REBORN
黒が白に染まるトキ
「あーぁ、結局わからず仕舞いか……。まぁ、利益は十分だったけどね。」
視線の先には情事後のまま放置された美しい肢体。
白濁に塗れた体はそれでも美しく、意識はありながらにして虚な瞳がそれに拍車をかけていた。
彼を縛る鎖はもはや必要をなくしていた。
逃げることなどもう考えられないほどに病ませた精神。
「恭ちゃん…僕ね、恭ちゃんが欲しくなったかもしれない。」
光を失った瞳に滲む涙を拭ってやりながら反応のない肢体に語りかける。
「で考えたんだ……僕が欲しい恭ちゃんはなんなんだろうなーってさ。」
彼にこの言葉が届いているかいないかなんて僕には関係ない。
僕にとっての重要事項はただひとつ。
「今わかった。僕は《ミルフィオーレ》の恭ちゃんが欲しかったんだ。」
「だから《ボンゴレ》の恭ちゃんとはさようならしなきゃね。」
そうだ
邪魔な色は消せばいい
上から真っ白に塗り潰して
なにもなかったことにすればいい
「バイバイ、《ボンゴレ10代目ファミリー 雲の守護者 雲雀恭弥》」
白蘭の手が雲雀の頭を掴み――――――
「 」
その瞬間
全てが壊れた音がした。
「おはよう、恭ちゃん。気分はどうだい?」
そういって部屋に入れば警戒した様子で武器を構える彼。
「なんだ…君か、白蘭。驚かさないでよ馬鹿っ…」
だがその警戒も一瞬。
僕の姿を確認するや否や構えられたトンファーは再びしまわれた。
「気にしないで。さぁ奴らにやられた傷を見せて…手当てし直さなくちゃ。」
「うん………」
彼にしては珍しくしおらしい態度に一瞬驚きながらも直ぐに包帯を巻き直す。
「びっくりしたよ。恭ちゃんがボンゴレに捕まったって聞いたときはさ。どんなドジを踏んだのか聞きたいくらいだね。」
「煩いよ。少し…失敗しただけ。」
「まあ無事でなによりじゃない。元気そうで安心したよ。」
直ぐに戻った態度に苦笑しながらも綺麗な肢体に巻かれた全ての包帯を新しいものに巻き直す。
痛々しい傷をなぞればビクリと跳ねる体。
「これ、新しいの持ってきたんだけど大丈夫?着れそう?」
そういって手にしたホワイトスペルの隊服を手渡せば素直に受け取り巻き直した包帯の上に羽織る。
「やっぱり恭ちゃんには白が一番だね。」
「…………何の話…?」
「気にしないで。こっちの話しだよ。」
「なら…いいけど」
クスクスと笑う僕に若干不満気な恭ちゃん。
「あ……あの…びゃくらん」
「ん?」
「ありがとう。僕をボンゴレから助けてくれて…」
「当たり前でしょ?だって恭ちゃんは僕がこの世で唯一愛してる人なんだから。」
歯の浮くような台詞に赤面する頬を優しく撫でる。
「っ///………………うん。」
自然と合わさる唇。
それは恋人通しの二人にとっては当たり前の行為。
そう
彼は覚えていない
その傷が誰に付けられた物だったかを
彼は覚えていない
自分が何者だったかを
彼は覚えていない
自分が誰を愛していたのかを
彼は気がつかない
自分の知りうる全てが偽りの世界だということに!
黒が白に染まるトキ――
――― それは矛盾した事象
だが"彼"を失った黒は――余りにも弱く
何物にも染まらないはずの黒はあろうことか対極の存在である白へと姿を変えた
あぁ…なんて哀れなのだろう
君が居ない彼はこんなにも脆かった!
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ほんとは最後までレイプ目で・・・ってエンドだったのですが気分で変えました
ひっさびさのエロだったのではっちゃけすぎましたww
無駄に長い、そして白蘭様別人wwwww
“彼”はお好きな方でどうぞ。
シチュ的に骸かツナになりますが・・・・
弐万御礼小説につきフリーです。
晴嵐様リクありがとうございました!
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