短編小説
1
思春期全開静雄×純粋臨也

あんまり本編とは関係ないふたりのセックス失敗話です。思いつきの話ですのであんまり繋がりとか考えないでください

静雄さんが格好悪い






失敗、その1



「臨也…」

「しずちゃん……」

ベッドで何度もキスをして、頭の中では次何をするべきか、失敗しないようにしなければとぐるぐるとこの日のために蓄えた知識が巡る。ない頭なりに臨也に少しでも負担がかからないよう必死に覚えたやり方に従い、次は慣らしてやらなければと身体を起こしたその時、気付いた。

……勃っていない。

臨也ではない、俺が。
自分でもわかる、全く熱が集まっていないそこは、勃ちあがる気配もない。この後時間をかけて慣らすとはいえ、その間に勃起するとは思えないほどに、俺のそれは静かだった。

普段あれだけ勃起してほしくないときにギンギンに勃起するくせに、なぜこんな大切なときに限って勃起しないんだ。いつもは下手したら臨也の足を見て勃起するレベルだというのに、一体どうしてだ…!
やばい、本当に何で勃たねぇんだよ!



「しずちゃん……」

やばいやばいとパニックに陥った俺の耳に、臨也の声が届いた。ばっとそちらを見れば、悲しそうな、今にも泣きそうな顔をした臨也が俺を見上げていた。

「ごめん……俺なんかじゃ、
たたないよね……」

「いや、ちが…!」

「しずちゃんは悪くないよ、普通そうだよね。俺、女みたいに可愛くないし綺麗でもないし身体だって骨張っててゴツゴツしてるだけで柔らかくもないし、胸なんてないしそもそも本来挿れるべきところもないし…たたないのは当たり前だよ。だから、悪いなんて思わなくていいから…。ごめんねシズちゃん、気を遣わせて……」

「臨也、話を…!」

ぼろぼろっといきなり零れた臨也の涙に罪悪感がズドンと胸を貫き、狼狽えたほんの一瞬に、臨也が俺の下から抜け出した。

「ごめ、泣かれても困るよね…!
今日は帰るから…っ!」

「待て臨也、誤解……っ!!!」

バタン!!





動くこともできず時間もわからないまま呆然としていた俺の携帯に、新羅と門田から鬼のように電話がかかってきて拒否権なく呼び出されるまで、あとX時間XX分。

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