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novel
冷静沈着後変態





煙草吸って折角いい気分で歩いてる時、嫌な物が視界の隅にちらついたのは昼過ぎの事だった


最初は総悟だけが見えて、またサボってるのかとため息を漏らしただけだった

起こしてバリバリ仕事をさせようかと近寄った時…


「…!!」

総悟の隣ですやすやと眠る、新八が見えた


…までなら、何とか許せた

いや、もうその時点で総悟を切腹させると誓ったが



新八の華奢な肩には、総悟の物と思われる隊服がかけられていた



どう考えても眠った後に着させたに違いねぇ

しかも…肩まで抱いてやがる

イライライラッとキて、総悟の頭を思いっきし拳で殴った

殴られたのに手を退かさない所がまた腹立たしい


「んんー…何でィ…死んでくだせェ土方コノヤロー…」

「テメーどんな夢見てんだ!!!!起きろドSが」

「…嫌でさァ…新…八ィ…」


フザけんな、今すぐそのドSが移りそうな隊服を退せ!!

そしてその手を退けろ、腕を斬り落とされたくなきゃな!!!!


でも…何だ


…これが萌えって奴か?


ブカブカした隊服を羽織る新八が限り無く可愛く見える…

何かのプレイみてぇだ…



…何考えてんだ!!!




ダメだダメだ、今は職務中だ土方!!!


我慢だ土方、お前なら出来る筈だ土方ァァア!!!



「…何してるんですか土方さん」

「…し、新八…っ」



起きてたのか!!!



…ちょ、やべぇ


いつも冷静沈着な俺のイメージが崖崩れの如く!!!



「…;」


崩れて行く…!!



「…あ!!何これっ!!僕いつの間に沖田さんの服来てんの!?」

「…今さら気付いたんですかィ?あー…眠ィや」

「沖田さん、何で僕が隊服着てるんですか?僕の記憶では着た記憶なんかないです」

「そりゃー…アレでィ。新八が寝てる間に俺の上着引っ張って…」

「目ェ泳がせながら言うな!!!!バレバレな嘘ですね」

「…ち、違いまさァ、なんか宇宙人が来て勝手に俺の上着を…」

「はいはい分かりました。そんな分かりやす過ぎる嘘ならいっそつかない方が100倍マシです」

「…し、新八ィ…!!」



へっ、ざまぁ見ろ!!


普段の行いが悪過ぎんだよテメーは


俺ァ何たって冷静沈着だからな




「…土方さん…何一人で百面相してんですか?さっきから何か気持ち悪いですよ…」

「…き、気持ち悪い…?」

「なんか萌えとか聞こえて来たんですけど…」

「…聞こえてたのか…っ!!!」

「…とにかく、何か今日の土方さん変ですね…疲れてるんじゃないですか?じゃ、さようなら」

「…新八…!!!!」





「…へ、ざまぁ見ろィ。人の事言えねーや」

「…テメーは黙ってろ…」





人の不幸は蜜の味


たぁよく言ったモンだ…





人の不幸を笑うと


自らの不幸にも泣く羽目になるのだ






「…こん位の事でめげる俺じゃねぇ…あくまで冷静沈着を貫き通す…!!」




END..



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