お熱いですね。 飲みすぎて記憶を飛ばした翌朝によく言われる台詞がある。 …が、どうも納得がいかない 腑に落ちない 何でだ? 俺達の飲みは毎度と言っていい程喧嘩に発展し、殴り合い罵り合っての流血擦過傷 酒にやられたんだか脳震盪だか何だかわからない形で意識を飛ばして…気が付けばいつも朝なのだ。 「…」 流石に翌朝となれば相手への殺意は消えている。 むしろどんな理由で喧嘩したのか、どんな事を言い合ったのかすら覚えちゃいない。 汚れてぐしゃぐしゃになった衣服と体に残る傷跡で「あぁまたやっちまった」となるだけなのが… 「兄ちゃん、」 「え?」 ……! まただ。場所を貸してくれた店の親父からまたその台詞が。 だから一体何故 親父だけじゃないのだそれを言ってきたのは。 違う店の女将 バーのマスター 通りすがりの知り合い 志村兄弟 ジミー君とかそこら辺… あ、そうだジミー君 こうなったらいっそジミー君に真相を聞いてみようか。 「…というわけで、知ってる事全部銀さんに話してみようじゃないの、ジミー君」 「えっ」 心なしか言いにくそうにうじうじする部下に対し、「オラとっとと吐け!」と土方が捲くし立てる素振りを見せた。 何故土方が一緒にいるのかというと、ジミー君に会いに行く途中に見つかってしまったのだ。 事情を話したら「俺もそれは疑問に思っていた」ということで意見は一致。 休憩中のジミー君を見つけ二人で囲んだ。 「え、と、だから、それは…」 「それは?」 「勿体ぶんじゃねーよ早く言え」 「…」 「…」 「・・・」 「・ ・ ・ !」 ジミー君がやっとの事で搾り出した事実(出来る事なら信じたくないが、)に俺等は言葉を失った。 「…マジで…?」 「嘘だろオイ…」 「というわけで俺はこれで失礼します!」 凍りついた俺等の(主に土方だろうが)その次の動きを恐れたのか、ジミー君は俺等の前から足早に去っていってしまった。 「…俺達一遍死んで頭冷やして出直そうか…」 「いやいっそ死んだままにしといたほうがいんじゃね…?」 「俺等恥晒しもいいとこだ…あああああああ」 「泣くな喚くな!泣きてーのはこっちだ!」 「土方のバカヤロォォォォ!!!」 (え、だって副長と旦那の喧嘩って、あの、) (その、) (どっちが上か下か、とか) (どっちのがテクニックあるか、とか) (死ねだの馬鹿だの好きだの嫌いだの…) (なんかもう酔っ払って殴り合って血だらけになりながら惚気ているとしか…) (だから皆バカップルだとかケンカップルだって…) (……) (というわけで俺はこれで失礼します!) (今俺が言った事は忘れて下さいすみませんんんんん!!) 「お熱いですね。」 終わり けちゃらー様 お題ありがとうございます! ←戻 |