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慕情連鎖


志村の高校卒業後の進路は、地方への就職が決まった。学校推薦で決まった事もあり辞退を選択出来なかった。何故辞退をしたいとの考えが頭によぎったのか。それは離れたくない者がいたせいだった。

「まぁ頑張れよ」

進路が決定したのは年末の事で、担任である坂田はいつものようにやる気ない表情で新八にそう言った。

志村はこんな時くらいはピリッとして欲しいような、だけどやはりこんな風に、いつものようにクラスでだらだらとしている坂田の様に何でもないさと送り出して欲しいような天の邪鬼な思いで少し笑った。

「そうですよね。ありがとうごさまいます」

2人は当たり障りのない会話で互いの表情をじっくりと見た。坂田はやはり年の功もあり、志村の不安に揺れた表情を見逃さず察したが、一方の志村は坂田から教師の表情しか伺えず少し落胆した。それから今まで持っていた僅かな期待はすぐに消えた。


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