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■ 6

しかし慎吾と武光の手が何も無かったかのように、そこをただ通り過ぎて行く。
もちろん、変に反応してしまった裕史をからかう事もしない。
そんな事が続くと、自分一人が意識しているような錯覚を起こさせる。
まるで待ちわびているかのように体を洗うタオルを意識し、何もされなければ拍子抜けしている浅ましい身体。
散々、二人に陵辱された身ならば身体に触れられているだけで警戒するのは当然だろう。
しかしそんな考えに至る事も無く、裕史の中に淫らな自分を責める気持ちがじわりじわりと沸き出していた。
二人はただ洗っているだけ。
そう心で何度も唱え、それを身体に言い聞かす。
だから再び胸に迫る武光のタオルに気付いた時も、ただ洗っているだけだと、裕史は心の中でもう一度呟いた。
意識して身体の力を抜き、そのまま武光の手に委ねる。
自分は何も意識していないのだという事を身をもって体言する裕史だったが、俯いた視界では武光の口端に浮かんだ笑みに気付けなかった。
わざと意識から外した胸の先端を、武光が持つ泡立つタオルが通り過ぎていく。
ぬるっ。
しかし別の場所へと流れて行く筈のタオルが不意にその場に留まり、薄い生地を纏った武光の指が明確な意思でもって胸の粒をクリリと摘まみ上げた。

「あぅっ!」

まさかと思う間もなく、与えられた刺激に裕史はビクンと肩を跳ねさせた。
と、立てた膝をつたい降りてくる慎吾のタオルが緩く開いた足の間に潜り込む。
裕史が気付き足を閉じる間もなく、裕史のモノを滑りを帯びたタオルが包み込む。

「先輩、こっちも綺麗にしないとね」
「っ、あ、……やっぱりお前らっ…ぁ、くぅっ……」
「なんだよ、やっぱりって……もしかして、もっと早くこうして欲しかったのか?」
「…ぅ、ち…がうっ……」
「あぁ、焦らしちゃいましたか?」
「……っ、違うって…言っ…、んんっ!」

あくまでもタオル越しに触れてくる二人の手が、裕史の身体を別の意味を持って這い回り始める。
背後から手を廻し胸を揉むように擦る武光は、両方の乳首を指先でピンと弾き、折り畳んだ足の間に膝を進めた慎吾がタオルで包み込んだモノを縁取るように指で扱く。
そしてビクビクと震えるように感じ始めた裕史の痴態を楽しげに眺めながら、武光は赤く染まる耳に舌を這わせ囁いた。

「でもお前さ、すっげぇ意識してたよな、俺らの手の動き」
「………っ…」
「本当に解りやすいよな、裕史は。ただ洗ってるだけじゃ物足りなかったろ?」
「誰がっ!こうなると思って、自分で洗うって…っ、あ……言ったん、だっ……」
「ははっ、俺らに任せといた方が気持ち良いだろ?たっぷりサービスしてやるぜ」
「いらな、…ぅ、あぁっ!」

突然、冷たい刺激が中心を襲う。
背後を睨んでいた裕史が慌てて顔を前に戻せば、前に座る慎吾と目が合った。
その手に握られているボディソープのボトルから垂れ落ちる液体が、裕史のモノを薄い緑色に変えていく。
慎吾の手淫で軽く勃ち上がりかけた先端から根元へと満遍なく絡めると、すかさずタオルを覆いかぶした。
じゅぷっ。
濡れたタオルが透け、裕史のモノの形を浮き彫りにしている。

「ふふっ……」

目を丸くして自分の股間を見下ろす裕史を見上げ、慎吾は悪戯っ子の笑みを浮かべながら、両手をそっとタオルに添えた。
そして肉色に塗れる薄緑色を広げるように、ぐじゅりとタオルで揉み込めば、合間から新たに産まれた泡が溢れ、裕史の顔が快楽に歪む。

「ん、あぁっ!」

丸椅子の上で、ガクガクと裕史は全身を震わせた。
次いで、手を止めようと咄嗟に両腕に力が入るが、それぞれ足首に繋がれていて動けない。
それでもジッとしていられないのか、左右の肩が交互して前後に揺れる。

「…し、んご……やめっ…ん、ぅあ……はっ……」

口では制止を望みながらも、与えられる刺激に早くも目が潤んでいる。
慎吾はそんな裕史の様子を眺めながら、中心から湧き出た泡を片手ですくい取り、脇腹や臍へと擦り付けた。
微妙なタッチで肌の上を這い回りながらも、残した片手で裕史自身をタオル越しにやんわりと擦り続ける。
じゅぐじゅぐと水を含んだタオルが濡れる音を立て、その度に裕史が喘ぐ。

「ちゃんと綺麗にしないとね、先輩」
「ぅうっ……も、いいっ……っく、ぃやだ……」

甘い声で囁けば、ブルブルと首を打ち振るう。
と、いつの間にか離れていた武光が、洗い場の隅から戻ってくると、裕史のすぐ横にガコンと別の丸椅子を落とした。
それは裕史が今座っている椅子とほぼ同じ色と形をしている。
だが一つだけ、大きく異なる部分があった。
それは上部の腰掛ける部分の中心が線状に大きく抉れ、凹の字の形になっていた。

「武光先輩、それ……」
「へへっ、スケベ椅子、発見!おい、裕史、ちょっと腰上げろ」
「なっ…、嫌だ、誰がそんなもんに座るかっ!」

当たり前だが、裕史は身を強張らせ必死に抵抗する。
だが慎吾に抱け締めるように捕らえられ、軽く腰を浮かされた隙に、武光によって椅子をすり替えられてしまう。


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