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標的3 電撃!愛と恐怖のクッキング!
「んにゃぁぁ!!」



沢田家二階、新奈の部屋の窓から爆発音・悲鳴と共に黒い煙がもくもくとあがっていた



「ちょっとリボーン!どこの世界に答えを間違える度に爆発を起こす家庭教師がいるのよ!!」

「これがオレのやり方だ」

「おかしい!間違ってるわよソレ!」

「二人も部下が出来たんだボスとして恥ずかしくないようもっと頑張れ」

「部下って・・・獄寺君と山本君のこと?
二人はただのクラスメート、部下なんていらないしマフィアのボスになんか成らないわよ!」

「でわ次の問題だ」

「聞いてよ・・・はァ、何が悲しくて赤ん坊に勉強を教わってるのかしら・・・ン?」



新奈は何かの視線を感じフト外を見ると

其処には木の上で銃器手に此方を見ている仔牛の様な井出達の幼い少年



「なっ!?」

「たくっ、お前はケアレスミスばっかだな・・・ココではこの公式を使う」

「う、うん・・・って、あのリボーン、アレ・・・・・・なんかいるんだけど」



新奈は窓の外を指差す、そこには牛ガラ全身タイツのアフロの子供・ランボがいたのだ



「死ねリボーン!」



ランチャーを撃とうとした仔牛は木の枝から盛大に落ちた



「ぁひゃァ!」

「うわ・・・」

「が・ま・ん・・・・・・・・・リボーンくん遊ぼー!」



落ちた仔牛は一人で起き上がり玄関へと走り、チャイムが幾度も鳴す

奈々が戸を開けると隙間から侵入し新奈の部屋へとやって来た



「ひさしぶりだなリボーン!!オレっちだよランボだよ!!!」

「わっ!入って来たんだ・・・リボーンの知り合い?」

「この公式を覚えておけよ」

「えぇ?うん・・・(無視ですか?)」

「・・・・・・・・・コラー無視すんなァー!!いてまうぞコラー!!」



さすがに耐え切れなかったのかリボーンに飛びかかるも

視線すら合わされずに片手で弾き飛ばされ壁へとめり込む仔牛



「ぴゃんっ」



幼児が幼児を虐待する光景に唖然とする新奈



「ひどい・・・(あまりの実力差に見てて哀れなんだけど・・・)」



壁から剥がれ落ちながら新奈とリボーンへと向き直り喋り続ける



「おーいて・・・何かにつまずいちまったみたいだ
イタリアから来たボヴィーノファミリーのヒットマンランボさん五歳はつまづいちまった!!
大好物はブドウとアメ玉、リボーンとは宿命のライバルのランボさんはつまづいちまった〜!!あひゃあひゃ!!うわぁぁん!」

