REBORN
君の瞳に贈るメッサージュ
「Buonasera、恭弥。お久しぶりです。」
「んっ……君祖国ボケしてるんじゃないの?」
仕事の関係で本当に久々に会った恋人。
何も介す物のないリアルな彼の存在にインターホンで存在を確認したときからずっと高鳴る胸をどうにか落ち着かせようとするが、その当人から当たり前のよう挨拶変わりの軽いキスとハグを贈られれば流石に落ち着くものも落ち着かなかった。
飽くまでイタリアででの当たり前であり、日本で通用するはずがないというのに…
顔に溜まる熱をどうしようもなく持て余す僕を幸せそうに見つめる君。気恥ずかしさからつい視線を泳がせる僕の目に入ったのは君の手に握られた一本の名の知れた赤ワイン。
君の瞳に贈るメッサージュ
「君が酒を持って来るなんて珍しいね。」
グラスに注がれているであろう赤い液体を思いながら摘みとして合うであろう洋菓子を棚から引っ張り出す。
誰から貰ったのかも覚えてない箱だったがどうやら賞味期限はきれていないようだ。
「どうですかね?たまたま任務先で手に入れたんですが、中々手に入らない物らしいので恭弥にもと思いまして。」
こだわりの強い僕でも飲みやすいように作られた一本は確かに美味しく、あっという間にワイングラスに注がれた一杯は喉の奥に吸い込まれていった。
「ふーん―――――いいんじゃない?コレ。」
「お気に召して頂き光栄です。たまには洋酒もいいものでしょう?」
その言葉が言い終わる頃には既に注がれていた二杯目のワイン。
グラスに満ちるルージュは上品で質落ちを知らぬような輝きを放っていた。
「綺麗な色だと思いませんか?」
まるで心を読み取るかの如く的確な彼の言葉にグラスに口付け同意の意を示す。
「うん…悪くない。君に合いそうな色だね。」
上品さとか繊細さとかさ と付け加えれば思いの外、彼の意は違うようで
「そうですか?寧ろ似合うのは君のほうだと思うんですが。」
別に嬉しくないわけではないが僕にこんな上品な色を当てる彼もどうだか…。
こんな色より寧ろ―――――
「寧ろ――――僕はこんな優しい色じゃなくて君の瞳見たいな獰猛な色のほうが好きだな。」
「えっ……?」
「ワインレッドなんかより君の目みたいな真っ赤な緋色に僕は染まりたい。」
急に近づけば反射的に閉じられた瞼に触れるだけのキス。
勿論 瞼に隠れるのは僕の大好きな緋色
瞼へのキスが憧憬のキスとは誰が言い出したものなのだろうかなんて考えてみたりしてたら急に視界が反転した。
イグサの香がすぐそこにあるのを感じながら視線をあげれば僕の大好きな緋がそこにはあった。
『まったく…誘ってるんですか?こんなことされれば僕だって加減出来なくなりますよ。』
『ふふっ…そんなの望むところだよ。』
君の瞳に贈るメッサージュ
―――――――――
テスト期間中に書いたという何とも言えないリハビリ文
最近見る専になってたから中々うまくいきませんね。
さりげに+10設定なのは二人にお酒で乾杯させたかったから、それだけです。
Buonasera(Buona sera)=伊語:こんばんは
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