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怒られるのは、あまり好きではありません



※むしろ乙部じゃない方が違和感です←



「いい加減にしろ巣山!」
「あ!?それはお前の方だろ花井」


花井がここまで声を荒げて睨み付けてくるなんて、滅多になく珍しい。
そのせいで、感情は高ぶっているのだがどこか冷静な自分がいた。

ガッと掴まれた胸元が少し痛く、あぁ、花井は本気で怒ってるんだ、と思う。


「だいたいお前は!」
「うるせーよ、耳元で」
「っ、巣山!!」
「だから、なんで俺が怒られなきゃいけねーんだよ」
「さっきから何回も言ってんだろーが!」


花井は興奮しているのか、顔がずっと真っ赤だ。
それに比べ、きっと俺は冷淡な顔でもしているんだろう。

ことの始まりは、花井が俺の発言に対して思いっきりキレたことから。
そもそも、今日は最初から花井が俺に説教口調だった。
たしか、そんな気がした。

原因は…。


「ちょ、ちょっと二人ともケンカは…!」
「や、やめろって!」
「「うるせーな、外野は黙ってろよ!」」


周りが俺らを心配して声をかけるが、あいにくそんなものを気にする余裕はない。
これは、俺と花井の問題だ。


「ずっと思ってたよ、お前の態度はひどいって!」
「それを言ったら、お前の対応だって度がすぎるだろ」
「は!?どこがだよ!」
「俺よりも、花井の方が絶対おかしい」
「おかしいのは巣山だろ!」


お互い、一歩も譲る気はないから、言い争いはヒートアップしていく。
ここまで譲れない原因、っていったら…わかるよな?


「お前、本当に阿部のこと想ってんのかよ」
「お前こそどうなんだよ!」


まぁ、阿部のことだよな。


「「…っ」」
「ここじゃアレだ、場所移してじっくり話し合おうか」
「…あぁ、そうだな、みんなに迷惑がかかるしな」


さすがは主将と言ったところだろうか。
これ以上、ここで話すのは外野に迷惑だろうし。
俺と花井は踵を返して歩きだした。

と、その途端、


「ほら、阿部!早く!!」
「待っ…!」
「急いで阿部〜!」


振り向けば、俺らの方へ走ってくる阿部の姿。
どうやら水谷が呼びに行っていたらしい。

そのまま阿部は俺らの前まで来て立つ。
どこか目が潤んでるように見えるのは気のせいじゃない。


「はない、すやま!」
「「…」」
「なに、してんだよ!」
「なにって、なぁ?」
「…まぁ、ケンカ、か?」
「っ、けんか…って!」
「阿部は、気にしなくていいことだから」
「これは俺と花井の問題」
「〜〜〜っ!」


阿部が来たなら、余計にここじゃない場所で話をつけなきゃならない。
俺たちの、こういう所は、あまり見せたくない。
いや、見せない、というのが俺らの暗黙の了解だ。

阿部を置いて再び歩きだそうとした、が。


「……めっ!」


……………めっ?


「ふたりとも、けんかは、めっ…なんだ、ぞ…!」


あり得ない擬音とともに袖が引かれ、思わず立ち止まる。
めっ、って…え?


「あ、阿部…?」
「けんかしたら…おこられるんだ、ぞ!めっ…って、されるんだぞ…!」
「おい…?」
「はないもすやまも…けんかは、めっ…!」


…おい、ちょっと待て。
阿部、お前、れっきとした高校生男子だよな?
球児だよな?そうだよな?

…めっ、って、お前!


「…なんか」
「肩の力、抜けた…」
「?」


俺も花井も、顔を見合わせて笑ってしまった。
だって、ふにゃりと肩の力は抜けてしまっていて。

…なんつーか、もういいや。
怒ってんの、どうでもよくなってきたからな。


「…はない?すやま?」
「あー…ごめんな、阿部」
「うん、悪かった」
「…!」
「ちょっと大人気なかった」
「ん、もうしねーから」
「…やくそく、な!ぜったいな!つぎけんかしたら…めっ、するからな!」
「「おー」」


花井にちらりと目配せ。
この話は、また今度。
って言っても、もうケンカはなしな。

だって、阿部怒るからな。
めっ…ってされちゃ、たまんねーよ…気分的に。
うん、いろいろと。





られるのは、あまり好きではありません

(特に、想い人からは)
(なぜなら嫌われそうで怖いからです)





「お、れ、ら、の、被害!」
「なんなんだよ、急に!」
「原因は何!?」
「…俺、聞いてた」
「「何!?」」
「花井は、巣山が阿部に対してキツすぎるって怒って」
「「…」」
「巣山は、花井が阿部に対して甘すぎるって怒ってた」
「…ざっけんな」
「「滅べ、バカップル!」」



―――――
花阿巣の日記念^^!←
すみません、書いてしまうこのバカな妄想頭脳…笑
めっ、って言わせたかっただけです、よー(仝ω仝*)←
花井と巣山がガチでケンカしたら怖いと思います。




あきゅろす。
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