[携帯モード] [URL送信]
標的4 はひ!乙女心はデストロイ!
「ヨッ ホァッ」



気合の入らない掛け声をあげながら塀の上を歩いている変な少女が

新奈とリボーン目の前に現れた



「こんにちは!」

「ちゃおっス」

「(この子、見たことあるわね・・・って言うか)・・・危ないわよ」

「ノープログレムです!私、三浦ハルと申します」



新奈の言葉を聞かず足を振るわせリボーンと同じ位置に立つ少女は自己紹介した



「知ってるぞ、学校に行く時良くついてくるな」

「(ストーカー?)」



リボーンの言葉に頬を染め嬉しそうな表情を浮かべるハルと名乗る少女



「(私のこと覚えててくれたんだー!)」

「今日はなんだ?」

「ぁっあの、お友達になってくれませんか!?」

「いいぞ」

「はひ――!!」



奇声を上げフラリと塀の上から落ちたかと思えば華麗に着地し喜びを体で表現した



「やったァァ!!」

「(人の事言えないけど・・・変わった子ね)」

「あの・・・早速なんですが、こう・・・ぎゅーってさせてもらえませんか?」

「(何がしたいの?)」

「気安くさわんな・・・オレはヒットマンだからな」



ハルの言葉にレオンを銃へと変えそれを拒否するリボーンにハルはショックを受けたようだ



「(抱っこくらいイイじゃない)リボーン・・・っ!?」



新奈はリボーンに抗議しようと口を開くと頬に衝撃を受け乾いた音が響いた



「最っ低です!!赤ちゃんに何てこと教えてるんですか!?」

「・・・・・・・・・は?」

「赤ちゃんは真っ白なハートを持った天使なんですよ・・・!
貴女はそんなイタイケナ純情を、腐ったハートでデストロイですかァァ!!」



叫びながら新奈の胸倉を掴み前後に揺さぶるハル



「何言ってるの・・・」



喧嘩を売れらる感覚に新奈の少女を見る目は冷めていく



「ランボさん登場!リボーン覚悟!!」



其処に割って入ってきたのは何処から吊るしているのか

ロープにぶら下がり手榴弾を手に地面に落ちたランボ



「が・ま・ん・・・」

「ありゃりゃ、大丈夫?ボク」



我慢するランボを見て、新奈を放置し抱き上げるハル

新奈はこれはチャンスだとリボーンと共に学校への道を歩き出す











「獄寺隼人君、今回の数学のテスト100点」



教師の其の言葉にクラスから感嘆の声が上がる



「凄いね、獄寺君」

「これくらいちょろいッスよ」



新奈の言葉に笑みを浮かべる獄寺



「山本武・・・それと沢田新奈」

「へーい」

「ぇ?はい」



まさか自分まで呼ばれるとは思っておらず慌てて立ち上がる新奈



「山本武・・・20点、落第点だ・・・
それから沢田新奈、君は95点なんだが、この間の宿題がちょっとな」

「宿題?(あぁノート提出の・・・)」

「これはないだろう」



教師が開いて見せたノートには新奈の綺麗な字の上に明らかに幼児が書いたと思われる落書き・・・



「なっ・・・(ラーンーボー・・・)」



犯人は明白だったが、最終確認をしなかった自分にも非はあると新奈は静かに声を飲み込んだ



「弟さんか妹さんの仕業だろうが、山本と一緒に特別に宿題を与えます」

「災難ね・・・ニーナ、だからガキって嫌いなのよね」

「花・・・」

「提出は明日、全部正解してないと落第です」



哀れみの視線を向ける花とそれを宥める京子、そして教師の言葉に溜息が漏れる










「(義務教育で落第って・・・まぁ、教科書見れば楽に解けるでしょ・・・)ん?」

「よぉニーナ!一緒に宿題やんね?」



帰り道に声を掛けられ振り返ると同じ課題を受けた山本が立っていた



「一人より二人の方がはえーだろ」

「そうね・・・どうせ同じ宿題なんだし・・・」

「だったらウチでやれ」



独特の高い声に辺りを見回すがあの黒スーツは見当たらない



「ここだぞ」



足元の植木からの声に顔を近づけると植木のスーツを着たリボーンに肩をビクリと揺らす新奈



「よぉ!」

「ちゃおっス」

「リボーン・・・脅かさないで」

「フッ、取り合えず家庭教師として獄寺も呼んどいたからな」

「意味分からない・・・ま、獄寺君頭イイから助かるけど・・・」

「ニーナお前いい家庭教師付けてんな!」

「(うん、冗談と思ってくれてていいよ)」










「二人ともいらっしゃい」

「お邪魔します!」

「よぉ」



私服に着替え沢田家へやって来た獄寺、山本を出迎える新奈



「にーちゃん、後でお菓子持っていくから部屋で待てってね」

「ありがとう母さん・・・二人とも行きましょう」



奈々の言葉に頷き、三人は玄関から階段を上り新奈の部屋へと移動する



「へぇーここがニーナの部屋か・・・可愛い部屋だな」

「ありがとう」

「ま、くつろいでくれ」

「んじゃ、遠慮なく」

「リボーンの台詞じゃないわよね・・・それ」





「宿題ないのに、付き合ってくれてありがとう・・・獄寺君、勉強できるから助かるわ」

「以外にな!」

「うるせー!この獄寺隼人・・・十代目を立派なマフィアのボスにする為なら!!」

「獄寺君、近所迷惑になるから声落とそう」



「山本君・・・そんなに出来るのに20点だったの?
(宿題の範囲テストとそんない変わらないのに・・・)」

「ん?あはは、教科書読んでやったら案外出来るもんだな」



スラスラ解く山本に驚き新奈が聞くと山本は笑って答え

獄寺は其の回答を面白くなさそうに受け取る



「ぐっ・・・合ってる・・・」

「(野球が忙しくて勉強できないから成績悪いだけでやれば出来るんだ、山本君)」

「つっても、問題7はさっぱり解んなかったけどな」

「だははは!まだまだバカだな山本、ね、十代目」



山本が解けないことに気を良くした獄寺が新奈に振ると

新奈は苦笑いを浮かべていた



「獄寺君・・・あの、私も問い7解けない・・・」

「え”・・・十代目が解けないって・・・どんな問題なんスか?」

「えっと、『一辺11.5cmの紙100枚を、3Mの高さから同時に落とした時
全ての紙が寸分違わず重なることがあることを証明せよ』
・・・証明問題って私達習ってないよね?・・・って言うか式になるの?コレ・・・」

