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REBORN
Chronicle









大広間から出た後は直ぐに自室に直行。
今は誰よりも彼に会いたかった。

「どう?お父様の容態。」

先程すれ違ったメイドが香を炊いたのだろう。
部屋の中には心地よい香りが広がっていた。



「さぁ…あまり芳しい状況ではないかと」


両の手を上げ心にもなく返ってきたのは素っ気ない一言。


「そちらの方は?」
「聞くまでもないでしょ。」


それがどのような事を意味してるのか…先程まで行われていた会議とその会話から察すればカンのいい彼のことだ、安易に解答は出せただろう。


「お兄様達はさぞ驚いたようですね。」
「いきなり後継者争いに参加することを意味するような言葉を投げかけられれば誰であれ驚くだろうね。」


あくまで人事のように話す彼にコチラもつられて自分の主のことながら他人事になる。



「で…勝算はあるんですか。」

正直これは博打だ。
お父様の意思が全てを決める。
勝算なんてはじめから0か100しかない。

そんな物に意味などないのに………僕はそれを求めている。
0ではなく100に限りなく近い数値を。


「ゼロだったとしても勝つから問題ない。」
「クフフ…そうでしたね。」

結果こそ全てだった世界が変わってしまった。
可能性を求めるようになった。

きっと、彼は僕の信念をも変えてしまったのだ。






「君…馬鹿にしてる?」
「いえいえ…よく頑張りましたね、坊ちゃん。ご褒美です。」

人を子供扱いするのは相変わらず、少し怒りを覚え口を開いた時だった。

その口から罵言がでる前に気がつけば彼の舌に僕の舌が絡めとられていた。

「んんっ!!!」


ぴちゃぴちゃと卑猥な水音がしばらく辺りを満たた。

十秒…二十秒…………

一体どれだけの時がたったのかは解らなかったが、ハジメテのそれは余りにも長かった。





「…ぅん……く………っ!!!………こんなことっ!男にされてもうれしくないよっ!!




解放された口から酸素を取り込むついで、一言文句を言ってやれば、酸欠状態のその体が余計にふらふらした。


「おや失礼。それではご機嫌直しにケーキは如何ですか?」



支えられた体にかけられた魔性の囁き。







「………頂くよ。」

別にアイツにハメられたわけじゃない。
別にキスがよかったわけじゃない。



ただ………

そう…ただ、君の作ったケーキが美味しくてつい怒るのを忘れただけさ。




今回は美味しいケーキに免じて許してやる!







そのケーキを食べた時点で君の負けだということに彼は気付かない。



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とりあえず続きました
なんだこれ?
これ以上続くのかもわかりません



あきゅろす。
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