(・ω・´)カレシャツ


☆☆☆☆





むずむずと肌の表面を滑っていく擽ったさ。
動いても何だか上手く散らせなくて。
「ふ、ぅ…?」
漏れた息がいやに熱くて、濡れている。
体の奥がひくんひくんと震えているし、息苦しさを感じる。
「…ハ…ふ、ぇ?……か、い…」
あれ?
ぼんやりとした視界は薄暗くて、さっきまで隣に居たヤスの姿がなくなっていた。
その代わり、待ち焦がれていた恢が居る。
手を伸ばして両頬を包む。
そうやってするとしっとりとした肌の質感と馴染んだ体温を感じる。
切れ長の目が笑んで近付く。
ちゅ…
軽く触れた唇同士。
あ、キス…したんだ。
「ただいま、そーた」
内緒話みたいな囁きは甘くて優しい。
「遅くなってごめんね」
「ぁ……あ、かい…恢、恢、恢っ」
頬から首筋に回した手。
そのまま体を引き寄せて抱き着いた。
「ひっ、ああああっ!」
恢のぬくもりを感じたのと同時に腰が抜けてしまいそうな快感が走り抜ける。
ガクン、と揺れた腰。
「…っ、そーた締めすぎ…だよ」
恢が息を詰めて、僕の体を抱き寄せる。
それと同時に感じた熱さと硬さ。
「ぁ、あ…ン、いつ」
「家に着いてからね」
酔っ払って寝てしまった僕を迎えに行って、とにかく家に帰ってきた。
「かわいー格好してるから我慢できなくて」
「かわ、い…格好?」
ちゅ、と額に触れた唇。
恢が上体を起こすと手首を握られた。
僕を見下ろす恢の瞳がとろりと蕩けて甘さを増す。
「俺の服着て寝ちゃうとか、かわいーでしょ」
「ぇ?……あ」
鈍い動きの頭で曖昧な記憶を引っ張り出す。
石崎とヤスに長いこと愚痴を言って、そんなに強くない酒を飲んで…
それから、忘れ物だと言われた恢のカーディガンを着たんだ。
恢はその格好がかわいすぎた、と言ったんだ。
「そーたのココ、寝てるのに吸い付いてきてさ」
「あっ」
ぐっ、と押し付けてゆっくりと回される。
内側に強く擦り付けるみたいに。
堪らなくて腰を捩ったけど感じたモノを散らすことなく膨らませてしまった。
「…ン…っ」
蠢く内壁が恢に絡み付いて締め付けると、笑みの形だった綺麗な唇から艶っぽい声が零れる。
「早く帰りたかったよ」
「ぁ…」
囁く声に体の奥がぎゅうぎゅうと苦しくなる。
だって、僕も恢が帰ってくるのを待っていた。
早く、帰ってきて欲しかった。
ここで日常生活を送りながら、でも押し込めて蓋をした僕の気持ち。
「恢、恢…恢」
「なぁに?」
囁くような声はいつもと同じ、僕を甘やかすもの。
「キス、して…っ」
「キスだけで、いいの?」
「…ゃ」
「そーぉた」
恢の顔が近付くとグチュリといやらしい音がして奥を突かれる。
「キスだけじゃ、や…だ」
柔らかく触れた唇がすぐに離れて食む。
「もっと、奥…まで、シて…」
そうねだる声はどうしようもないくらい甘ったれで恥ずかしくなるのに…
「ぁー…かわいー」
恢はそうやって甘やかす。
膝裏を掴むと僕の腰を引き上げる。
「ごめんね、そーた」
切れ長の目が細められる。
「…っ…ぁ、んン…っ」
真上から押さえつけるように体を密着させた。
「俺も、余裕…ないから、さ…ハ…っ」
恢しか触れない奥を抉られて唇を噛み締める。
「そーた、そーた…はっ…そー…たっ」
拘束するみたいに抱き締められて、逃げられない愉悦に視界が滲む。
「あっ、ゃああ…んっ!恢っ、ひ…ャあ、だめぇ…だめだからぁ!」
そんなに奥を突かれたらイってしまうから。
恢にイかされてしまう。
ダメなわけじゃないけど、逃げ場の無いのが怖くて…
でも恢の腕の中にいるのが嬉しくて。
「あっ、ヒ、あぁぁあ…っ」
噴き出すみたいに白濁を吐き出した。
「…ク…はっ、そー…たっ」
襞が啜り上げるように絡んで締め付ける。
それにまた白濁を溢したら腹の奥に熱が叩き付けられた。
「そーた…ン…そーた、ハ…チュ…ん」
「ふ、ぁ…」
舌を絡めるとくちゅくちゅと音が鳴る。
乱れた呼吸を整える時間も惜しくて恢の舌に吸い付く。
恢の瞳に僕が映る。
情けなく眉を下げて泣きそうな顔。
欲しい。
恢か欲しいんだ。
いま、この瞬間だけは僕しか見ていない。
「恢」
「ン…なぁに」
少し離れた唇が寂しくてすぐにくっつける。
恢の瞳が笑む。
「もっと」
とろりとした甘さを隠すことなく、僕を見つめる。
そうやって唇を重ねてゆっくりと揺らされる腰。
ソコだってまだ離さないと絡み付いている。
言葉よりも正直な体。
いつもだったら恥ずかしくて離れてしまうけど…
「もっと、恢が欲しい」
ぱちり、と瞬いた切れ長の目。
「僕のナカに」
いっぱい、いっぱい、溢れてしまうくらい。
「そーた」
「ん?」
「そんなこと言って、覚悟してね」
「……してる」
緩む頬。
だって嬉しい。
恢が僕を欲しがっている。





──────

カーディガンはクリーニングね。
そう言われて大惨事のカーディガンを取り上げられた。
恥ずかしいから、じっくり見ないで。
「やーらしーなぁ」
付着した白濁を指で撫で、赤い舌が舐めた。
「!!!」
「ねぇ、そーた」
こちらを見た恢の笑顔。
いやらしくて、でも格好良くて…
「今度はこれ、持っていこうかな」
「な…っ」
「そーたの精子付きカーディガン」
「恢っ!!」
力の入らないヘロヘロの体で、とんでもないことを楽しそうに言う恢の腰に飛び付いた。
「だってそーたは連れていけないでしょ〜」
持っていたカーディガンを床に置いて僕を抱き上げて膝へ乗せる。
「そーた」
コツン。
額と額がくっつく。
「ただいま」
柔らかな声が耳を通り、全身に浸透する。
「…っ、おかえりなさい」
応えた声は震えて涙が混じる。
恢が傍に居る。
ただそれだけが、嬉しい。




☆☆☆☆☆☆
恢と箏太はとにかくイチャイチャしていて欲しい…のでした。


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あきゅろす。
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