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目覚めたら君がいて



朝特有の空気に、パチリと目が覚める。
少しひんやりとした空気が、徐々に俺の意識を覚醒させていった。
早朝のため、周りは怖いくらいに静かだ。

ただ一つだけ音が、真正面から聞こえる。
柔らかな温もりは、俺の身体に触れたまま。


「(巣山の寝顔、初めて見たかもしんねー…)」


すうすうと規則正しい呼吸音は、完全に巣山が寝ていると証明している。

昨夜巣山の家に泊まって、一緒に寝たし。
だから、目の前にいて当然なんだけど。
やっぱ、どきどきする。


「(あ、腕、大丈夫かな)」
「ん…」
「…っ!」


巣山の腕が心配で、身体を起こそうとしたが、巣山が身動いだので、俺の動きは完全に止まった。
だって時計を確認したら、まだ起きるにはだいぶ早い時間だった。

…ギリギリまで寝かせてあげたいし、しょうがないのでそのままゆっくり身体を戻す。


「(重くねーかな)」
「…」
「(痺れてねーかな)」
「…」
「(…あったかい、な)」


少し肌寒い早朝の空気。
巣山の体温のおかげで、あまり感じない。
それ以上に、じわじわと身体中、心中をなにかが包んでゆく。
これは、きっと安堵。
巣山といると、安心して、幸せだなっていつも感じる。


「すや、ま」
「…」
「…だいすき」


小さな、小さな声でそっと囁いた。
いつもイジメられるけど。
いつも泣かされるけど。
俺のために怒ってくれて。
俺に笑いかけてくれて。
ホントは、すっごい優しい巣山が、俺は、大好きだ。

ちゅ、と触れるだけのキスをして、もう一度ゆっくり俺は目を閉じる。

まだ寝られる。
起きたら、今度は巣山は起きているだろうか。
きっと、起きてる。
笑いながら、遅い、って頬っぺた摘まれそうだ。

起きたら、真っ先に、おはようって、言おう。





めたら君がいて

(ただそれだけで)
(俺の世界は光で満ちる)





「…すー」
「…おやすみ、三秒かよ」
「んん…」
「キスとか、起きてるときにしろっての…バカ」



―――――
結生さん一周年とお誕生日おめでとうございます!
ってなわけで捧げさせていただきます、てへ^^←
企画のヤツとちょっと続いてます、バカップル!笑
…すみませ、愛だけは込めました、はい←
結生さんだけお持ち帰り可となります。




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