解放目録 サンプル ■ 2 指で丹念に解し、何も知らない男へ尻孔で快感を得る術を教えた。 まだ陽が高いうちから、何度も何度も。 「ほら、イキたかったら、またどうぞ」 関根は促す言葉を紡ぎながら、執拗に前立腺を抉り続ける。 だが身構える浦辺の様子に気付き、ふと戯れにずるりと奥まで差し入れたりするから狡い。 「ぅんぁっ!」 不意打ちの刺激に身体の力が抜ける。 そこをまた元通り浅く引き出したモノで、ぬぷぬぷと潰すように擦り上げた。 「あ、はぁ…はっ……んんぅっ……ぅあっ……」 翻弄され続ければ、もう無駄な努力をする気もおきなくなる。 元から指の先まで快楽でいっぱいにされた身体は、再び襲い来る壮絶な絶頂感を受け流す事も出来ず、全てその身で受けとめた。 「……っは、あ…またぁ……ま、たぁ………」 脳裏に白い光が何度も弾ける錯覚。 全身が燃えるような熱い衝撃に包まれ、浦辺は四肢を戦慄かせた。 身体の奥を犯す彼のモノから逃げ出したいのに、悦楽に従い勝手に締まる腹の中。 肉棒に敏感な痼りを自ら押し付け、それが決め手となる矛盾。 「っあ、…はぁあぁぁーーーーっ!」 射精を伴わない絶頂。 高みへ駆け上がっているのか、はたまた深い縦穴へ落ちているのか、解らない。 そんな感覚を吹き飛ばす程の快感に襲われ、浦辺は嬌声を張り上げながら、ビクン、ビクンと全身を引き攣らせた。 その力無く波打つ背中を、覆い被さる男がそっと抱き締めた。 柔らかい接触に、じわりと甘い刺激が産まれ、浦辺は仰け反るように身悶える。 「ぁ…あぁ……は…ぁっ……」 「また後ろでイけましたね」 「ふぅうっ……っ、あ…あっ…や…ぁ…触っ……っんぁあっ!」 自覚無い彼へ教えるように、腹を撫でる男の手の平が、未だ昂ったままの中心を握り込む。 ぬちょ、じゅぷん。 透明な体液でぐしょぐしょの幹を、滑りに負かせ軽く扱く。 まだ貴方にはもう一つ別の絶頂が残っていると、身体に直接示されるが、浦辺はそれどころでは無い。 極悦の波は治まりきっていないのに。 更に強烈な刺激が容赦無く加えられる。 「…っ待ぁ…あぁあっ……まだイッてるからぁっ……!」 「今も?」 「んぅっ…、ぃまもっ…はぁ…っ…、今もっ…イッて……ん、んんぅーーー!」 ヒクつく先端だけを緩く揉みしだかれ、浦辺は突っ伏した額をクッションへ強く押し当て震えた。 真っ赤に染まる首裏へ愛おしげに唇を落としながら、関根の手は同じ動きを繰返す。 合間、根本まで埋め込んだ自身で、身体の中からも別の快感を滲ませてやる。 ぐぶぶっ。 深く沈む肉杭に下肢を揺さぶられ、膝付く内股がガクガクと戦慄く。 「…っあ、あ…っはぁあっ……」 空いた片手がするりと胸に伸び、先程とは逆の乳首をぎゅっと摘んだ。 それが解放のスイッチになる。 「……っふぁ、ぅあぁぁあっ……」 終わりに近いのか、先端から垂れ流れる白い精液は勢いが無い。 それでも絞り出すような動きを見せる男の手に従い、びゅく、びゅくっと断続的に零れ落ち、シーツを汚す。 「はぁ…はっ…ぅ…ぁあ……ぁ……はぁ……」 休む間も無い連続絶頂に、浦辺はただ本応的に男の手へ反応を返しながら、荒い息を吐き出していた。 足の爪先から頭のてっぺんまで、ただただ気持ち良いという感覚だけがパンパンに詰まり、ぐるぐると体内で渦巻いている。 自分が望まぬ行為の末だと言う事も、年下の上司に陵辱されているという事も、一瞬飛んでいた。 だからだろう。 クッションに埋もれた唇がひっそりと甘い刺激に緩み、笑みを浮かべていた。 その唾液に塗れた口が、次の瞬間、大きく開き、悲鳴めいた嬌声を放った。 「ひぅっ、や、ぁああっ!」 「今度は俺の番ですね、智也さん」 「はぅっ、あぅっ……、ぁ…はぁ…ぁ…あぁっ……」 まだ余韻が覚めない彼の中に、まだ味わえるだろうと更なる快楽を。 絶頂に引き絞られる内壁を、敢えて逆らい自身を抜きだした関根は、再び根本まで一気に埋め込んだ。 ずぐっ。 最奥を硬い亀頭で突き上げ、本格的な律動を開始する。 「…っや……だからっ……待って、て…ぅごくの……や、っあ、はぁっ……」 「でも浦辺さん、イッたばかりで、この奥をグリグリされるの、気持ち良いでしょ?」 「ぅうあぁ……ぁ…、駄目だ…からっ……ぁ、せ、きねさ……ぁ……」 頽れそうになる腰を抱きかかえ、中をたっぷりと蹂躙する。 ごぷっと前に出した精液が淵から溢れ出るのが目に楽しい。 そうして深く埋めたモノでコツコツと奥を嬲りながら、上体を屈め浦辺に優しく囁きかけた。 「名字じゃ無くて、名前で良いって言いましたよね?」 「……あ、あっ……ん、さ…としっく…ん……? っ、はぁっ……」 「はい、智也さん」 「ふぁあっ!」 要求通り彼の名を呼ぶが、浦辺の願いは叶えられなかった。 止まるどころか、却って激しさを増す抽挿。 強烈な一突きに、灼け付くような感触がいちいち迸り、最上の快楽を次々に上書きしていく。 ……続く。 [*前へ][次へ#] [戻る] |