D.buster オマケ話 前を開けた革ジャンに白色のシャツを着て、Gパンを穿いた女性は今日も道を歩きます。 舗装された道を気持ちよく歩いている時でした。 「トリックオアトリート!」 数人の子どもたちに女性は囲まれていました。 どうやら子どもたちはお菓子が欲しいようでした。 今は10月31日、ハロウィンの時期だったのです。 「困った。手頃なものが無いな……」 女性が仕方なくポケットなどを探りましたがそれらしいものは出てきませんでした。 女性が子どもたちにワケを話そうとしたところへ近くの教会から一人のシスターが出てきました。 「無闇に人にお菓子を貰おうとしてはいけませんっ!」 「うわっ!? 逃げろー!」 「ちょっと! 待ちなさい!!」 そのシスターは誰かに似ていました。 しかし、女性はそのことは深くまで考えないようにしました。 シスターが女性に謝ろうとした時でした。 シスターは何か不思議そうな顔をして女性に話しかけました。 「ひょっとして、どこかでお会いしましたか? 初めて見る気がしないのですが……」 「他人の空似っていうやつですよ。私は貴女に会ったことはありませんから」 「そうでしたか。足を止めてしまいすみませんでした……頑張って下さいね。執行人のアルテルさん」 「……人を導くシスターの方がお似合いだぞ死神。まぁ所詮はその魅力的な身体も作ったものだとは思うが。しかしその胸は作りすぎだバカ」 「あら、それはヤキモチってやつですか?」 「くっ……年増は年増らしく老人にでもなってろ」 「な、なんですって!?」 「わー、逃げろー」 追いかけてくるシスターから逃げる女性アルテルでした。 人を導くも誘うも時の気まぐれ。 しかし、死神は人を誘うことしかできません。 でもシスターになった彼女は今は人を導く立場、平和に生きていました。 アルテルは今日も歩きます―― [*前へ] [戻る] |