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REBORN
来訪者

夜も深まる所謂丑三つ時。
正常な人間は夢の中にあるべき時間帯だが、この世界の人間で在る限りそれは当たり前にはならない。

暗殺は従来夜襲が定番だし、いくらマフィアといえど一般人の多い真昼間からドンパチやろうなんて考える馬鹿はそういない。

この世界にいる限り夜は常に己の側に在るもの。



コンコン






だからこんな月の綺麗な時間に扉がノックされたところで驚くべきことではないのだ。






殆ど半年という時間を費やした任務が終わったことにより僕は久しぶりの本部へと戻っていた。


報告から何からを全て終わらせて、重たい体を無理矢理自室の中に掘り込んだ頃にはすでに時計の針は2を指していたのである。無論辺りが暗闇で覆われていることから、今が14時でないことは理解してもらえるだろう


そんな中でのノック音だ。
出たくないと思うのは自然の摂理だと思われる。
酷く重い体では鳴らされた呼び出しに返事をするどころか動くのも億劫で僕は居留守を使おうと腹をくくる。何せコチラは任務が終わったばかりなのだ。何処の誰だか知らないがゆっくり休みたいことくらい理解していただきたい。


ちょうど明かりは付けていなかったし事前に物音も鳴らしていない。気配は………今から消せば問題ないはずだ。
所詮、召集に来る奴なんてそこらの三流でしょうしね。



完全に無視を決め込むことにした僕の耳にもう一度同じようで少し乱暴になったドアの音と聞き慣れた声が耳に届く。



「骸、いるんでしょ?僕に居留守は通じないよ。早く開けないとこのドアぶち壊すよ。」

ヤバイ。
三流なんて侮ってごめんなさい。
居留守を使ってる場合等ではない、自室のドアの危機だ。

「わかりました!今すぐ出ますから、壊さないで下さいね!ドア!!」


叫ぶと同時に殆ど間伐を入れないほどのスムーズなモーションで"バン"と勢いよくそれを開け放つ。完全に強敵を相手にした時の動きだ。
それもそのはず、扉が壊された場合の請求書は無慈悲にも僕宛てに来るのですから。








「っ…はぁ……はぁ…」
「久しぶりだね、遠征任務ご苦労様。」

不覚ながら息絶え絶えな自分をどうしても身長の都合上、上目使いで見つめる形となる見慣れた顔。

まったく、色々と心臓に悪い。


久々に会った恋人は正直自分の理性方面にかなりきた。


「そう思うのならこんな時間にわざわざ何の用ですか?君が来るなんてよっぽどのことがあったのでしょうね。」



出かかった欲をグッと堪え出来る限り冷静な振る舞いを演出する。

何たってこんな夜更けにわざわざボンゴレ最凶を謳われる雲が直々に会いに来たのだ。
恐らく久々に守護者会議を開くつもりなのだろう。これでせっかくの休暇も飛ぶというものだ。


だからといって、ここで彼を押し倒したりしたものならば後が恐い。



「違うよ。ボンゴレは安泰だ。」





「ではなぜ…」
「僕が尋ねたのかって?」
「えぇ。」
「半年ぶりに帰って来た恋人に真っ先に会いに行きたいって考えるのは駄目なのかい?」
本部に戻って来てたなんて知らなかったんだよ。ついさっき綱吉から君が戻ってること聞いて……」
「直行で来てくれたのですか?」
「………悪い?」



成る程…
存外嫉妬深い性格をもつ彼のことだけにこの言葉に嘘はないという核心が持てる。



「どうして知らせてくれなかったの?」

「すみません。真っ先に会いに行くべきでしたね。」

「馬鹿……会いたかったよ、骸」

そういって抱き着く彼への返事として僕の"名前"を紡ぐその唇を塞ぐ。
塞いだ方法を聞くような野暮な方はこの場にはいないようなのでそれ以上の追及はご勘弁願いたいものです。


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久々ですね。
10年後…萌えます。


あきゅろす。
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