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■ 2

ずるりと抜け出ていくものに、声が出そうになるのを堪え、そろそろと膝で立ち上がる。
もう少し。
今度こそ全部抜ける。
そう裕史が感じた瞬間、背後から伸びてきた腕に両膝を掬うように広げられた。

「やぁぁぁっ…!」

予想もしていなかった事態。
身体の支えを一気に奪われ、またもや裕史の身体は武光のモノを飲み込まされていく。
気持ちとは裏腹に、教え込まれた身体は内壁を擦りあげていく熱い棒の刺激を快楽に変えていく。
ビクビクと身体を震わせ、今度こそ武光の身体に倒れそうになるのを、慎吾が後ろから支えた。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
「なんだよ、もう少しで抜けそうだったのに、また元通り、か?」
「はぁ、……ぅっ、はぁ…」

裕史の言葉は声にならず、仕方なく否定の意味を込めて首を横に振るしかない。
その様子を楽しげに見上げ、武光の言葉は続く。

「嫌だ嫌だ言いながら、じつはお前、俺の味が良すぎて離れられないんじゃないか?」
「…っ、違う!今のは慎吾が……」
「俺が何ですか?裕史先輩」
「やぁ…、揺するなぁ!」

慎吾はいまだ背後から膝を抱えたままの裕史の身体にぴたりと密着し、腰を中心にして前後にゆっくりと揺らした。
僅かに動く度に裕史の甘い声に混じり、にちゃにちゃと結合部からローションの塗れる音が部屋を満たす。
武光は、裕史の肩越しに慎吾と顔を合わせ、ニヤリと笑った。

「おい、裕史。俺は約束通り手を出さなかったぞ。それでも逃げないって事は、やっぱりお前は心の奥底では俺に抱かれることを願っているんだよ」
「なっ……」
「そうですよ。もう裕史先輩は男に抱かれる良さを知ってしまったんです。もう元には戻れませんよ」
「違うっ、そんなものは、知らな、いっ…ふあっ、あ…」
「じゃあ、今の声はなんだよ?明らかに感じてるんだろ?気持ちよくてたまらない?」
「言うな…あっ!」

武光が裕史の腰に手を置いて、グッと下に引き寄せる。
途端、明らかに喘ぎ声が漏れる。

「ほら、また良い声出てるぞ」
「素直に感じれば、もっと気持ちよくなりますよ、先輩」
「あっ……んぁっ…ふっ…、もっと……?」

何度も弄られ赤くツンと尖る乳首を指腹で擦りながら、慎吾は甘い言葉を耳に吹き込み、ついでとばかりに耳の淵を舌で舐め上げた。
汗でしっとりと濡れた肌の上を、大きな手が這い回る。
脇腹から膝まで撫で下ろし、またゆっくりと元へ戻る。
右手と左手がバラバラに動くので、次にどこを触られるのか予測出来ずに、いちいち裕史の身体が跳ねるのを、寄せた身体越しに感じて慎吾の顔に笑みが浮かぶ。

「どこも凄く敏感になりましたね?」
「んんっ!」
「こっちもかなり馴染んでるぜ。絶妙な加減で絡み付いてくる。それでいて咥え込んだ俺を締め付けて放さない。あぁ、すっげぇ良いぜ、裕史」
「んふっ……そんな、事はないっ…あぁっ……」
「意識してなくて、これか?お前、よっぽど素質あるんだな?」

わざと呷る様な言葉に、裕史の身体が熱く燃える。
自分ではどこも変わっていないと思いたかった。
しかし武光のモノで中を強くえぐられる度に、慎吾の指や手が身体に触れる度に、どうしようもない快感が体中を駆け巡る。
どんなに心で拒んでも、声は溢れ、気持ちよさに頭の芯が痺れるのを止められない。
このまま、素直に受け入れれば……。
男を受け入れる素質のある身体……。
頭の中で二人の言葉が何度も響く。
ぐらりと僅かながら傾いた自制心。
ほんの一瞬、僅かな隙間。
裕史の心が揺れたと同時に、武光のモノが前立腺を捉えた。
僅かになぞり離れていくモノを、浮かせた腰が無意識に追いかけ、より強く押し付ける様に動いたことも解らない。
ただ泣きそうになる程の快楽に全てを支配され、裕史は絶頂へと一気に駆け上っていく。

「ぁんっ……やっ、た、武光っ……!」

裕史は、強すぎる快感に目をギュッと瞑り、腹に触れるばかりに立ち上がり先走りに濡れる自身に右手を伸ばした。
それは長い間、責められ続け、もう触れるだけで弾けそうになっている。
裕史は解放の時を思い描き、ほっと息を吐き出していた。
が、指が触れた瞬間。
その手の上から慎吾の手が覆いかぶさり、射精を塞き止めるように根元を強く掴まれてしまった。

「あぁ、慎吾!もう……もぅ……」

頭を振り、必死で空いている慎吾の手を引き剥がしにかかる。
だが慎吾の手に触れる際に自身にも指が触れ、その刺激だけで身体が倒れそうになる。
それを背後から優しく抱きとめ、自分の胸に裕史の背を凭れさせると、根元を締める指はそのまま、残りの指で裏側をやわやわと擽る。

「駄目だっ…触らないで…あ、あっ、苦し、い……」
「もう限界?」
「ん……ん……っ」

促す言葉を囁けば、小刻みに何度も頷いてみせる。
そんな裕史の様子に、慎吾はにっこり笑う。
だがまだ手は緩めない。

「どうして欲しいですか、裕史先輩?」
「手ぇ、もっ……離して、くれ……」
「そうじゃねぇだろ、裕史」
「あぁぁっ!」

武光は焦れる様に、裕史の腰に手を置きガンガン突き上げた。
弱い所をダイレクトに突いたのだろう、裕史の首がガクリと反り声が迸る。
汗が滴る身体のラインを下から伸ばした手で撫で擦り、より裕史へと刺激を与えながら、武光はペロリとしたなめずりをした。


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あきゅろす。
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