短編小説
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ゲスなデリック略してゲスック×臨也/
輪姦/媚薬/デリック誕生日おめでとう!






両側から腕を掴まれて、膝を折り座らされる。後ろから髪を引っ張られ、頭皮に痛みが走るとともに目の前で豪奢なソファーに腰掛けくつろぐ男から目を離すことを許されない。虚勢を張ってなんでもないような顔を作ってはいるが、背中に嫌な汗が浮かぶのを抑える術はなく、心臓がばくばくと早い鼓動を打っていた。

「思いの外簡単に捕まえられたな?
外傷も少ねぇし、流石に人数には適わなかったか?なあ、情報屋」

足を組み煙草を吹かす男はデリック。
このホストクラブのナンバーワン、遠くから観察していた限りではいつもへらへらと笑っている、どこか抜けたような男で、俺が依頼されていた女の動向の観察、そんな仕事の内容において殊更重要視したことなんてなかった。だが目の前にいる男はあれと同じ男なのか疑うくらいに冷たい、ピンと張りつめた空気を纏っており、冷徹な目で俺をじっと射抜いている。

「ちょろちょろこの辺りを彷徨いてたのはわかってたからよ、もっと早く手を打つべきだったな」

はあ、と吐かれた溜息は煙草の煙で白く、ほの暗いこの部屋の中でよく見えた。

「お前のせいでうちの大事な大事な上物の客が蒸発しちまったんだよなぁ。あの女がどうなろうが知ったことじゃねぇけど、それがうちの店に関係してくるなら話は別だ。どうしてくれんだ?」

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あきゅろす。
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