「確かに・・・」



新奈と獄寺が難しい顔をするとジュースとお菓子を持った泥棒式鉢巻きをつけたハルが登場した



「差し入れでーす」

「え?貴女今朝の・・・何でウチに居るの?」

「リボーンちゃんに悪い影響が及ばないよう監視してるんです」

「それ監視のスタイルじゃないわよね?泥棒のスタイルよね?それ・・・」



ジュースを其々に配ると山本の背後から険しい表情でずっと新奈を監視するハルに獄寺は苛立ちの表情を見せる



「ニーナって緑中の生徒と知り合いなんだ?」

「え?超難関の名門女子中の緑中・・・?」

「この子の制服そうだろ?」



ジュースで喉を潤した山本の言葉に新奈は信じられないといった顔でハルを見るとハルは首を縦に振り肯定した



「この問題7・・・この子なら解けるんじゃね?」

「・・・そう、ね(この子に頼りたくないな・・・)」



山本と新奈は同時にハルに向き直ると



「わかりました、じゃあ、もし私が問題を解いたら
今後一切リボーンちゃんと関わりを持たないでください」

「・・・それはリボーンが決めることでしょ、貴女がどうこう言うことじゃないわ」



ハルの言葉に眉間に皺を寄せ、革張りの椅子に座りストローでジュースを飲むリボーンに視線を向ける新奈



「ケッ、おもしれー解けるもんなら解いてみやがれ!」



獄寺は自分も解けなかったうえ、新奈も解けなかったからかハルに答案を突き出して大きく出る



「これなら・・・私、見たことあります!」

「・・・・・・」



空いている場所に座り答案用紙と向き合うハル、悩んでいるように唸り声を上げるその姿を一同見守る



「う〜ん・・・―――後ちょっとです!・・・う〜ん・・・ん!?もうちょっとです・・・」



余りにハルが悩む時間が長いため新奈は読みかけの本に手を伸ばし

ハルを放置した・・・ハルの唸り声は止まず日が完全に沈んだ頃



「ごめんなさいーできません!!」



ついにハルは根をあげた



「なにが解けるだこの嘘つき女!」

「私、見たって言っただけです!解けるなんて言ってないもん!!なのに・・・嘘つきだなんて・・・」

「泣かしちゃマズイだろ、泣かしちゃ」

「女の子だしね・・・獄寺君謝った方がイイよ」

「えぇぇ・・・」

「女を大事にするのが、一端のマフィアだぞ」



涙を流すハルに山本、新奈、リボーンと追い討ちを掛けられ獄寺は拳を握り自分を諌めハルに近づく



「ぁ・・・あの、すまねぇ・・・ん?」

「キミは誰だい〜ボクはランボ〜ボクは誰だい〜キミはランボ〜ランボさんだし〜・・・」



ハルを宥めようとする獄寺の言葉を遮ったのはなんとも窓から器用に登場したランボの存在



「(こんな時に・・・空気読めってんだよ)」

「オレっちね・・・通りかかっただけだよ・・・」



獄寺の怒りを感じたのか新奈の部屋を出ようとしたが

テーブルの上のお菓子を見つけ喜びの声と共に断念された



「くぴゃ!クッキー食べたら幸せ来るよ!幸せ来たら眠たくなるよ!」

「(コイツ・・・もう我慢できねぇ)」

「きゃぁぁあ!また会えた!嬉しい――!」



ランボを抱きしめ瞳を輝かせるハルに先程の涙は見られなかった



「ワケわかんね・・・」

「子供好きらしいわね・・・」



気の抜けた声を出す獄寺に新奈も苦笑いを漏らす

お菓子を食べつくし満腹になったランボはそのまま寝てしまい

新奈は取り合えず自分のベットにランボを寝かせた



「そうだ、中学生の問題です・・・誰か大人の人に聞けば分かるんじゃないでしょうか!」



