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novel
泣けない子供





私は強い


新八よりも、銀ちゃんよりもきっと強い



守られる事は無い

だって、強いから


銀ちゃんは新八を守る


新八も弱いながらに必死で銀ちゃんを守る


銀ちゃんも新八も、私も守ろうとしてくれる



けど、私は守られない


だって私は二人より強いから



本当は守って欲しい時もあるのに、意地を張る




私は強いから



弱さを見せたくない


見せられない




あの二人が幸せで、そこに私もいれたらいいなぁって


それだけだから、私はあの二人を必要以上に邪魔しない



間に入らないで、少し後ろからついていった


その距離感が少し寂しくて、心地よくもあるのだ



いつだったか銀ちゃんは言った


「子供のくせに余計な気をつかうな」と


だけど


子供だから、気をつかってしまう事もあるの


子供だから、二人に心配をかけたくないって思う



泣きたくても、苦しくても。

どんなに悲しい夜も、私は泣きついたりしない


変なプライドが邪魔してか、よく分からないけれど


一人でゆっくりと朝を待つ


そんな夜にも慣れてしまったのだ




私の涙が出る所はきっと壊れてしまった


だって、泣きたくても泣けない


涙が出ない


苦しくても、口には出せない


顔では笑っていても、心の中では皆の前でいっぱい泣きたいと願っている



でも、無理なんだね



私が変わらない限り、私は涙を流すことは出来ないんだね


でも、もう無理なんだね



だって、私の涙が出る所はきっと壊れてしまった



泣けない子供









あきゅろす。
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