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能力者
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 テレビのチャンネルは麻痺していた。
朝早くだと言うのに、どこもかしこも同じ内容しか放送していなかった。
あるアパートの住民全員が叫んでいたというふざけた内容だった。
しかし、内容は聞いていくごとに奇怪性を増していった。
住民全員はその後、死に絶えたのだという。
怪死だとしか言いようがなかった。
周辺住民によれば、心臓が痛いと口をそろえていたらしい。

「お姉ちゃん、こんなことってあるの……?」

「こんなこと普通じゃない。犯人も不明では警察たちもお手上げだろうな……」

「じゃあこの事件は迷宮入り、だね」

「そうだな……。テレビを消すぞ、これではご飯が不味くなる」

 とは言うものの、既に喉が食べ物を受け付けないでいた。
無理にねじ込んでいけば身体は拒絶を起こすだろう。
精神的にもこのニュースは堪えるものがあった。
おそらく、香苗も私と同じ状況に違いない。
こんなニュースを見て、食べ物を平然と食べる人間なんていないだろう。
気が狂いそうなほど、嫌なニュースだった――…。

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あきゅろす。
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