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novel
あの娘に御注意を



「え?大丈夫なの?」




新八は冷静に言った


銀時が熱を出して、休日にも関わらず朝早く電話の音に起こされたのだ



「新八ーダメアル、私じゃ役不足ネ。今すぐ来るヨロシ!!!」

「でも今日休日だし…銀さんなら寝てれば治るよ」

「なに言ってるアル!!涙も減った暮れもないアルな!!!だからお前は新八アル!!!」

「いや新八関係なくね?」

「ンな事どーでもいいネ。とりあえず早く万事屋に来るヨロシ!!!」



ブツッ



ツーツーツー…





「…強制?」





とりあえず行かなければ神楽に殺される、と言う恐怖もあってか



新八は万事屋に重い足を動かした











万事屋についた新八は、あまり気乗りしないが仕方無いか、とドアを開けた




ガラガラ



「…銀さーん、大丈夫ですかぁ?」



ドアを開けた途端、神楽ちゃんがタックルのように突っ込んで来た



「新八ィ!!!何してたアルカ!?ごっさ遅かったネ!!!もう一日位余裕で経ったアルヨ!!!」

「ぐはッ!!…いや、まだ30分も経ってないから…で、銀さんの具合はどうなの?」

「ダメネ!!!もうぐったぐたヨ…さっきからなんか泡吹いてるネ」


半泣きで何て事を…


泡って何!?





「神楽ちゃん…銀さんに何したの?」

「何もしてないヨ!!ただ銀ちゃんが体が痛いって言うから擦ってやっただけアル」

「さ…擦った?神楽ちゃんの擦るは危ないよ…それ病人じゃなくても泡吹くから!!!」

「どーゆー意味アルカ!!!!!何ヨ、新八の癖に私にケンカ売る気アルカ!?」

「どんだけちっさい事でケンカ売ってんだよ僕は…」



神楽ちゃんに任そうと思った僕がバカだったよ…


やっぱ来てよかった


下手したら銀さんがただの風邪で亡き者になりかねなかったよ




「新八ィー…」

「…銀さん?大丈夫ですか…」



僕が見た銀さんは、明らかに普通ではなかった


顔色が土色…



何で首にネギなんか巻いてんの?



なんか臭い…異様な臭いが奥から…!!




「…新八ィ、遅くね?めっちゃ心細かったよ銀さん…」



珍しく弱ってる銀さんは、ヨタヨタと寄って来て僕に抱き付いて来た



「ちょ、やめろ!!!アンタほんとに風邪ですか!?」



年甲斐もなく頬擦りしてくるマダオに、少しだけ吐き気を催した



「やべぇよ銀さん…今度こそ死ぬかも…神楽に変なモン飲まされたんだよ…これ飲めばすぐ元気になるアル!!すぐ発情期になるヨ!!!とか意味わかんねぇ事言ってよォ…」

「うわ、何ですか…臭っ」

「新八!!納豆とニンニク交ぜた奴作ったヨ!!!あと青汁的な物も作ったアルネ!!!」



背後から恐ろしい物を持った恐ろしい奴が…!!!!


兵器だ!!!



「それか!!さっきから放ってる異臭の原因それか!!!!!」

「何言ってるアル!!!これ食わせればすぐ元気になるってドSが言ってたネ!!!」

「ドSって沖田さん?沖田さんの言う事真にうけないの!!あの人銀さんの事殺そうとしてんだから」

「マジでか!?アイツまた会ったらただじゃおかないネ!!!!」

「もー沖田さんめ…銀さん、とりあえず布団に戻りましょう?」

「新八ィ…やっぱ俺には新八だけだわ」

「何バカな事言ってるんですか…神楽ちゃんだって銀さんの事心配してるが故の行動なんですよ?沖田さんは何企んでんのか知りませんけど」

「大丈夫アルカ?銀ちゃん死ぬアルカ!!!!」

「死ぬかァァァア!!!テメェのした事の方がよっぽど俺を着々と死に追いやってるんだよ!!!!」

「銀さん、神楽ちゃんは心配してるんです。…神楽ちゃん氷枕作って持って来てくれる?」

「わかったアル!!!!この歌舞伎町の女王に任せるヨロシ!!!」

「はいはい、任せたよ?」

「新八…手ェ握って〜」

「ったくこっちのマダオも…」

「風邪の時ぐらい優しくしてよ新ちゃん…」

「はいはい、大丈夫ですかもう…ほら、手握っててあげますから」

「うぅ…新八ー…死ぬゥゥ」

「大丈夫です、アンタは殺しても死にませんよ」

「新八…チューして」

「はぁ?やですよ移るし」

「いーじゃん、一番の特効薬なんだもん」

「いやいや!!薬飲めっ」

「いいから。ほら静かにしてろって」

「ぎゃあああ!!!アンタ性欲はバッチリあるじゃん!!!しかもなんかネギ臭いし助けて神楽ちゃああん!!!」




ダダダダダダ…


「新八退くネ、ホワチャァァァア!!!」


「「ギャアアアアア!!!!」」

銀さんに襲われそうになってる所に物凄い足音と神楽ちゃんの威勢のいい声が聞こえたと思ったら。

半分溶けた氷…と言うか氷水が頭上からぶっかけられた


体が…体が凍る!!!!


「神楽ァァア!!!!何してんだコノヤロー!!!風邪拗らせるゥゥ!!!!」

「銀ちゃんが新八を襲おうとしてたから悪いアル。風邪引いてる癖に発情してんじゃねーヨ」

「せめて銀さんだけにかけて欲しかったよ…」

「俺はいい訳!?新八!!!」

「引っ付いてたから無理だったネ。ごめんアル新八」

「…でも助けてくれたしね。ありがとう」

「神楽…お前コレ片付けろよ!?俺ぁ片付けねぇからな!!!」

「溶けたら定春が飲むからほっとくヨロシ」

「汚いから!!!!定春お腹壊すゥゥ!!!」

「ねぇ新ぱ…おわっ!!」

「ちょっと銀さん大丈夫ですか!?何滑ってんの!!!!」

「ギャハハハハ、ダッセーアルなァ銀ちゃん」

「神楽ちゃん!!!雑巾雑巾ーー!!!!」

「あ、新八危ないアル」

「え、うわっ…!!!」















結局、氷水を被ったのと、滑って転んだ時に頭を打った二人は




「銀ちゃん〜新八〜大丈夫アルカ〜?ワタシの作った特製ドリンク飲むヨロシ!!!」

「「う"ぅぅぅ…」」

「いいから早く飲むアル!!!オラ、飲めヨ!!!」


「「…へ、兵器だ…」」




重い体のせいで大した抵抗も出来ず、あの兵器の餌食になったとさ




END..



あきゅろす。
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