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愛及屋烏
12





夏休み前のテストでは、シズクは主席になっていた。次席にはあのパーシー・ウィーズリーの名前があったので、2年では少し接触して見ようかと思っている。






「また新学期に会いましょう」


「シズク、寂しくなるわ…手紙送るからね」


「もちろんよ、ユーリア。私も送るわ」




ユーリア、マシュー、デビットとハグをし、コンパートメントから出て、自宅へ影くらましをし、暖炉を元に戻し、換気をした。





「アイス。お待たせ」


『電車は窮屈ダワー』


ホーッと鳴き、アイスは自由気ままにお散歩に旅立った。



「シズク様。おかえりなさいませ」


影からダークが出てきた。


「ダーク。ご苦労様、彼はどうだったかしら?」


「接触は受けてませんでした」



ダークには、クィリナス・クィレルの監視をお願いしていた。
まだ、てっきり学校にいると思っていたが、既に旅をしているらしい。ヴォルデモートと接触するか確認すべく、まだ監視段階である。




「シズク様はクィレルに例のあの人が接触すると何故思われるんですか?」

「うーん。今までのデータに基づく勘よ」



まさか、未来が分かりますなんて口が裂けても言えないため言葉を濁した。



「ねぇ、ダーク。私に何か隠してること…ない?」



ニッコリ笑って意味深な目線を送れば、パチパチと瞬きをしダークは首を振った。


「いいえ。ありませんよ」


「そっか…ならいいの」


きっと、父がダークを助けた理由も、全てはこの先に見えてくるものだと感じていた。



夏休みも、いつも通り勉学に励んだり、禁書を読んだり…リーマスと遊んだりシリウスにこっそり連絡を取ったりしていた。



「…セブルス不足」



ここ、1週間セブルスに会っていない。
セブルスがこの家に来ることもなければ、シズクが行くこともなかった。



「学会が近いから暫く会えないって言ってたとはいえ…これは拷問だわ」


リビングの床でゴロゴロと転がっていると、暖炉から会いたかった人が出てきた。




「夏休みだと言えども、そのようなはしたない姿はどうかと思いますかね」



ガバッと効果音がつきそうなほど勢いよく起き上がると、セブルスに抱き着いた。




「セブルス、久しぶり!」


充電とばかりに、スリスリと擦り寄りながら、クンクンと匂いを嗅いでいた。



「…何をしている?」


引き剥がされはしなかったが、引いたような冷たい声が頭上から降ってきた。



「1週間もセブルスに会わなかったのは久しぶりだから…つい」



照れ笑いで誤魔化しながら、紅茶を入れた。
セブルスの好きなロンネフェルトのストレートティーだ。


「ほう、腕を上げましたな」


セブルスに内緒でこっそりリーマスを味見係にして練習をしていたので、紅茶の淹れ方には少し自信を持っていた。



「セブルス。たまにはロイヤルミルクティーも飲んでみない?」


「あれは、甘い」



なかなか、ロイヤルミルクティーは飲んで貰えず、練習の成果を披露できないでいた。




「学会はどうでしたか?」


「堅苦しいところだ」


セブルスも教授になり、学会で発表するべく新薬の構築をしていたらしい。


「今回のテーマは何ですか?」


「活性化の魔法薬だ」


生き生きとして、セブルスは話し出した。
シズクは、セブルスの薬学を語る姿が好きだった。



「活性化といいますと?」


「今回は、脳の活性化について重点を置いて研究をした。脳の衰えは齢とともに出て来るものだ。それを一時的に止め、活性化をさせる為に、縮み薬の応用を利用した」


「縮み薬の応用ですか…素晴らしい観点ですね」


学会での話で白熱していたら、いつの間にか朝方になっており、慌ててベットで眠ったのであった。



















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