宝物庫 ページ:7 私は、雪音と公園に向かった。一週間前に雪音に絶交を言い渡された場所……。 「来ないでって言ったのに……」 静かな声で呟いた。 「ごめん。でも、どうしてもこれだけ言いたくて……」 私は、深く息を吸い、彼女の方に体を向けた。 「私、まだ雪音と仲良くなる前のあの言葉に支えられたんだ」 雪音は首を傾げた。 「あれから考えたの。私たち、これで終わるようじゃ、友達とも呼べないよね」 私は俯いて苦笑した。そして、彼女の目を見た。 「だから今度は私が、言うね」 私は、いつもの明るい色しか映さない彼女の瞳の偽りに気付かなかったことを情けないと思いながら……。 「誰かと誰かが関わりを持つということは、必ず何かしら傷付けることになるから……。傷付かずに終わる関係は本当の意味での友達とは呼べないよ」 私は、言葉を選びながら話した。あの日、私が助けられた言葉……。今度は、私が助けたい……。 「雪音、辛い想いに気付かなくてごめんね……」 雪音の目に曇りの色が浮かんだ。 「それを乗り越えてこその『親友』になりたいの」 雪音はただ何も言わず、そっぽを向いた。その姿を私には見えないように、手で顔を覆っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |