日向七乃2010年作品集
火葬できない記憶に一輪の餞を
消せない記憶がまだ僕に悪夢を見せるから
綺麗過ぎた思い出に一輪の餞を
焔は時に優しく包んで
壊れた時間が引き裂いた 迷走する想いと想い
届くと願い手を伸ばす 信じれなかったのは僕の方
生きている意味すら削れていく
理性も思考もいらない、温もりが堕ちる涙
消せない記憶がまだ僕に悪夢を見せるから
綺麗過ぎた思い出に一輪の餞を
焔は時に優しく包んで
瞳の奥から感じてた 溢れ出る期待と矛盾
「こんなはずない」と手を払う 君を知らなかったのは僕の方
生きていることすらわからない
祈りも掻き消していく、心臓が放つ鼓動
地上を濡らした雨が僕の幸福といえるなら
流しきれない痛みには十字架と花束を
穢れに満ちた君には祝福を
僕は笑った、だって笑うしかないだろ
そして夢を見て泣くんだろ
消せない記憶がまだ僕に悪夢を見せるから
綺麗過ぎた思い出に一輪の餞を
焔は時に優しく包んで
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