「(ボロボロにやられて尚、泣きながら一生懸命自己紹介してる・・・すごいなランボ)」

「ってことであらためて、いよおリボーン!」



ひとしきり泣いたランボは再び笑顔でリボーンへと声を掛ける が・・・



「今の公式でコイツを解いてみろ」

「(えぇぇ!無視するの!?)」

「う・・・うぐ・・・が・ま・ん・・・・・・あららこれ何かしら?」



持っていたのはその小さい手には似つかわしくない手榴弾だった



「っ!手榴弾!?ヒットマンとはいえ五歳児が何で持ってるの!!?」

「死にさらせっリボーン!!」



またもや片手で跳ね返しランボと共に手榴弾を外へとあしらい、またも爆音が響いた



「次の問題いくぞ」

「・・・何もあそこまで・・・知り合いじゃないの?」

「あんな奴しらねーぞ」

「え?」

「どっとみちボヴィーノファミリーって言ったら中小マフィアだオレは格下は相手にしねーんだ」

「・・・無駄にカッコイイ」


ドンッっと効果音が付くような仁王立ちのリボーンに新奈はちょっとときめく










「いってきまーす!」

「いってらっしゃいにーちゃん」

「しっかり勉強してこいよ」



奈々はリボーンを抱きかかえ、その腕の中でナポリタンを頬張り新奈を見送る二人

そんな光景に新奈は苦笑するもパンを片手に駆け足で学校に向かう



「(昨日の事といい、リボーンと関わってから世間体からズレた人たちとよく会うなァ)」



目の前から来た自転車に道を阻まれ思わず足を止める新奈その自転車の人物に頬を引き攣らせる



「(ママチャリにメット?個性的だ・・・)」



自転車の人物は新奈の視線が完全に自分に向くと、ヘルメットをはずした、美人でスタイル抜群な女性だ



「!(綺麗な人・・・なんだけど、何かイロイロ勿体ない)」



彼女が「よかったら、どうぞ」と缶ジュースを投げてきた

受け止めようとしたが咄嗟の事で取り落とし中身が吹き零してしまう

美女の突然の行動に首を傾げたが新奈が見返した時には、自転車で遠くへ行っていた

仕方なく缶を拾おうと手を伸ばすと毒々しい煙が上がりその真上の電線で寛いでいたカラスが落ちてきた




「なにコレっ!!」





ショッキングな出来事を引きずりながら教室の戸を開けると

目の前には満面の笑みを携えた獄寺が出迎えた



「おはようございます!十代目!」

「っ!獄寺君・・・おはよう・・・あの、学校でその呼び方は、ちょっと」

「いえ、十代目は十代目ですから!」

「でも・・・」

「おっ!まだやってるのかマフィアごっこ
楽しそうだな、オレもそのファミリーってのに入れてくれよ!」

「山本君・・・(遊びだと思ってる)」



新奈の背後から現れた山本に二人の視線は其方に向く



「何を・・・さてはお前十代目の右腕の座を狙ってやがるな・・・
そうはいかねェ!十代目の右腕はこのオレだ!」

「そういうボスとか部下とかやめましょ?」

「そんなこと言わずに仲間に入れてくれよ!遊びは大勢の方が楽しいだろ!」

「あはは・・・」



獄寺の一歩通行な喧嘩に新奈の声は届かないらしい



「ちょっと邪魔よあんた達」

「おはようニーナちゃん」

「京子ちゃん、花ちゃん、おはよう」

「この子、ニーナちゃんの弟?」

「え?」

「ぅぇ・・・」

「なっ!いつの間に!?」



登校してきたばかりの京子の指摘により自分の足にしがみ付くランボの存在に気がついた新奈



「なんっすかコイツ」

「お!かわいいな!」

「ボク幾つ?お名前は?」

「この間といい、まずいんじゃない?学校まで連れてくるなんて」

「この子は違うの」



花の言葉に慌ててランボを足から剥がそうとするが

新奈にしがみ付いて離れないランボに溜め息が漏れる

新奈の前の人垣が割れその先に目を向けると不機嫌そうな雲雀の姿



