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01.これが、限界の距離





隣に立って、話をする。
それだけで満たされていた想いが溢れだして。



万事屋の椅子に隣で座って居れば押し倒してキスしてそのまま抱いてしまいたい。


自分以外の誰かと一緒に居た所を見ると嫉妬で狂いだしそうだ。










「銀さん、もう店じまいするから起きてくれねぇか」

夢見心地の所で聞こえてきた飲み屋の亭主の声に瞼を開ける。

ガシガシと頭を掻いて大きな欠伸をひとつ。




ツケといてと言うといつものように今度来たら払えよ、と言われて店を追い出された。




フラフラと覚束ない足。



暗い夜道を月明かりが静かに照らしている。





いつもの倍の時間を掛けたであろう万事屋への道のり。



極力静かに玄関を開けて返事が無いと分かりつつも
癖になってしまった、ただいまと言う言葉を口にする。



お帰りなさい。
新八と神楽のその言葉が聞こえないことに、寂しさを覚えた。





和室の襖を開くと敷いてある2枚の布団。

新八が寝ている布団に静かに近づいて腰を下した。



すうすうと寝息を立てる新八の口元にそっと掌を当てた。





生きてる。
分かっているのに酷く安心する。



新八が笑うたびにドンドン好きになって。
居なくなることに、失う事に怯えて。



近くに居すぎることに、怖くなった。






近づかないで、近づかせないこの距離に不安を感じながら、どこか安心する自分が居ることに気がついた。




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あきゅろす。
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