ハルの言葉にランボに毛布を掛けなおすと腰を下ろす



「でも、誰でもってワケにはいかないわよね、こんな時間だし・・・」

「心当たりがあります!さっき、お台所で一緒してたんですけど」

「!台所・・・」

「ビアンキさんって言って・・・」

「やっぱり・・・」

「アネキ・・・」



台所の単語で予想が付き新奈はゲンナリした顔をし獄寺は顔を青くするちょうど其の時・・・



「お夜食、持ってきたわ・・・」



開けられたドアを獄寺は素早く押さえ閉じようとする



「入れてくれない?」

「ちーす」

「勝手に挨拶してんじゃねー!」

「隼人、貴方は姉を異性として意識しすぎよ」

「はぁ!?ちげーっての!!」



姉の勘違いにさらに顔を青くした獄寺は渾身の力を込めてドアを閉じた



「獄寺達って姉弟、仲イイんだな!」

「違う・・・イイか、アイツはな・・・っ熱ちっ!」



ドアノブが急に熱を持ったことで山本に対する獄寺の言葉は途中で切れ扉が開かれた



「どーお?ポイズンクッキング溶解桜餅の威力は?」

「何でもありなのねポイズンクッキングって、後でドア直してねビアンキ」



新奈の言葉の後倒れた獄寺に山本とハルは不思議な視線を向けるが

新奈は獄寺のビアンキ恐怖症を思い出し慌てて立ち上がった



「獄寺君!」



ランボを隅に追いやり獄寺を自分のベットへ寝かせ、目元を濡れたタオルで覆い

ベットに腰掛けたままノートに写した問題を見るビアンキの様子を伺う

その横ではリボーンが寝巻きに着替えていたがあえてスルー



「ビアンキさんの事言ったの私だから、問題解けたら、私の勝ちですね!」

「貴女、人の話聞いてないわね・・・」

「ふっ・・・」



余裕の笑みを見せるビアンキに解けたのかとハルと山本は喜びの声を上げる



「そうね・・・こんなもの、どうでもいいわ!」



そう言って新奈のノートを破り捨てるビアンキ、その光景に新奈は息を吐く



「(プリント渡さなくて正解だった・・・)」

「愛がないもの・・・私に関係ないし」

「だからって私のノート破らないで・・・あァ、卸したてだったのに」



新品のノートの成れの果てに意気消沈の新奈、山本が「気にすんな」と慰めの言葉を掛けてくれた



「そうか、お父さんが読んでた本に載ってたんです、この問題!」



そんなハルの言葉で次に召喚されたのはハルの父親、なんでも大学の数学教授らしい



「これは君達が解けないのも無理はない、超大学級の問題だよ」

「超大学級?」

「答えは『証明できない』そんなことは在り得ないからだ・・・」

「そうなんですか・・・」

「大学教授を信じられないかね?」



呆気ない回答に新奈は思わず聞き返してしまったが先程まで寝ていたはずの赤ん坊の声がハル父の言葉を遮った



「いや、証明できる」

「ん?」

「はじめから、紙がのりで付いてる場合を考えてないぞ、『ボンドペッタンの定理』を忘れている」

「!!?私としたことが・・・」

「頓知って・・・数学じゃないわよね・・・」



ハル父の言葉にリボーンに関心の声を上げる山本とハルしかし新奈は頬を引き攣らせ突っ込んだ



「!?そのもみ上げ・・・あ、貴方は!」

「お父さん、リボーンちゃん知ってるの?」

「リボーン?いや、そんな名前じゃない・・・彼の名前はボリーン!
世界の学会に時々現れて、不可能と言われた問題を
ことごとく解いて行く・・・天才数学者ボリーン博士!!」

