カイとソウ《2》
*
真上から差し込むように恢の咥内へ舌を入れた。
逆は、身長差のせいかよくあるけど。
「か、い…ン……んん…ぁ…」
「ん、はぁ…」
恢の舌に吸い付いて絡めると、恢の声が漏れる。
いやらしい、その声に体の奥から溶けてしまいそう。
肩を押さえていた手を首筋へ這わす。
いつもなら触れるさらさらとした髪の毛がなくて、なんだか物足りない。
髪の毛に触れたくて、手を滑らせて後頭部を撫でる。
漸く指に絡んだ髪の毛にほっとした。
ふ、と恢が笑う。
「そーた」
「…ん」
舌を離すとぴちゃりと濡れた音がする。
「なんでそんなにかわいーのかなぁ」
デレデレ、なんていう擬音がぴったりな顔。
「だらしない顔だよ…」
「そーたにしか見せないからいいの」
「ばか…」
そんな、簡単に喜ばせないでよ。
もう一度、恢の体をソファーへ押し付けた。
「ねぇ、そーた」
「ん?」
軽い動作だったけど、簡単にソファーへ転がされた。
両手首を左手で纏めてソファーへ縫い付ける。
「恢?」
上下が変わって恢を見上げる形になった。
見上げた先には舌舐めずりしそうな、恢の顔。
「ぁ…」
どきん…
心臓が、跳ねた。
「襲って、いいんでしょ?」
自分で誘った。
そう言って。
答えようと思って口を開きかけると噛み付くように塞がれた。
「ん、ん…っ、ぅ…あ……ぁ…!」
一気に絡め取られてきつく吸い上げられる。
じゅ、と唾液を吸い込まれる音がして体が震えた。
たった少しの時間だったのに、僕の舌はうまく動かせない。
濡れた唇が頬を滑って耳朶を食む。
柔らかな感触と、熱い息に頭がくらくらした。
「そーたのここ」
「…ゃ」
潜めた声が脳に浸透していく。
綺麗な唇がいやらしいことを言う。
そのことが僕を煽る。
「ぐちゃぐちゃにしてあげる」
恢の膝が押し上げるように尻に触れた。
「ひ、ン…っ」
たったそれだけのことに制服のズボンの前がきつくなる。
「制服、汚れちゃうね」
楽しそうに言って、でも膝の動きは止めてくれなくて。
「ゃ…ぃや…っ」
制服にそんな汚れを付けるのは嫌で、脱がして欲しくて恢を見つめながらいやいやをした。
「脱ぎたいの?」
「ん、ぅん…っ!」
必死で頷いた僕に恢は考える仕草をして、それはもう綺麗に笑った。
「じゃあさ、そーたが脱いでよ」
「…え」
「俺の前で、襲いたくなるように」
「なに、言って…」
纏めていた両手首を解放すると僕の顎に指を添えるむ。
「ほら、そーた」
「…っ」
妖艶な笑い顔が近付いて唇が触れ合う。
「脱いで」
掴まれているわけでもないのに動けない。
促すように僕の指をシャツのボタンにかける。
触れる指が少しだけ擽ったいそれに肌が粟立つのは恢だから。
「ほら、はやく」
促されて、ゆっくりボタンを外す。
体を引っ張りあげられて恢の前に立った。
「そーたのココ、すっごくきつそう」
人差し指がゆっくりとズボンのファスナーの上を滑る。
「あっ…ン…」
揺れた腰が恥ずかしい。
「はやくしないと染みになっちゃうよ」
「…や、ぁ…ぁあっ」
波打つように震えた腰。
シャツより先にズボンを脱がないと、汚しちゃう…
ボタンから指を離してベルトのバックルを掴む。
カチャカチャと音がするわりに進まない動作。
その間も恢の指は上下に撫でていて、もどかしい疼きを生んでいる。
ベルトのバックルを外し、ウエストのボタンを外す。
ファスナーを下ろすと締め付けていた圧迫感がなくなって、少しだけ息を吐いた。
足から制服を抜き取ると恢が軽く畳んでテーブルに置く。
下着に指をかけようとしたら恢の腕が腰に絡んで引き寄せられた。
「ひ、ゃあぁ…っ!」
下着の上からがぶりと噛み付かれて跳ね上がる。
恢の肩に手を着いて腰を捻ったけど離してもらえなくて、噴き出るように先走りが溢れたのを感じた。
「すっげ…」
恢の呟きが恥ずかしくて、でもそんな言葉にまた溢れてきてしまう自分が恥ずかしくて…
「離してっ」
出た声はいやに濡れていた。



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あきゅろす。
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