カイとソウ《2》
*

レッスンの日の恢は疲れていると思う。
食事をして風呂から上がってベッドに引っくり返っているのを見てそう思う。
出されている課題は移動時間と空き時間で終わらせているらしい。
わからなかった時だけ、僕に確認する。
「恢、寝る?」
「んー…」
半ば夢の中なのかぼんやりとした返事。
「ほら、布団入って…」
僕の力じゃ恢を抱き上げて寝かせるなんて無理だから、肩を叩いて移動を促す。
「そーた…」
「わ…っ」
伸びてきた腕に巻き取られるように抱き締められて恢の胸に倒れ込んだ。
「ん…」
微かに笑んだ表情で唇を合わせてすぐに寝息が聞こえてくる。
「恢…風邪引いちゃうから」
体を揺すって、肩を叩いて…
やっと体を動かして布団の中に潜った。
ほっと息を吐いて恢を見つめる。
「僕も寝ようかな…」
一人で起きていてもつまらないし。
どうせなら、恢の傍に居たいから。





恢の隣に潜り込んで1時間。
「………っ…」
近くにある恢の体温と匂い。
いつもなら眠気を誘うはずのそれが僕の体に熱を溜める。
吐き出す息すら熱を孕んでいるようで…
きつく目を閉じたけど。
「も、やだ…っ」
張り詰め始めたソコはじわじわと僕の意識を侵食する。
恢と夜を過ごすようになってから、すっかりご無沙汰になっていた自慰。
少しだけ下着をずらして触れた場所は想像以上に熱くて濡れていた。
「んっ…く…」
枕に唇を押し付けて声を殺す。
背中からは恢の規則正しい寝息が聞こえてくる。
それすら煽る材料にしかならないみたいできつく唇を噛み締めた。
指を動かしても思い出すのは恢の体温。
恢がする動きを真似てみるけど、やっぱり違って快感を追いきれない。
溢れるのは透明な先走りばかりで、絶頂は遠くてもどかしくて…
「ぅ…ふ…っ、かい…っ」
じんわりと涙が浮かんで視界が歪む。
「かい…かい…」
枕に吸い込まれていく籠る声。
疼く体の奥は自分でどうすることも出来ないから、中途半端に高められたままどうしようもなくて…
「ぁ…はぁ、は…か…いっ……ひ、ぁああっ」
ぐしょぐしょに濡れたモノを握る僕の手がふわりと包まれて大きく上下に動いた。
「なぁに?」
耳朶にかかる熱い息。
いつもより掠れた声。
背中から伸びた腕に抱え込まれた体。
「あ…ぁ……」
「そーた一人で気持ち良くなるなんて、ズルイよ」
「……っやぁぁあああ…」
恢に包まれている。
そう思った途端、弾けてしまった。
ドロドロと下着の中へ流れるモノが熱くて…
「そーた」
「ぁ…ゃんっ」
耳朶にかかる恢の熱い息。
グリグリと突き上げるように尻に恢の硬くなったモノを擦り付けられて、中からぐずりと溶けていく。
「して…」
「ん、なぁに?」
耳に捩じ込まれる舌の濡れた音に体の奥から沸き上がる欲に負けた。
「恢の、欲しい…」
恢のモノに尻を擦り付けた。



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あきゅろす。
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