「ヒバリさん!すみません、すぐ帰しますから!」

「十代目!」

「授業始まるまでに戻って来いよ!」



ランボを抱え走り出す新奈の後に続く獄寺達に聞こえる様に山本が声を掛ける

中庭まで来ると新奈はその足を止めランボに目線を合わせ話しかけた



「えっと、ランボだっけ?どうして此処に?」

「・・・・・・リボーン・・・探してた・・・」

「迷子になっちゃったのね」

「ぅ、ん・・・」

「十代目、コイツ何者なんですか?リボーンさんを知ってるなんて」

「えっと、リボーンの知り合いというか・・・」



水場のコンクリートが綺麗に開き椅子に腰かけたリボーンが現れた



「ニーナもう授業が始まるぞ早く教室に戻れ」

「って!どっから出てきてるのよ!!」

「学校中の秘密基地は秘密通路で繋がってるいんだぞ」

「なに勝手に作ってるの!」



新奈の頭に上り元通り元気に演説するランボ



「ひゃはは、掛かったなリボーン今までのはお前をおびき寄せるための演技だったのだ」

「いや、本気で泣いてたわよね・・・」

「ぴゃっ!覚悟!リボーン!!」



新奈の言葉に図星とばかりに反応するが気を取り直し緑色の巨大な銃を構えるランボ



「!ランチャー!?」

「リボーンさんコイツは!?」

「ボヴィーノファミリーのヒットマンだぞ」

「さがってください十代目!ココはオレが・・・」

「ダメ獄寺君!相手は子供よ!」



獄寺が構えるとダイナマイトに火がつき新奈の言葉を聞かず

其れをランボに放った、ランボに直撃それでも起き上ったランボだったが大泣きしてしまった



「泣いちゃった・・・どうしよう」

「コイツ、弱すぎる」



そんな二人をよそにランボは自分のアフロの中から紫色のバズーカを取り出した



「なっ!有り得ない物が有り得ない所から出てきた!?」



ランボはそのバズーカの発射口に飛び込み紐を使って器用にバズーカの引き金を引いた



「「!?」」



ピンクの煙が辺りに立ち込め、中から現れたのは牛柄のシャツを着た黒髪天パな伊達男



「なんだ・・・」

「ランボは!?」

「やれやれ、まったく・・・お久しぶり、若きボンゴレ十代目」

「え・・・・・・誰?」

「?コイツ何処かで見たような・・・」



新奈は目の前の男より五歳児の少年の方が気に掛かり

前に踏み出すが男に手を取られ踏みとどまる

獄寺は首を傾げ男の顔を思い出そうとしている



「十年前の自分が世話になってます、泣き虫だったランボです」

「え”・・・」

「十年バズーカか」

「何?十年バズーカって?」

「ボヴィーノファミリーに代々伝わる武器だ」

「十年バズーカで撃たれた者は
十年後の自分と入れ替わる事が出来るんです、ただし五分間だけです」

「ウソ!このカッコイイお兄さんがあのランボ!?」

「よおリボーンみちがえちゃっただろ?オレがおまえにシカトされつづけたランボだ」

「(なおシカト・・・)」



リボーンや大人ランボの説明に驚く新奈とは違い

無視されたランボは新奈の手を離し俯いたので怒るか泣くかと見ていたら

角を頭に装着させ瞬く間に角が帯電しはじめた



「やれやれ、こうなりゃ実力行使しかねーか
十年間でオレがどれだけ変わったか見せてやる
サンダーセット!!オレの角は100万ボルトだ」

「百万ボルト・・・!」

「死ねリボーン!!電撃角 エレットゥリコ・コルナータ !!!」



勢いよく飛び込んだランボだったが

角に触れなければ大丈夫なのか頭をレオンが変化した杖で叩かれた

それほど強く叩いた様には見えなかったが大きなタンコブが三つ程見え、大人ランボが震えだした



「が・ま・ん うわああああ」

「十年経っても変わらないのね・・・」










