カイとソウ《2》
*


スウェットと下着を膝辺りまで引きずり下ろすと僕の吐き出したモノを後ろへ塗り込んでいく。
長い指が滑っていく感触にうずうずと腰が揺れてしまう。
ぴったりと合わさった背中から流れ込む恢の体温の心地好さに泣きそうになった。
「も、いいから…」
「そーた?」
「平気だから、挿れて」
痛くして欲しかった。
だって、僕ばっかり恢を求めているみたいだから。
手を後ろへ回して恢の熱をまさぐる。
指に触れた熱が嬉しくて恢の下着の中に手を入れた。
「そー…」
直接触れたソレは熱くて硬くて、先端を指で撫でると先走りがじわりと滲む。
それを尻に擦り付けると、恢の体がびくりと揺れた。
「こんなエロい誘い方、誰に教えてもらったの」
熱っぽい声が耳に流し込まれる。
ぬるぬると滑らせていたら先端がにゅるりと入り込んだ。
「…っんぁ…」
解されてない中はいつもより滑らなくてキツイ。
「ちょ…っ、待って!そーたっ」
それでもぐいぐいと押し付けて中へ引き込むと恢が慌てて僕を止める。
「ホントに切れちゃうから」
「いい…」
「そー…た?」
「それでもいいから、だから…っ」
僕の腰を押さえてそっと抜け出していく。
「…ぁ……」
喪失感に視界が滲んだ。
「………ローション、しよ」
「恢…?」
「そーたを傷つけるのはいやだから、ね?」
苦しそうな声にそうっと振り返った。
「あ…」
僕ばっかり恢が欲しくて、寂しくて、なんて思っていた。
「ごめ…な、さ…」
それは、違うよね。
ゆらゆらと揺れる恢の瞳。
熱くて甘くて蕩けてしまいそうな瞳。
僕の好きな瞳。
「そーたを不安にしてるのは俺だから」
長い指がくしゃくしゃと髪の毛を掻き混ぜた。
背後から伸びた腕がきつく絡む。
「好きだよ、そーた」
ひりひりと痛む胸の中。
「そーたが好き」
その中心から温まっていく。
「好きだ」




ローションを使って丁寧に、でもいつもより性急に僕を解した恢は後ろから抱き締めたまま貫いた。
「あ…、ん…ぁあんっ」
いつもと違う体勢のせいか、当たる場所もいつもと違う。
それがもどかしくて…
「エッロい動きしちゃって…」
「ゃ、ん…っ」
恢の腰に擦り付けた尻からはクチュクチュといやらしい音が響く。
一度放ったソコは自分のもので濡れていて、恢に包まれて動かされたらすぐに勃ち上がった。
膝にまとわり付く服が邪魔で膝を擦り合わせて下ろしていく。
そんな動きも全部もどかしい。
胸をまさぐる手が乳首で止まった。
「そーた」
「ん、んっ…」
長い指が摘まんで引っ張る。
「乳首さわると、コッチが締まるよ」
「言、わな…で…っ」
だって恢が触ってるんだから。
胸からピリピリした刺激が走る。
それと同時に深く穿たれて恥ずかしい声が上がった。
「あっ、あっ!アンッ!ゃあんっ、ぁあ…んっ…ひぁぁあ…っ」
「そー、た…っ」
耳に流し込まれる恢の荒い呼吸と濡れた声。
ぐずぐずと溶け出した理性は跡形もなくなっていて、ただただ恢を求めた。



──────

「そーた」
肩を抱かれて重たくなった瞼を開けた。
「ん…」
「明日、学校は無理かもね」
困ったような自嘲するような声に恢を見た。
「僕がしてって…言ったから」
嗄れた声で僕の責任、そう続けたら恢の眉間にシワが寄る。
恢は止めてくれた。
もう無理だよって、優しく。
でも僕が我が儘言ったから、恢は僕に付き合ってくれただけ。
「ねぇ、そーた」
長い指が髪の毛に絡む。
「俺のことを好きだっていう気持ちを閉じ込めないでよ」
「…え?」
「全部見せて」
触れた唇が宥めるように瞼を滑る。
「隠さないで」
しっかり僕と目を合わせると唇を掠めるしっとりとした感触。
「不安も寂しさも嫉妬も全部、俺に見せて」
「か、い…」
「だって、そーたは俺のでしょ?」
目尻を流れた熱い涙を長い指が拭う。
「ね?」
ひくひくと喉が震えて声が詰まる。
うまく言葉が紡げなくて頷くと、恢の瞳が和らいできつく抱き締められた。



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