5.見つめないで 「新八ぃ、お前最近おかしくないか?」 ソファーで、だらけてジャンプを読んでいたと思ったら いきなりそう言ってきた。 「はっ!?はぁ?なんすかそれ、普通ですよ。」 正直焦った、だって、好きだってバレたら一緒に居られない。 「まぁいいけどよ、何かあったら言えよ?」 そう言うとまた、ジャンプを読み出した。 「はい…」 相談なんて出来ないよ。 だってあんたが好きだなんて相談出きるわけない。 「だぁぁあっ! 新ちゃん!ちょっとこっち座って!」 いきなり叫びだしたかと思ったら、新八に隣に座れと言った。そして、仕方なく新八は隣へ座った。 「…なんすか?」 「何を悩んでる?言ってごらんなさい」 ったく、明らかに悩んでますみたいな顔しやがって。と言い頭を掻く銀時。 「悩んでないですから!」 言えるわけがない…あんたが好きなんだけど、どうしたらいい?なんて… 「おまぇなぁ…」 イラッとしたような顔をすると ガシッと新八の両方のほっぺたをパチンと優しく叩くと、顔を寄せて、こう言った。 「そんなに、銀さんじゃ頼りないですかぁ?コノヤロー。」 ちょっとふてくされたような銀時は少しは信用しやがれ、とブツブツ言っている。 「……銀さん…。」 僕だって、言えるのならば言いたいさ。 でも…だけど…っ! 言えない───。 銀さん…お願いです─── ────その瞳で僕を見つめないでください。 「銀さん」 ────溢れてしまう。 この気持ちが──── 「好きです。」 ───溢れだしたら、 もう───… 「あんたが好きなんです!」 ───止まらない。 「んだよ…そんなことかよ…」 ボリボリと頭を掻きながら安心したような言い方だった。 「なら安心しやがれ、んな悩みこの銀さんが解決してやる!」 そう言うと、おもむろに新八の顎をつかみ、唇を重ねた。 ───あぁ、恋は… 「今日からお前は俺の恋人だ!!」 こんなに甘い──── ─────甘いモノなのだろうか おわり [*前へ][次へ#] |