短編小説
7

ぼろぼろになりながら聞いたそれに、とにかく助けてほしい一心で従う。腕は変わらず使えないままだったため、床に足全体をぺたりとつけ、額をこすりつけた。

「ごめ゛っ、なさいぃっ、ゆるし、てっ
も、いたいっからぁ…」

「許してほしいか?」

「ゆる、し…っ、らしたっ、れす……」

息を絶え絶えに言ったそれを聞いて、デリックが髪を掴んで頭を上げさせた。歪む視界の中で手が首へと伸ばされ、チクリとした痛みが身体を襲った。
その手にあるのは最初に見た注射器で、さあと血の気が引いた後に身体を電流のようになにかが走り抜けた。

「あ゛ああ゛ああ゛あああ゛っ!!!!」

「許すわけねぇだろ?」

「あ゛ぁあ゛あああっあ゛ついっあ゛あぁあああ゛あっ、やらっやぁ、ひんじゃ、うぅうう…!!!あ゛ああ゛あっあづい゛いいい゛いっ!!!!!!」

「お前みたいな奴は公衆便所にでも縛り付けて一発百円とかでいいと思うんだけどな。その顔と名前に免じて俺が面倒みてやるよ。有名人だからなぁ、お前」

はっはっ、と犬のように呼吸する俺の頭をデリックが踏む。しかしそれどころではなく、ただ身体を蝕む熱に涙を零した。

「たくさん客をとれよ?いざやさん」










「本当なら一日に一本までなんだよなぁ、この薬。けど今日二本打っちまったから、もう遅いだろ?
一時間に一本打って薬漬けにしてやれ」

世話係がはい、と頷き、部屋を出ていく。
向かう先は数十分前に引きずられて連れて行かれた、あの情報屋の元だろう。欲を発散できずに魘され続けるあれが、更に薬を打たれ続けて、明日どうなっているかが楽しみだった。

テーブルに並んだケーキをフォークでさし、一口サイズになったそれを口に運ぶ。

「うめぇ」

誕生日ケーキにプレゼント。
いいものが手に入ったものだと口端を持ち上げた。






誕生日








デリック誕生日おめでとうううう!!!

しかしこのデリック単に白いスーツ着た静雄である。いやほんと…すみません……
媚薬はいつか再チャレンジ…します…
ぐだぐだなだけのなんでもない話を読んでくださりありがとうございました…!!

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