「隆也と俺って、ホントに付き合ってる？」
「………はい？」


この状況で、この人はいったい何を言いだすんだ。


「頭、どうかしました？」
「怒るよ隆也」
「だって」
「思ったんだよ、隆也はモテるし、俺のこと好きじゃないんじゃないかって」
「この状況で言いますか」


っていうか、モテるのはそっちの方だろ！
…言っても言いくるめられるから言わないけど。

突拍子もないことを言い出した準太さんは、はぁとわざわざため息をつく。
耳、元、で！
そりゃそうだ、俺は今、準太さんに後ろから抱きすくめられてるんだから。

なんでこの状況で、そんな質問すんのか…。
す…、好きでもない男に、抱き締められたいわけ、ない、のに。


「準太、さん」
「なーに」
「俺は」
「うん？」
「…俺、は、準太さんが…好きです」
「…」
「準太さんじゃなきゃ、俺は嫌ですよ…」
「…」
「だからそーゆーこと、言わないでください」
「…なんで？」
「っ、準太さんは俺だけで…俺は準太さんだけだから」
「…」
「…準太さん？」


なんとかわかってもらおうと準太さんに告げたはいいが、準太さんの反応がない。
後ろを見上げるように見ると準太さんは俯いている、


「隆也」
「うわっ！」


と思っていたら、バッと顔を上げた。


「知ってる」
「は？」
「隆也がそう思ってること、知ってる」
「なっ！？」
「でも、やっぱり口から聞きたいでしょ？」


ね？とそれはもうニッコリといい笑顔で（いったいこの笑顔に何人の女が騙されるのか）俺をぎゅっと抱き締めた。

この人絶対最初から俺に言わせるつもりで話を振った。
意地が悪い、ホント。

…でも嫌いになれないのは、どうしようもなく俺が、この人に恋してるからだ。
ちょっと、悔しい。





ダーリン！

（世界で一人しかいない）
（俺だけの）





―――――
準太はドロドロに甘やかすのもいじめるのも似合う←