳か」
「信じられないのだよ」
キセキ達は、リボーンの話を訊いても尚、引くどころか逆に興味を持ち始めていた。もし、自分達の大好きなバスケを犠牲にしても……という位彼らはイキイキした瞳をしていた。
マフィアの事を一通り話終わると、空の酷い傷と痣の事情を話す番が来た。だがこの事は、少しばかり話し難いのは確かだ。
その事は、リボーンと綱吉が一番分かっている事だから。
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