キセキの秋桜
29
(((((((居場所がない……?)))))))
キセキ達は皆同じ事を考えていた。目の前の少女には、安心出来る居場所が無いのか、と。
だとしたら理由は何なのか、キセキ達の疑問が増えたのと、呼び鈴がなり救急隊が家の中に入って来たのはほぼ同時だった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……と言った感じです。後少し遅れていたら、大変な事になっていましたよ」
「先生、有り難う御座いました」
「有り難う御座いました」
「まさか、肋骨が折れてる何て……」
「だから呼吸し辛そうだったんスね……」
空は肋骨数本、両腕軽い脱臼足は捻挫と同じだった。軽い手術を受けた空は、病室で表情も幾分か楽そうで、まだ麻酔が効いて気持ち良さそうに眠っていた。
「あの……空を助けてくれて、本当に有り難う御座います」
「いえ、彼女のあの状態では放っておけませんから」
「で、テメーら誰だ」
「お、おい……リボーン!」
黒子に丁寧にお礼を言う綱吉は何度も頭を下げ、本業がヒットマンのリボーンは、キセキ達を疑う様な目で見る。
リボーンと綱吉はある一つの連絡を受け病院に居た。それは、空が病院に運ばれた、というものだった。
あまりの衝撃的な連絡だった為に、慌てて着替え今此処に居るのだ。その連絡というのが。
──救急車で帝光総合病院へ運ばれた空は、直ぐ様手術室へと運ばれた。
その時にキセキ達はどの様な関係なのか、空の家族の連絡先などをナースに訊かれ、彼女の持っていた携帯を渡し、受け取ったナースが携帯を確かめ数件登録先を見た後、携帯を返し、ナースステーションに戻り連絡を入れた。
それが、リボーンと綱吉が病院に居る理由だ。
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