SSS
社会人×学生D
「ただいま。」
土方が出張から帰って来ると、何となく家の空気が重く感じられた。
「ん?総悟いるのか?」
土方はリビングなど見回し、総悟の部屋に入っていった。
「総悟っ!!?」
部屋に入ると枕元には水の入った洗面器と水分補給用のスポーツ飲料、そして体温計。総悟の頭にはタオルが置かれていた。
「あぁ、土方さんお帰りなせぇ。すいやせんまだ何もしてないんでさぁ。今からご飯作るから。」
総悟はゆっくりと体を起こした。
土方は慌てて駆け寄り起こした体をまたゆっくり布団に沈める。
「何言ってんだ馬鹿。お前は寝てろ。いつからこの状態だ?」
「具合悪かったのは一昨日。熱が出たのは昨日の夜からでさぁ。」
「薬飲んだのか?」
「冷蔵庫にゼリーあったから食べて飲みやした。けど今日はまだ飲んでやせん。」
上気した顔にトロンとした目。ほっぺに手をあてると温かいを通り越して熱かった。
「こりゃまだ39度近くはあるな。大人しく寝てろよ、今から粥作ってやるから。」
「えっ、そんなダメでさぁ。土方さん出張から帰って来たばかりなのに、キツイでしょ。」
「気にすんな。そんな大変な出張じゃねぇよ。こんな時位は甘えろよ。上手い卵粥作ってやるから。」
土方は綺麗に布団を着せて張り付いている前髪を撫でる。
「………土方さん、チューして。そしたら大人しく寝るから。」
「はいはい。」
土方は自分の口を総悟の口にもっていく。
パシンッ!
何故か総悟からビンタを食らわされた。
「Σ痛っ!!えっ、何!?」
「口はダメでさぁ。風邪移る。ほっぺに。」
どうやらさっきのビンタは拒否ではなく制止の意味。
「そう言うのは口で言えよ。ビックリすんだろ。」
「ん、早く、チューして。」
「はいはい。」
次はちゃんとほっぺにキスを落とした。
「これで大人しく寝てろよ。」
「へい。ありがとう土方さん。」
総悟は嬉しそうに笑い、ちょっとすると眠った。
「寝たな。早く良くなれよ。」
土方は総悟の熱い唇に口付けると静かに部屋を出た。
おわり
Cの続き的なものでした。
甘々ですよ。うん。ネタ募集の時、意外と『激甘』『ラブラブ』『夫婦』との要望が多かったので今回甘々にしてみました。
ごめんなさい、これが精一杯の甘です。
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