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キセキの秋桜



ある日、一つの日常が壊れた。いや、壊されたのだ。

一人の少女の手によって。




ドゴッ

ドガッ




「此れで分かったかよ」

「此れで分からないとかバカなのな」

「私、何も、何もしてない……!」

「(空……ごめん……)」

「もうやめてあげて〜」




沢田 空。
彼女の日常が壊れたのは今に始まった事ではない。

冴島 愛(さえじま あい)。
彼女が転校して来たのは三日前。空が殴る蹴るという暴力を作り上げた張本人だ。




「信じてよ! ……獄寺君、山本君!」




ドゴッ




「がはっ……」

「空!」

「十代目、其奴の心配なんてするだけ無駄っすよ」

「そうなのな」

「お兄……ちゃ……」




(何で此処までする必要が……。空は、何もしてない! 嘘なんて吐いてないのに……)




「でも〜空ちゃんは、私の事嫌いだーってぇ」

「私……そんな事言ってな……」




グイッ




「うぐっ……」

「!?」

「うるせぇんだよ。クズ」




襟元を力一杯掴まれた空は、苦しそうに顔を歪めた。




「テメェ、自分がした事忘れたのかよ!! あ゙ぁ゙」

「あぁ……っ……」




ドンッ




「っ」




キーンコーン、カーンコーン




「チッ……」

「獄寺、行こうぜ」

「行こう〜」

「……。」

「っ、」




チャイムが鳴り、コンクリートに叩きつける様に空を放るとそのまま放置して教室へと戻って行った。




「はぁっ、ゲホッ……」




(何でこうなったの? 私、何もしてないのに……何で、誰も信じてくれないの?)




それが、彼女の日常が壊れた日。彼女自身が変わる前兆だった──。




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あきゅろす。
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