日向七乃2010年作品集
空虚から伸ばす腕
僕の声が痛く響く そびえたつ大きな壁は この手では壊せない
ねぇ幸せの価値に気づくこともなく朽ちていくの？ 無力に嘆く雨
そう時間は戻せない事と共に流れるだけと知る
切なさを噛み殺してあと何度、蒼に沈めばいい
答えが欲しくても 思い出が邪魔をする
瞳を閉じたとしても 君を思い出せなくて
忘却という名の魔法が笑顔を消してしまう
嘘の数を数えていた 君と自分に吐いた嘘 その過去すら消せない
もう幸せの意味に気づくこともなく朽ちていくよ 決意を秘めた目で
こうしてまた引きずった過去と共に歩み続けていくだけ
引き金を引く事のないこの右手、震えが止まらない
木漏れ日に包まれていた
日毎に刻まれていった傷
神様は笑ってくれますか？
何も語らないその手は胸元に組まれたまま
僕の腕は今も空虚を彷徨いながら
すべてを愛しても 視界を失っても
瞳が閉じたままでも 君を思い出せなくて
答えが欲しくても 思い出が邪魔をする
瞳を閉じたとしても 君を思い出せなくて
忘却という名の魔法が笑顔を消してしまう
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