短編小説
1
思春期全開静雄×純粋臨也
臨也は酒に弱い。少し飲むだけで耳を赤くし、いつもより幼い言動になり、ただでさえ可愛い臨也が大変なことになる。おまけにやたらと臨也はくっついてきて、非常に嬉しいのだが、生殺しである。こんな臨也にムラムラしないほうが可笑しい、俺は常にムラッとしてはいるが。
「しずちゃん、しぃーずぅーちゃん」
腹に腕を回し、臨也なりに力を込めている、のだろう。ぎゅうと腹に微かに圧迫感を感じる。背中から臨也が回す腕を掴み、そのまま後ろに倒れる。
あはは、と臨也の笑う声が聞こえてきて、後ろを見るために首を仰け反らせれば、こちらを覗き込む臨也と目があった。
「しずちゃんかわいいねー」
……可愛いのはおまえだ!
そう叫びたいのを押さえ、臨也の胸元に髪を埋め、俺の好きなところのひとつである黒い髪を撫でる。臨也はへにゃりと小さく笑い、俺の頭を抱えるようにすり寄ってきた。
「おれ、しずちゃんに撫でられるのすき…」
「そう、か」
「きもちいい……」
そんなとろんとしたエロい目で、エロい声でエロいことを言うな。あと撫でられるの好きとか初耳だ、嬉しくないはずがない。これからはもっと撫でてやる。そんなことを考えていると、臨也の身体が揺れ始め、うとうとし始めた。そういえば今日もお互い仕事で忙しかった。その後買い物いって、ただでさえ酒に弱い臨也がこんだけ酒を飲んだのだ、眠くなるのも当然だろう。
「眠いか?臨也」
「んー、ん…まだ、眠くない…」
「そうか、俺はねみぃ」
「しずちゃんねむいの…?」
こて、と首を傾げた臨也。その仕草好きだ。俺はまだ眠くないしまだ飲めるのだが、臨也は無理して俺に付き合うだろう。丁度酒も少なくなったことだ、休憩するのもいい、臨也と一緒ならなんでもいい。
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