「本当?リボーン・・・って寝てる」



ハル父の言葉に驚きの声を上げる新奈だが当の本人は鼻提灯を膨らませ寝ていた



「寝言だよ」

「え?」

「コイツ、まだ赤ん坊だぜ」

「そうだけど・・・(リボーンなら本当にあり得そう・・・)」

「それじゃぁリボーンちゃんウチで暮らしてもらいますね」



山本と新奈のやり取りには目もくれずハルはリボーンに手を伸ばす



「結局解いたのはオレだ、この勝負引き分けだな」



自分の目線と変わらない高さのハンモックに寝ているリボーンの言葉にハルは頬を膨らませ悔しげな表情を浮かべた



「言っとくがな、オレはニーナを立派なマフィアの十代目にするまでは、この家を離れることは出来ない」

「マフィア・・・?十代目・・・・・・」

「宿題終わったし、お開きにしましょうか」

「そうだな・・・あ、獄寺どーすんだ」



問題解決とばかりに片づけを始める新奈に山本もプリントをしまいながら訊ねる



「この状態じゃ一人で帰れないだろうから、私は泊まってもらっても・・・」

「ん〜じゃ、オレが獄寺、家まで送るわ」

「え?でももう遅いし、山本君に悪いよ」

「へーきへーき任せろって」

「そう?じゃあお願いね、気をつけてね・・・」

「おう!」



眉を下げお願いする新奈に山本は満面の笑みで返し鞄を持ち獄寺に一度声を掛けるが返事はなかった



「では私共もお暇させていただくよ」

「あ、ありがとうございました、玄関までお送りします」

「ありがとう、ハル帰るよ」

「ぁ・・・うん」

「じゃあオレ達も行くな」



ハル父とハルに続き獄寺を負ぶった山本が続く、玄関で双方見送り夜は更けていった










「(本当に載ってる・・・ボンドペッタンの定理って数学的に説明できるのね・・・
なんか居る・・・ジャージに胴着の上メットに・・・無視しよう)」



昨夜の問題についてリボーンに聞くと、数学書を渡され

自分で調べろと言われ新奈は通学中に数学書を紐解いていた



「(何・・・ねこじゃらしの公式って・・・ワケ分かんない・・・)くすくす」



背後を着いて来る妖しい人物を完全に無視して数学書から目を離さない



「(数学書で笑えるなんて思わなかった・・・
答えが一つしかない数学ってあんまり好きじゃなかったんだけどな・・・)」



いつまでも自分に話しかけてこない新奈に痺れを切らしたのか

妖しい人物は橋に差し掛かった新奈に声を掛けた



「あの!」

「・・・・・・」

「ニーナさん、おはようございます」

「・・・誰?」

「ゆうべ・・・頭がグルグルしちゃって眠れなかったハルですよ・・・」



嫌々振り返る新奈にヘルメットを取り自分の顔を晒すハル



「寝不足だとそういった奇抜な格好をして徘徊するの?」

「違います!それじゃー私、おバカですよ・・・」

「じゃあ何でそんな格好を?」

「リボーンちゃんが本当にヒットマンで
ニーナさんがマフィアの十代目になる人なら、とっってもストロングだと思うわけです」



ハルは再度メットを被った



「ニーナさんが勝ったら全てを認めます!
リボーンちゃんの生き方にも口出ししません・・・お手合わせお願いします!!」



構えてラケットを大きく振り上げたが重いのだろうフラフラしている新奈は数学書を鞄に直し呆れていた



「大丈夫?」

「だい、じょうぶ・・・です!」



振り下ろされたラケットを軽く流すとハルは前に蹈鞴を踏む



「・・・怪我する前に止めた方が良いわよ」

「問答無用です!」



構えられたラケットをハルの手元から放そうと新奈は上段回し蹴りをラケットに当てたが

ラケットから手を放さないハルはその場でラケットに振り回され回った



「(えぇぇぇえ!!?回る前に手元から離れない?普通?)」

「十代目!」

「ん?獄寺君、山本君・・・」

「避けてください!!」

「え?・・・っ!?」