そんな朝の騒々しい出来事から一転平和な昼休み屋上にてお弁当タイム



「朝から散々だったわね・・・
授業にも遅れて怒られるしごめんなさい獄寺君私のまきぞいで・・・」

「いえ!十代目は悪くありませんから!」

「迷子を送っただけなのにな」

「ってなんで当たり前のようにお前まで来るんだよ野球野郎」

「いいじゃねーか青空の下で食べるお弁当ってウマイから」

「くす、そうね・・・っ!?」



新奈が弁当の蓋を開けると毒々しい紫の煙が空へと上がる

ちょうど真上を飛行していたカラスが三羽目の前に落ちてきた



「こ、これは!?」

「ソイツは食わない方がいいぞ、一口で天国行きだからな」

「リボーン」

「出て来い、そこにいるんだろビアンキ」



新奈の手の中にある弁当を見て獄寺の顔色が変わり

新奈達の頭上からリボーンが現れ元凶を呼び出した

屋上の戸が開かれそこに立っていたのは今朝の残念な美女



「ぁ!今朝の」

「アネキ・・・ぐぁ!」

「え?あね・・・姉!?」

「久しぶりね隼人」

「ちゃおっスビアンキ」

「リボーン!むかえにきたんだよリボーン、また一緒に大きい仕事しようよ
貴方が居るべき所はもっと危険でスリリングな闇世界なのよ」



リボーンをみつけるなり、ビアンキは再会に喜ぶ涙が光っていた



「言ったはずだぞビアンキ、オレにはニーナを育てる仕事がある」

「・・・・・・かわいそうなリボーン、この十代目が
不慮の事故かなにかで死なない限りリボーンは自由の身になれないってことだよね」

「え”!?」



リボーンに向けていた熱視線とは違った視線に新奈は一歩引いた



「待っててね、十代目を殺・・・いえ、十代目が死んじゃったらまた迎えに来るね」

「(私、もしかしなくても狙われてる?)」



屋上を去った美女・ビアンキに冷や汗を流す新奈



「獄寺の姉さんって美人だなァ、ん?」

「?」



視線を獄寺に向けると腹を抱えて蹲っていた



「獄寺君!?どうしたの?大丈夫!!?」

「とりあえず保健室に運ぼーぜ」

「え、うん・・・」



絶不調の獄寺を山本がおぶり保健室へ来たものの校医は見当たらない



「あれ?保健の先生居ないなオレ探してくるよ」

「うん、お願い山本君」



養護教員が居ないため山本が探しに保健室出ると

新奈はリボーンをジロリと睨み事の説明を要求した



「リボーン・・・説明して頂戴、あの人が獄寺君のお姉さんって・・・
其れに何よりあの料理!(お陰でお昼食べ損ねた!)」

「アイツは毒蠍ビアンキっていうフリーのヒットマンだ
得意技は毒入りの食い物を食わせるポイズンクッキングだ」

「また変なのが来た・・・」

「ちなみにオレの愛人でもある」

「意味分かって言ってる!?」



0歳児の口から出てくる数々の信じ難い言葉に声を荒げると

意識を取り戻した獄寺が新奈に声を掛けてきた



「すみません十代目・・・」

「ぁ、大丈夫?獄寺君」

「みっともない所をお見せしてしまって、オレ・・・アネキの顔を見ると」

「・・・どういう事?」

「あれは・・・オレが六歳になった時うちの城で盛大なパーティが行われたんです」

「城!?獄寺君って実はお坊ちゃん・・・?」

「オレはみんなの前でピアノを披露することになったんです
その時アネキが初めてオレのためにクッキーを焼いてくれました・・・
後で分かったんですがアネキは作る料理が全てポイズンクッキングになる才能の持ち主だったんです」

「!!?ま・・・ある意味才能だけど・・・(鬼才ね・・・)」

「もちろんその時の演奏はこの世のものとは思えないほどに・・・ところが、」

(素晴らしい!)(全英的だ!)(天才だ!)(ブラボー!!)

「気をよくした父は発表会をさらに増やし」

(ビアンキ、隼人のためにまたクッキーを頼む)

(はい!お父様)

