企画小説
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その視線を受け…というわけではないのだろう、おそらく単に番組がつまらなかっただけだ。テレビを消したシズちゃんが、俺に視線を移した。縛られ震えながらもシズちゃんを睨む俺を一瞥するや否や、呆れたように鼻で笑われる。こんなことをした張本人に嘲笑われ、腹立たしいやら情けないやらで口内にあるシーツを噛み締めた。

「ンな顔赤くしてよぉ、縛られてるだけで感じてんのかよ?」

俯かせている顔を覗き込んできた、にやにやと意地悪く笑うシズちゃんを僅かに歪む視界の中で睨む。
感じてる訳ないだろ早く解け馬鹿死ね化け物。口が塞がれていなければそう罵倒していただろうが、その口は塞がっているし、そう罵る余裕も今はない。

す、とシズちゃんの手がおなかに伸びた。
そしてそこをぐっと押され、血の気が一気に引いた。揉むようにして動くその手は明らかに排泄を促すような動きで、身体を跳ねさせると共に目を見開いた。

「んっ、ぅうううっ…!」

なるべく悟られないようにしていたというのに、排泄を我慢していることがバレていたことに衝撃を受ける。テレビしか見てなかったじゃないかと、我慢していることを知っていながら俺を放置していたのかといろんなことが頭の中を駆け巡ったが、更に強くそこを押されたことで全てが吹き飛んだ。首をぶんぶんと横に振る。

「ふうぅ、んぐぅううっ!ふぁ、う」

「随分な反応じゃねぇか。どうしたんだ、いざやくん。なあ、言ってみろよ」

俺の性格が悪いのは自覚しているつもりだが、この男も相当である。ガタガタと縛り付けられている椅子を揺らしたが、下腹部にダメージを与える結果となってしまう。

「いいんだぜ?こんなところで、いい年して、ガキみてぇに、服ぐしょぐしょにして、漏らしても。どうせ後始末すんのは手前なんだからよぉ、まさかお漏らししてその始末もできねぇなんてことねえよなぁ?」

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