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テストプレイ
■ 8

背後から覆いかぶさっているフラートは、じわりと紅潮する首筋に、機嫌よく歯を立てた。
現実の身体に影響しない事が解っているから手加減はない。

「ぅんっ!」

けっこうな衝撃があるが、感覚伝達のレベルを最小値にしたおかげで、痛み自体はあまり感じなかった。
白峰はホッとさりげなく安堵の吐息を漏らす。
だがそれも、再び奈々瀬の声が耳に届くまで。

「あっ、もう一つ用件を忘れていました」

今度は何事かと、白峰は静かに身構える。
ヌイグルミの短い手が、何もない虚空に四角形を描く。
その先端の軌跡に沿って細い光が走り、囲まれた場所が赤くなる。
それは白峰が出そうと思って出せなかったウィンドウ画面と同じものだった。
しかし通常の白い画面と違う、異質な赤色が、なんとも不気味だ。
そんな存在自体、知らない白峰は嫌な予感に背筋を震わせる。
表情が伺えないヌイグルミの顔が、その時、ニヤリと笑った気がした。

「白峰さん、勝手に感覚値を下げちゃ駄目ですよ」

丸っとした熊の腕先が、赤い画面の左端を突く。
そのまま画面上を右へ滑らせた。

「ちゃんと最大値に戻しますね」
「待てっ、菜々……っあ、んぁああっ!」

抗議の言葉は、迸る嬌声によって遮られた。
このベッドの上、三人から受け続けた淫戯によって幾重にも肌へと植え付けられていた快楽が、全身で一気に弾けたのだ。
内側からの発情熱が、更にその感覚を倍加させる。
その為の媚薬。
その為の魔法。
ようやく効果を発揮出来ると喜ぶかのように、持ち主の身体を炙り立てる。
抑え込んでいたそれらを浴びせられた白峰は、マットへ縋り付くように崩折れた。
ビリビリと電流のように痺れが走り、汗が後から後から噴き出してくる。
はぁはぁと短く熱い息を繰り返し、足のつま先から頭のてっぺんまで、ガクガクと引き攣る用に震えていた。

「……っあ、な…んで……こんなっ……はっ…あ……ぁ……」
「あぁ、そういう事ね。なんか反応薄いなぁ〜とは思っていたけど」
「悪いな、不感症なんじゃね? って、ちょっと疑ってた」
「ち、がっ……これっ…、知らな…ぁ……あ、あぁっ!」

未だ繋がったまま、フラートの腕が強引に白峰の腰を持ち上げた。
上半身は力なく突っ伏した状態で、尻だけを高く掲げている。
淫らなポーズを取らされていることに、本人は気付く余裕もない。
伝達レベルが高まった状態で、ぎちぎちと極太のモノを最奥まで呑み込まされた。
本人は無自覚なまま、すっかり教え込まれた後孔は、やはり痛みではなく明確な快感を伝えた。

「ひぁっ、あ……んあぁっ……」
「ようやく良い声で鳴くようになったな」
「…っん、ふ……、はぁっ、ぅ…あ……あぁっ……」

腰振りのスピードが上がる。
ずるっ、ずじゅん、ずるるっ。
がっしりと腰を掴んで、無防備な尻孔へ何度も出しては埋め込む。
その度に、すっかり蕩けた獲物はシーツを波打たせながら悶えよがった。
まだ確実に落ちきってはいない、戸惑いの混じる嬌声が、開きっぱなしの口から溢れ出る。
それは徐々に間隔が短くなり、音も高くなっていった。

「お前も出そうか、白峰?」
「ぁ…あ……お、れもっ……?」
「あぁ、最初にパトリオンが抱いた時とはえらい違いだ」

下から白峰の身体を支え持つフラートの右手が、するりと下肢へ潜り中心を握った。
すでに腹へ触れそうなほど反り返り、男の手にビクビクと反応する。

「それっ…あっ……もぅ……んんぅうっ……」
「一緒にイくか?」

シーツへ伏した顔を覗き込むように身を重ねれば、結合部の深さも増し、白峰の背が波打つように跳ねる。
男の言葉にただコクコクと何度も頷きを返す。その間も甘い声で喘ぎ続けていた。

「じゃあ、俺もお手伝い」
「白峰くん、可愛いなぁ」

いつの間にか、力尽きた白峰からの手淫を諦めていた二人は、獲物の両サイドに近づき好き勝手に悪戯を仕掛ける。
ヴェルガは左からシーツの隙間へと手を突っ込み、胸の頂きを指で転がす。
パトリオンはやわやわと白峰の黒髪を弄んだり、耳の縁を摘んでみたり。
そこでも感じるのだと、無垢な男へ教え込むように。
ますます白峰の声が切羽詰まった響きを含む。

「……っあやぁっ……そんな…同時に…なん…てっ、……多いっ…で…すっ……もぅ…、さわら…な……あ、あっ、あっ……」
「我慢しないで良い。好きに出せ。俺も出る」

のしかかる男が激しく肉棒を突き入れる。
すると受け止めた白峰の肉壁が、自ら取り込むように蠢いた。
だからと言って、先ほど命じた事を意識してやっているわけではない。
ただ抑えていた感覚が戻るどころか、鋭敏になったおかげで、快感に貪欲となったからだろう。
フラートは求められるまま、根元まで全てを含ませた。
膨らみきった先端で最奥の壁を擦り上げ、ヒクヒクと戦慄くそこへ熱い奔流を叩きつける。

「……っんぅ」
「ああぁっ、中ぁっ……はぁあぁあっ!」

しっかりと胎内に精液が満たされる感覚を味わいながら、白峰も続いて自身の熱を放った。


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あきゅろす。
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