「その後も発表会の度にアネキのクッキーを食べさせられました・・・
その恐怖が体に染みついて今ではアネキを見るだけで腹痛が!」

「悲劇・・・」


昼休み終了の予鈴に新奈は後ろ髪を引かれる思いで保健室を後にし調理実習室へと向かった



「ニーナ、ドコ行ってたの?もう準備できてるわよ」

「花ちゃんごめんなさい・・・って(ビアンキ、何で居るの・・・!)」



家庭科室に到着し急いでエプロンを着けた新奈の視界に

何故かビアンキが堂々と教卓に立っていた



「特別講師の先生なんだって、綺麗な人だよね!」

「そうだね・・・(黙ってれば美人よね、あの人)」

「将来、あーいった女性に成りたいわね」

「そう・・・(あの人を目標にする事はお勧めしないわ花ちゃん・・・)」



ケーキを作り始めるとビアンキはやはり新奈の妨害を行い

新奈のケーキに手を加えようとするがそれをことごとくかわし、なんとか普通のケーキが出来上がった



「(なんとか無事に出来た・・・)」

「京子、誰にあげるのよ?」

「うん・・・あの、」

「え?京子ちゃんあげる人いるの?」

「うーん自分で食べちゃいたいんだけど・・・」

「京子らしいわね、なんなら私と一個交換する味、違うし・・・」



並盛中学は変わっており女子は家庭科、男子は技術と分かれて授業を行っている

其のため調理実習などで作ったものは男子にあげることが多い

新奈は今までが今までなのでいつも一人で寂しく食べていた

今の自分ならあげる人は確かに居る、それ相応のコミュニケーションを皆と取れているのだから

手元に二つ並ぶチーズケーキに目を落とし新奈は小さく呟く



「そっか・・・普通はあげる物なのよね・・・」

「ん〜なにーニーナ誰かにあげるの?」

「え・・・誰かって・・・・・・!!?」



花に肩に手を置かれ其の言葉に思案すると、学ランを着た我が校の暴君のが頭を過ぎった



「(何故にヒバリさん!!?・・・いやいや、確かに一応彼氏ではあるけども・・・
・・・ケーキって食べるか?あの人・・・ノンノン食べないだろう)」



自分の頭上を手で払い頬を染める新奈に明らかに送る相手を想像しているのだろう察した花

女子が移動し始めたことに気づき新奈の手を引いて家庭科室を出ようとする



「恋をしているのねボンゴレ十代目・・・だけど」



ビアンキは新奈のケーキをすり替えようと手を伸ばす



「復活!死ぬ気でケーキを渡す!!」

「ちょっ!ニーナ!!」



倒れたと思ったら突如走り出した新奈に花と京子は目を瞬かせ見送った

ビアンキは舌打ちし其の後を追った、しかし

元々足の速い新奈が死ぬ気になったのだ追いつけるはずが無かった

新奈が来たのは応接室、その扉をノック無しに開き其の部屋の主を視界に入れる



「ん?」

「ヒバリさん!・・・・・・ケーキ、貰ってください!」

「うん、いいよ」

「・・・・・・へ?」



雲雀の言葉に額の炎が消え通常の新奈に戻った

自分の口走った台詞と貰った言葉に頬を染めた



「貰うのは良いけど・・・新奈、その格好どうしたの?」

「へ?・・・・・・!!?」



数日前リボーンに渡されたウエアのみの姿、死ぬ気になったのだから仕方が無い



「いくらスポーツウエアでも露出度高いよ・・・制服は?」

「(ウエアだって分かってくれてる・・・)あの・・・制服は・・・
・・・かなり破損してしまって、あとで縫おうかと・・・」



冷や汗を流し雲雀から視線を逸らす新奈、雲雀は携帯を取り出し電話をしだした



「(どうしよう・・・嘘は言ってないけど、こんな格好でケーキ渡しに来た私って・・・
ひょっとして痴女として警察?それとも精神病患者として病院?)」

「・・・―――から」

「え?」



ぐるぐる考えを巡らせていた新奈の肩に雲雀の学ランが掛けられた



「替えの制服持ってこさせるから、それまでこれ着てて・・・
そんな格好でうろつかれたら風紀が乱れるからね」

「あ・・・ありがとうございます・・・」

「うん、座ってって・・・いまお茶入れるから」

「え!?いや、お構いなく!」

「ケーキ二つあるんだから一緒に食べてきなよ」

「・・・は、はい」



はずかしすぎて雲雀の笑顔に目を向けられなかった新奈の姿に

雲雀と窓の外の小さな影が笑った










新奈のケーキが食べられなかった事を嘆かれ

家で一緒に夕食を食べようと誘い犬のように喜ぶ獄寺を引きつれ帰宅した新奈



「ただいまー」

「お邪魔します!」

「おかえりなさいにーちゃん、新しい家庭教師の先生が二階の部屋に来てるわよ」

「「?」」



出迎えてくれた奈々の言葉に獄寺と共に首を傾げ取り合えず己の部屋へ行きその扉を開けたすると其処には



「おかえり」

「!」

「ぬぁ――!!」

「獄寺君!?・・・何で此処に居るの?」



まさかのビアンキに獄寺はまたも腹を抱え床に倒れる新奈はそれを支え獄寺の目元を自分の手で覆った



「愛のためよ」

「仕事のためだぞ」

「リボーンには私が居なくちゃダメなのよ」

「ビアンキにはお前の家庭教師の一部を担当してもらう」

「(噛み合ってない・・・)っていうか、家庭教師って何を指導する気?」



噛み合わないビアンキとリボーンの会話に新奈は頬を引きつらせる



「私が受け持つのは家庭科と美術よ
リボーンの頼みだから仕方ないわ・・・教えてあ・げ・る!」



ビアンキの手の中にある丼の蓋が開かれると禍々しい煙が立ち上がった



「(少なくとも貴女より人の食べれる物が作れると自負しています)・・・」



そして外では小さな子牛が奈々の手によって

家の中へと招かれ沢田家は賑やかになったのだった


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