獄寺の声に上空に大量のダイナマイトがある事に気づいた新奈



「上っ!危ないわよ!」

「っ、私を甘く見ていますね!そんな手には誤魔化されません!」

「見てるけど・・・避けて!」



その言葉を最後に自分から一気に離れた新奈に

ハルはようやくダイナマイトの存在に気づくが重いからで逃げられるわけもなく爆発に巻き込まれる



「大丈夫か!?」

「大丈夫、ですよね!」

「私は平気だけど・・・あの子は大丈夫じゃないわね・・・あんな物、着けたまま落ちて」



ヘルメットとラケットだけ残し下の川で溺れているハルを見つけ

新奈は急いで靴と靴下を脱ぎ首元を絞めてるリボンを取り川へと飛び込んだ



「十代目!?」

「ニーナ!」



ハルの所まで着いたはいいが混乱しているハルは側に来た新奈にしがみ付き

新奈まで身動きが取れなくなってしまった



「助けで!!ブクブク・・・」

「ちょっ!!?しがみ、付かないで・・・落ち着いて!」



新奈の声を聞かないハルに手がつけられず新奈まで溺れそうになると一発の銃声が響く



「っ!!?・・・」



一瞬動かなくなる新奈はハルと一緒に沈むが・・・



「復活!!死ぬ気でハルを助ける!」

「え!?」

「私に掴まりなさい!」

「はひ!!?」



川岸まで一気に飛び救出成功とあいなった



「これに懲りたら十代目に付きまとうじゃねーぞ」

「女の子があんなもの振り回しちゃダメだぞ」

「十代目、お怪我は?」

「大丈夫、タオルありがとう・・・」



川の中で死ぬ気弾を撃たれた為、ウエアのみになった新奈は

タオルを肩に掛け獄寺に礼を言うするとイキナリハルが声を上げた



「私に掴まりなさい!やぁぁあ!!―――・・・死ぬ気でハルを助ける!!
そんなクサイ台詞・・・テレビの中だけだと思ってました・・・」

「反省してないわね・・・貴女・・・・・・」



恍惚な笑みを浮かべるハルに新奈は引くしかなかった



「ニーナちゃん」

「京子ちゃん、花ちゃん・・・」

「これ、どーいう状況?」

「朝から水泳?寒くない?」

「・・・・・・」

「死ぬ気でハルを助ける!!いやァァ!!」



説明に困り二人の友人の言葉に答えられない新奈の横で

ハルは再び騒ぎ出し新奈は溜息しか出ない



「何か着ないと風引くよ」

「うん・・・」

「ニーナさん、凄く素敵でした!十・代・目・・・
さっきからムネがドキドキして・・・っハルはニーナさんに惚れたもようです」



京子の気づかいは素直に受け取るがハルの気持ちは受け取るどころの話ではなくなった



「・・・・・・はぁ!!?ちょっ・・・待って私、女なんだけど!!」

「愛は性別を超えるんです・・・ニーナさんにギュっとしてもらいたい気分です」

「・・・・・・・・・っ!?」

「十代目!!」



迫ってくるハルから逃げる為獄寺を盾に再度言葉を投げてみる



「私も貴女も女の子よ!?今の気持ちはきっと吊橋効果よ!一度落ち着いて!」

「十代目・・・(む、胸が・・・当たってる)」

「ハルはいたって冷静です!大丈夫です!
ハルがニーナさんの新世界の扉を開いて見せます!!」

「開かなくていいわよ!!」



新奈は現実から逃避するように目の前の獄寺の背中に顔を埋めてハルを視界から遮る

その行為で獄寺は赤面しハルの怒りの矛先になったのいであった


**********
あとがき

ハルちゃんとは友情的繋がりにしようと思ったのですが

あのツナへのパワーはLove故と考えこうなってしまいました・・・

百合にするなら言わせたかった台詞「新世界の扉を開けて見せます!」

書けてちょっと満足してます・・・開けないけでしょうけどね

管理人も、お嬢様方も基本男性好きですから・・・悪しからず


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!