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novel
愛情表現はマヨネーズの味







朝から嫌な気分…


姉上は近藤さんのストーカー被害のせいで、朝からピリピリしてるみたいだ

もういつもの事になりつつあるけど…

いい加減訴えてやろうかな…
ほんと、毎朝姉上の卵焼き食べるだけでも苦痛なのに、それに姉上のピリピリしたオーラがプラスされると


朝からゴリラを殺したいとか危ない事考えちゃうし

なんか毎朝変な家政婦いるなと思ったら近藤さんだし

と言うかあの人本当に局長なのか…

真選組ほっぽって何副業みたいな事始めてんだよ…

朝姉上の作ったご飯を運んで来たかと思えば、次の瞬間天井と一体化してるゴリラが目に入る

寝ぼけている朝には、少々衝撃的な光景だ


一気に目が覚める…


とにかく、うちには家政婦とかいらないし、姉上も何だかんだ言って殴るだけで本格的な告訴とかはしないしな


困ってるの僕だけかなぁ


時々、姉上って本当は近藤さんの事好きなんじゃないかって思う

ゴリラと結婚させられそうになった時、近藤さんを助けたのは姉上だ


やっぱり姉上は近藤さんの事…






ピンポン…ピンポン…



「…誰だろ、こんな朝早く…」


この辺の人達は割りと遅くまで寝てるから、こんなに朝早く誰かが来たのは初めてかも知れない


天井に頭を突っ込んでる近藤さんをチラッと横目で見て、ちょっと出て来ますね、と一声かける

あぁ、気をつけるんだよ!!と天井裏から声が聞こえる

それこっちのセリフだから…と言うのは飲み込んだ――








「…あれ」



玄関に出たのに、誰もいない事に少し戸惑った

あぁピンポンダッシュか…と勝手に解釈して、カラカラっと古びた戸を閉めようとした

すると風に靡くビニールみたいな音がした


反射的に下を見ると、大江戸スーパーの袋が置いてあった

恐る恐る手に取ると、結構ずっしりとした重さだ



「え、何これ……あ、これ」

中にぎっしり入ってた物



それは、マヨネーズ



何でこんな大量なマヨネーズが玄関に置いてあるんだろうか



ただ、このコレステロールの塊みたいな食べ物を見て




浮かぶ人物が一人だけいる






――土方さんか




それにしても…何で?



何がしたいのかサッパリなんですけど




マヨネーズはいいからあのゴリラ引き取って欲しいんだけどなぁ…




なんて、





これがあの人なりの愛情表現だとも気付かずに






とりあえず、屯所に行ってみようか




このマヨネーズと、ゴリラを連れて




END..



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