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宝物庫
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「まぁ……私は一度もクラス一緒になったこともないからね……。花村さんがどんな人なのかわからないけど……」
真弓は、ごめんねと呟きながら苦笑した。
雪音は私の知る限り、曲がったことや嘘が大嫌い。見かけによらず頑固なくらいに……。そんな彼女が一度言い出したことに偽りはないだろう……。
私はそれを考えるとますます言葉には言い表せない感情が込み上げてきた……。
私は、真弓のベッドの上にある大きな人形を抱き締めた。
「でも、ここ数日変わったこともなかったでしょ? 変ね……」
真弓は右手を頬に当てて考え込んだ。
「うん……まぁ……」
私は、俯き人形をさっきよりも強く抱き締めた。そのせいか、人形は少し私の方へと顔を向ける。心なしか、傾げる首は私を心配しているようにも見えた。
そこで私は窓の外の景色を見た。そんなに暗くはないが、今は夏だ。日が落ちるのも遅い。慌てて今の時間を確認する。
「真弓、ありがとう。私、もう帰らなきゃ」
私は手に持っていた人形を真弓に返す。真弓は受け取り、その人形の栗色の髪を撫でる。
「そう……無理しないでね。私でよければいつでも聴くから……」
私はありがとうとだけ一言告げて、帰ることにした。

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あきゅろす。
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