[携帯モード] [URL送信]
■ 5

無骨な指は、見た目を反し繊細な動きで腸内を蠢き回る。
ずるりと抜き出したかと思えば、じわじわと差し入れながら内壁の襞を伸ばすようにくすぐる。
すでに熟知している夏彦の中を、雅一は焦らすように優しくじっくりと目覚めさせていく。

「はっ…は、ぁ……んぅ……あっ……嫌だっ……」
「ふっ…、とても嫌そうには見えませんが?」
「…っ、う、あぁ!」

甘い声は途切れる事を知らず。
時折、いまだ往生際悪く逃げるように背を反らすが、抱き締めた手で胸の突起をやんわりと摘めば、ぐにゃりと腕の中に返る。
クワァーーン。
その度にベルが鳴るのが耳にも楽しい。

「…ぁあ…、あ……」
「夏彦様、ここも気持ちが良いのですよ」

わざと注意をひいておいて、指腹で中の痼りに触れる。

「はっ!…ぁ、うくっ……」
「こうされると、蕩けるようでしょう?」
「や…ぁ……、雅一……、雅、いちっ……ぁ、ああっ……」

勃ち上がる先端から沸き出る淫液までもがつたい落ち、後孔の中で潤滑油と混ざり合う。
濡れそぼる肉壁を増やした指でぐちゅぐちゅと掻き混ぜながら、コリリと前立腺を擦り続ける。
すると蕩けて柔らかくなった肉壁が、まるで何かを強請るように指に絡み付いてくる。

「…あはっ……、あ…」
「夏彦様」
「……んっ……、雅い、ち……」

快楽に喘ぎ雅一の胸に背を預けるように凭れ掛かる夏彦へと、指を休めず名を紡げば、熱い呼吸の合間に応えてくる。
その声にさえ甘い強請るような気配が混じっている事を、本人は解っているのだろうか?
あれは夢では無く現実だと気付くまで、もう少し。
雅一は淫らに開いていく夏彦の身体を更に高めようと、潜り込ませた指で弱い部分を刺激した。
じゅぷ。
半円を描くように指を廻せば、密着する腰がヒクンと揺れる。

「……ぁ、はぁ…っん、んん……ぁ…」
「気持ちが良いですか?」
「……ん、……あ、あ……」

きゅうと締め付ける肉壁を優しく押し返し、ずぐずぐと深く突き入れる。

「ふぁっ…あ……」
「夏彦様、指ではここまでが限界です」
「はぁ…はぁ……、ん……ぁ………」

根元まで埋め、その場に留まる二本の指先でそっと中を押し開く。

「この奥……もっと深い場所まで満たしたくは無いですか?」
「…ぁ……もっ…と……?」
「さんざん味わったここは忘れて無い筈ですよ。もう、こんな細い指では物足りないでしょう?」

雅一の問い掛けに、震える目蓋が持ち上がる。
暫し虚空を見上げていたが、徐にゆるりと視線を流し至近距離にある雅一の顔を見上げた。
その潤む瞳に自分の顔が映り込むのに、薄い笑みを浮かべた雅一はジッと見つめたまま、後孔に入れていた指を一本ずつ抜いていく。
途端、くっと仰け反る頭を厚い肩で受け止め。

「さぁ、この先は……どうされたいのですか、夏彦様?」

耳元に寄せた唇で、熱い吐息を含めた囁きを落とす。
最後の一本が抜け出るのに、追いすがるように僅かに腰が浮くのを好きにさせ、雅一はとうに固く脈打っている自身を夏彦の無防備な尻たぶに押し付けた。

「……っあ…」

この先を暗示するリアルな感覚に、夏彦の全身が大きく戦慄いた。
体内の最奥が震え、全身がカッと燃えるように熱くなる。
しかしいまだ残る僅かな理性が、頭の片隅で拒絶の言葉を叫び続けていた。
自分は何をされるのか?
自分は何をする気なのか?

「ぃ…あ……、俺には、お…織姫が……」
「はい」
「妻以外の者と…ぅ、あ……このような事を……」
「はい。夏彦様のお気持ちは充分承知しております」

再び拒絶を示し始めた腕の中の身体を、楽しげにやんわりと押さえ込みながら雅一は宥めるように囁いた。
夏彦の言い分が通じたかのような返事に、一瞬だが夏彦の身体から力が抜ける。
が、次の瞬間には、ヒクつく先端が後孔に触れた。

「…っ……」
「ですが、すでにここはもう、何度も……そして幾人ものモノを受け入れているのですよ」
「…ぁ、あ!……ま、さいちぃ…っぅ……っんぅあ!」

ずじゅぶ。
後ろから抱え込まれた格好で、聳えるモノを上から受け入れさせられる。
あくまでもゆっくりと労るような挿入。
しかしそこだけは獣の名残があるかのような固く太い男根は、夏彦の腸内を軽々と満たし、にちにちと肉壁を押し広げながら入り込んでいく。

「……は、はぁ…ん、ぁ……んぅ……」

圧倒的な質量に夏彦は、はくはくと浅く早い呼吸を繰り返し、ピンと反り返る背を小刻みに震わせていた。
クワァァーーン。
首輪から垂れ下がるベルが一際大きく鳴った。
その音の余韻が消える前に、雅一の肉棒が最奥を満たす。
と同時に、そこがまるで何かのスイッチだったかのように、劇的な変化を夏彦にもたらした。

「……ぁ、な……に………、っん…ふぁ……」

衝撃に深く刻んだ眉間の皺がふと弛み、変わりに微かな戸惑いが混じる。


[*前へ][次へ#]

6/16ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!