愛及屋烏 4 2年生から、箒の持ち込みが許可され、スリザリン生は殆どが自分の箒を持ち込んでいた。 シズクは、母の箒を拝借してきたが、なかなかこの箒はポテンシャルが高かった。 『やぁ!シズク!今日も乗ってくれるのかい?その柔らかいお尻の感触堪らないよ!』 なんとも、言い難い箒なのだ。 試しに影を貼り付けてみたら、こんなに饒舌に話す箒だったとは…。 しかし、この箒は、意外にも母のことをたくさん知っていた。 『ジャスミンは、スリザリンのチェイサーで、凄腕だったんだ!彼女のお尻もなかなか良かったよ!』 この箒は重度のお尻フェチらしい。 シズクは何度か目眩を起こしそうになりながらも、箒の話を聞きながらなんなく授業を終え、実験の為に足繁く地下室へ通うのであった。 「シズク!」 地下室へ向かう途中に、聞き覚えのある元気な声がした。 「あら、オリバー久しぶりね」 箒を片手に颯爽とオリバーが近寄ってきた。 「シズク!聞いてくれよ!オレ、グリフィンドールのキーパーに選ばれたんだ!」 嬉しそうに話すオリバーに、驚いた後、ニコッと微笑んだ。 「おめでとう。オリバー!素晴らしいわね。クディチも大切だけど、お勉強も頑張ってね。パーシーが苦労するもの」 毎回課題を手伝わされているパーシーを想像しながらシズクは笑っていた。 「パースは頭がいいからな!絶対、シズクにも報告したかったんだ!魔法薬学の課題の成績がBだったんだぜ!ホントありがとう!」 「私は少しアドバイスをしただけよ。この調子で魔法薬学が好きになってくれたら嬉しいわ」 採点するときのセブルスの顔が見たかったと思っていると、想像していた人が前から歩いてきた。 「Ms.ミズナミ。話がある」 一方的に伝えるとスタスタと歩いて行ってしまった。 「じゃあ、オリバーまたね。クディチ頑張ってね」 ヒラヒラと手を振り、地下室へと歩みを早めた。 「おお!またな!シズクー!」 地下室へ入ると、セブルスが椅子から立ち上がった。 「スネイプ先生?」 私室へと進むセブルスの後を追い、中へ入った。 「Mr.ウッドとどういう関係だね?」 考えもしていなかった質問にシズクは首を傾げた。 「オリバーとは…友達に…なるのかしら?他人ではなさそうだけど、友達かはまだ分からないわ」 シズクは困ったように首を捻りながら考えたが、友達になりましょうと言ってなるものでもないし…他人にしては、フレンドリーだし…。 「あの課題には、シズクの癖が残っていた」 「さすがスネイプ先生。なんでもお見通しですね。でも、なぜB判定を下さったんですか?」 「自分の力で辿り着いたとは思わなかったが、着眼点が良かったのでな…次の課題を楽しみにさせて頂こう」 オリバー…ごめんなさい。 心の中でそっと謝罪をし、セブルスの淹れてくれた紅茶を飲んでいた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |