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標的2 ジ・エンド・オブ学校!?
「今日の予定だぞ」



そう言ってリボーンは新奈の目の前に手帳を広げた



「予定? 朝 転校生の紹介 午後 球技大会(バレー)
球技大会って私には関係ないでしょ?
やるのは男子で 私 生物学上女子なんですけど」

「まぁ、一応頭に入れとけ・・・必ず見に行けよ」

「なんで?」

「さぁな・・・」

「・・・まさかリボーン、何か企んでる?」

「そんな訳ねーだろ」



視線を逸らしつつ否定するリボーンに安堵する新奈だが

この後学校で覆される

靴から上履きに履き替えた新奈に元気な声が掛かった



「おはようニーナちゃん」

「おはよう、京子ちゃん、花ちゃん」

「ウッス」



クラスメートには愛称であるニーナと呼ばれるようになったのだが

新奈自身はまだ名前で呼ぶのを戸惑っていた

京子と花に照れながら挨拶を返す

その光景は小動物が花を飛ばしているが如く癒されたらしく

京子と花は自分より小さな位置にある新奈の頭を二人して撫でた



「???」

「アンタその顔あんま猿どもに見せない方がいいわよ?」



何かを悟ったのか花は新奈の両肩を掴み溜息交じりに呟いた



「今日ウチのクラスに転校生くるって知ってた」

「ぁ、今朝(リボーンに)聞いたけど詳しくは・・・」

「どんな子だろーね、男子かな?女子かな?」

「さぁ・・・」

「どーでもいいわよ、同い年に興味ないわ」

「花ちゃん年の離れてる人がイイの?」

「年上限定よ!同い年の男なんて猿よサル!」

「さる・・・」

「じゃあウチのクラスお猿さんだらけだね!」

「(え?猿山!!?)・・・」










HRの時間1−A担任に続いて、一人の生徒が教室に入ってきた

並んで教壇に立つと担任がその生徒を紹介する



「転校生を紹介する、イタリアに留学していた・・・獄寺隼人君だ」



教師と並んで立っているのは

制服を着崩しシルバーアクセサリーを大量につけた銀髪少年だった



「ちょっと超かっこよくない?」

「オマケに帰国子女よ?」

「(イタリア?リボーンと同じ――)・・・」



不良的出で立ちよりソレ関係ではないかと一抹の不安に駆られる新奈

俯き加減で思案していると目の前に影ができパっと顔を上げると

目の前には転校生が怖い形相で仁王立ち、目が合うと舌打ち付きで睨まれる

新奈はその視線に首を傾げるが、次の彼の行動で目を吊り上げ睨み返す



「っ!?」

「足癖悪いよ、獄寺君」

「・・・チッ」



獄寺の足が動くと同時に新奈も足を動かし獄寺の足を止めた

机を蹴り上げようと振り上げた足を足で止められたことに獄寺は目を見開く

まさか止められると思わなかったのか新奈の言葉に舌打ち



「獄寺君、獄寺君の席は・・・獄寺君!」



担任の言葉を無視し獄寺は席に着いた



「沢田さん大丈夫?」

「ありがとう、大丈夫」

「ニーナの知り合い?」

「知らない・・・」

「ありゃ絶対不良だな」



近辺の席の友人達が声を掛けてくれ 新奈は控えめな笑みで答えた



「でもそこがいい・・・・・・」

「怖いところがシビレるのよね〜」

「ファンクラブ結成決定だわね」

「(女子よ・・・何故そうなる)」



後ろから聞こえる声に内心突っ込む新奈

噂の当人に視線を向けると、ガン見されていた



「っ!?(なんで!?何で見てるの!!?)」



一日中獄寺に睨みつけられていた新奈は涙目で机にうつ伏し深い溜息を吐く



「(負けた・・・精神面で完全に・・・・・・)」

「ほら、ニーナ行くわよ」

「え?どこへ・・・」

「今日球技大会でしょ、応援に行こうよ ニーナちゃん」

「あァそういえば」



今朝リボーンに言われた通り、というより

京子や花に引っ張られ球技大会の見学に体育館へと向かった



「リボーン・・・貴方も来てたの?」

「まァな」



体育館に着くと黒いスーツに身を固めた赤ん坊の姿

花が顔を顰めたのに気付いた新奈はリボーンを抱き上げ

京子と花に別の所で見てると告げ、二人から離れ人の少ない隅へと行った



「あれ?獄寺君も選抜メンバーなのね」

「あァレギュラーが急に足んなくなって
補欠の補欠の補欠のそのまた補欠の転校生が出ることになったんだぞ」

「な、何でそんな事に・・・まさか リボーン
彼を試合に出すために選抜選手を銃殺したとかじゃないでしょうね」

「そんなワケないだろ」

「そうよね?いくらリボーンがヒットマンだからってそこまでは」

「皆、同じ店の宅配ピザにあたって腹を壊したらしいぞ」



リボーンの話を聞き容易に宅配人に扮したリボーンが想像され

新奈は青筋を立てリボーンを前後にシェイクしながら怒りの声を上げた



「やっぱりリボーンの仕業じゃない!何考えてるのよ!」

「ソレもコレもニーナを立派なボンゴレファミリー十代目のボスにする為だ」

「冗談じゃないわ!第一私に何の関係があって
選手の皆にお腹を壊させるようなもの食べさせるのよ
それに言ったでしょう、マフィアのボスなんて絶対成らないわよ!!」

「コレはお前の運命なんだ、人生諦めが肝心だぞ」

「その姿の貴方に人生語られたくないわ、私絶対ならないからね!絶っ対諦めない!!」

「そうか・・・でも心配すんなこのオレが付きっ切りでみっちり教育してやるから」

「もう・・・」

「やぁ、新奈」



新奈に声を掛ける人物へと目を向けると

左腕に風紀の腕章を着けた雲雀の姿があった

新奈はリボーンを後ろに隠し雲雀に笑みを向ける



「ヒバリさん、お仕事ですか?」

「まぁね・・・こういった行事は
ハメを外す奴が多くて風紀が乱れやすくてね」

「そうですか・・・でも、ヒバリさんが居れば安心ですね」

「そうだね、何か起こせばそいつをすぐに咬み殺すよ」



雲雀の言葉に控えめに新奈が笑うと

学ラン リーゼントの人物が雲雀の元へ駆け寄り

試合の準備が出来た事を告げた



「そう・・・じゃあ新奈、またね」

「はい」

「先生、始めてイイよ」

「あ・・・あァ、1年A組対1年C組の試合開始!」



雲雀が教師に指示を出すとすぐに試合は始まった

新奈はリボーンを抱き直し試合へと目を向ける



「ニーナ、あいつと知り合いか?」

「? あァ、ヒバリさんね・・・うん、(一応彼氏な)知り合い・・・何で?」

「・・・いや、何でもねぇ」



新奈は首を傾げたが気を取り直して試合へと目を向ける

山本や獄寺の活躍でC組に圧勝したA組

自身のクラスの勝利が嬉しくないわけはなく

笑顔で此方に掛けてくる山本を新奈は満面の笑みで迎える



「ニーナ勝ったぜ」

「うん、山本君達頑張ってたもんね・・・おめでとう」

「ニーナのお陰だぜ」

「え?」

「獄寺が運動できるから穴埋めにって助言くれたってそこの小僧が」

「!?」



山本は頬を染め「サンキューな」と手を振り自分を呼ぶ友人の元へと駆けて行った



「モテる女は辛れーな、ニーナ?」

「何訳の分からない事を・・・山本君に変な入れ知恵して如何する気?」

「山本武、ヤツの運動能力と人望は
ファミリーに絶対必要だ、上手く友達になれたな・・・ニーナ」

「なっ、山本君を巻き込む気!?ちょっとリボーン!」



新奈の腕から抜け出し体育館を出たリボーンを追うと

出口脇に獄寺が控えており 新奈を思い切り睨んできた



「・・・獄寺君?」

「話がある、校舎裏まで来な」

「(え・・・呼び出し)」



校舎裏に呼び出された新奈の目の前には不機嫌そうな獄寺



「・・・何の用?獄寺くん」

「お前みたいなカスを十代目にしちまったら
ボンゴレファミリーの終わりだ、目障りだここで果てろ」

「! ダイナマイト!?」

「思ったより早かったな、獄寺隼人」



聞きなれた赤ん坊の独特の高い声

其方に目を向けると、一本の幹が自動ドアのように開き

黒いスーツの赤ん坊が現れた



「リボーン!何でそんな所から」

「アジトのひとつだぞ」



幹から新奈の方へと飛び新奈はリボーンを抱きとめる

リボーンはそのまま獄寺を見据え口を開く



「獄寺隼人」

「やっぱり、リボーン関連の人ね」

「あぁ、オレがイタリアからよんだファミリーの一員だ
オレも会ったのは今日が初めてだけどな」

「・・・そう(どこから如何突っ込めばイイのか)」

「アンタが九代目が最も信頼するヒットマン、リボーンか噂は聞いてるぜ」

「(九代目が最も信頼するヒットマン・・・やっぱり凄いんだリボーン)」

「コイツを殺ればオレが十代目内定だというのは本当だろうな」

「え?」

「ああ本当だぞ」

「なっ」

「殺られたくなかったら戦え」

「戦うって、私が獄寺くんと!?冗談じゃ・・・」



新奈が一歩下がり逃げようとすると

獄寺がダイナマイトを投げ新奈の目の前でソレを爆破させた



「待ちな」

「何でそんなに大量のダイナマイトを」



両手に扇状に構えたダイナマイトに怯む新奈



「獄寺隼人は体のいたる所にダイナマイトを隠し持った人間爆撃機だって話だぞ」

「又の名をハリケーン・ボム隼人、覚悟しな・・・」



不敵な笑みを浮かべ リボーンの言葉に追記する獄寺

火種もないのにダイナマイトに火がついた



「何で勝手に火が!?」

「大人の事情だぞ」

「はぁ!?」



リボーンの一言に混乱する新奈だが自己防衛とは良く言ったものだ

獄寺のダイナマイトを寸前でかわし獄寺に背を向け逃げる

校舎端まで追い詰められ逃げ場がなくなった所で新奈は獄寺に向き直ると

再びダイナマイト構える獄寺に逃げ腰の姿勢を崩せない



「次でとどめだ」

「おーい、ニーナ」

「山本君!?」

「何してんだこんな所で?」

「ジ・エンド・オブ・十代目・・・果てろ!」



突然山本が登場したにも拘らず、獄寺からダイナマイトを放たれた

新奈と山本の周りに転がるダイナマイトを山本は一つ拾い



「何のゲームだコレ?面白そーじゃん、オレも入れてくれよ」

「山本くん!・・・っ」



校舎の窓が一つ開いていたので新奈はソコから校舎に入り

赤いモノを手に、外に再度飛び出す



「っ消火器か!」

「山本くんごめん!息止めて!!」

「ん?うぉ!!?」



新奈は素早く消火器のピンを抜き山本に向けホースを構えレバーを握ると

勢い良く白い霧を噴射され山本の手にあったダイナマイトは鎮火し

回りに散らばるダイナマイトの火も新奈の手によって消えた



「っな!?二倍ボム!!」



新奈の行動に目を見開くも

獄寺は先程よりも多くのダイナマイトを新奈へと放り投げた

宙を舞うソレを白い霧が包み視界が白く染る



「三倍ボム っ しまった・・・」



視界が晴れると獄寺の周りに大量の火の着いたダイナマイトが転がっていた



「獄寺くん!・・・っ!?え?嘘!?もう終わり!!?」



消火器から出ていた霧が勢いを失い止まった



「ま、消火器なんてそんなもんだ」

「冷静に言ってる場合か!獄寺君!!」

「ジ・エンド・オブ・オレ・・・」

「死ぬ気で助けろ」

「え?」



新奈は消火器を投げ捨て獄寺に駆け寄ろうとしたまさにその瞬間

リボーンのボルサリーノの上にいた緑色のカメレオン

レオンが銃へと姿を変えその銃口から新奈の額へと鉛玉が放たれた

当然銃で撃たれた人間は死ぬのが当たり前だが

新奈は起き上った・・・・・・・・・下着姿で



「死ぬ気で獄寺隼人を助けるー!!」



額に橙色の炎を灯し叫びながら獄寺へと駆けより

ダイナマイトが爆破する前にその危険区域から 獄寺を抱え脱し

獄寺の胸ぐらを掴み、声を荒げる



「貴方は自分の武器の使い方も分からないの!?」

「!!?」

「ダイナマイトは、中距離用のモノよ・・・それを至近距離の相手に
しかも自分で抱えきれないほど投げるなんて、どんな神経してるのよ!
死にたいの!?・・・ボスになりたいなら自分の命の事も考えなさい」



最後に静かに論する様に言葉を紡ぐと新奈の額の炎は消え彼女は我に返る



「・・・ぁ、えっと・・・その、ごめんなさい・・・・・・私ずいぶん生意気な事を」

「・・・ぇ?いや、その・・・」



新奈は獄寺の襟から慌てて手を離すが

体当たりの形で助けたため獄寺の上に乗ったままの新奈

獄寺も彼女の格好を直視できず視線をそらし頬を赤らめていた

そんな獄寺の反応に気づき自分の現状を顧み

新奈は赤面し獄寺の上から慌ててどき逃げようとしたとき

上からバスタオルほどの大きさのタオルが降って来たので

新奈はとりあえずそれで身を隠す



「り、リボーン」

「女には辛かったな・・・でも良くやったぞ、ニーナ」



獄寺は新奈へ向き直ると両手をついて激しく頭を下げた



「御見逸れしました!!!あなたこそボスにふさわしい!!!
十代目!!この世の果てまであなたについていきます!!
なんなりと申しつけてください!!」

「はぁ?」

「負けた奴が勝った奴の下につくのがファミリーの掟だ」

「掟?」



イキナリの獄寺の豹変振りに戸惑う新奈にリボーンは歩み寄り説明した



「いや、元々オレは最初っから十代目になろうなんて大それた事は考えていません
ただ、十代目がボスに相応しい実力があるかどうか試したかっただけです」

「獄寺君・・・」

「でもオレは浅はかだった貴女はオレの想像を超えた人間だ
敵であるオレを身を挺してまで助けてくれた!
獄寺隼人、貴女に命預けます!!」

「命って・・・(重たすぎる・・・)いや・・・あの、困る!普通のクラスメートでいいんじゃない?」



目を輝かせ自分への盲信っぷりを露にする獄寺を必死に止めるが



「そーはいきません!」

「・・・(何なのこの状況)」



鋭い眼光で訴える獄寺に新奈は何も言えずげんなりと肩を落とす



「よくやったなニーナ」

「?」

「獄寺が部下になったのはお前の力だぞ」



横に居るリボーンの言葉にやや感動したが

次に手帳を開き呟いたリボーンの言葉に新奈は疑問を問いかけた



「今日の所は合格だ初の死ぬ気弾での対応も中々だったしな」

「そういえばリボーン私に何したの?」



説明を忘れていたと懐から銃弾を取り出し新奈へ見せるリボーン



「コレが死ぬ気弾だ、コレで脳天を撃たれた者は
一度死んでから死ぬ気になって生き返る」

「死んで、生き返る?」

「死ぬ気になる内容は死んだ時後悔したことだ
ただし死ぬ気タイムは五分間だけだ五分経つと元に戻る」

「・・・じゃあ後悔してなかったら、まさか」

「オレはヒットマンだぞ」

「やっぱり死んでたの!?」

「あははニーナお前ってホント面白いヤツだな!オレも仲間に入れてくれよ」



山本は新奈の肩に手を回すと獄寺は山本の行為に青筋たてる



「ニーナがボスな!」

「(ただの遊びだと勘違いしてる?)」

「オイコラ・・・十代目に馴れ馴れしくすんじゃねェ」

「ありゃりゃなんだアイツ」

「三人でいい事の最中か?」

「俺達も混ぜてくれよ」

「「「あひゃぁひゃひゃ」」」



獄寺が低い声で威嚇するように唸ると三人の不良男子の声が割って入って来た



「三年の不良さん達ね・・・」

「早速、お役に立つ時がきたようで・・・」

「え?」

「木っ端微塵に消しさってみせます」



立ち上がり新奈を庇うように前へ出た獄寺はダイナマイトを構えた



「ちょっ!いいわよ獄寺君やらなくて!」



ダイナマイトを構え三人の不良男子に歩み寄る獄寺を止めるも

ダイナマイトの音が響き渡った









其の日の夜の事



「ニーナ明日から毎日これ着とけ」



リボーンから渡された黒い布切れに首を傾げる



「何これ?」

「今日のような羞恥を回避するためのアイテムだ、着てみろ」



そしてリボーンに促されるままに着ると・・・



「ちょ・・・これ・・・・・・イヤ下はハーフパンツだからイイとして、上はどう見てもスポーツブラ・・・」

「それはインナーマッスルウエアと言って、着用することで体の深層部にある筋肉
インナーマッスルを強化するテクノロジーウエアなんだぞ・・・
ちなみに死ぬ気弾を使っても破れねー様にレオンが頑張って作ったんだぞ」

「レオンのお手製!?どうやって創作したのよ」

「まー気にすんな、これからバンバン死ぬ気弾を撃っていく、学校だろうが何処だろうが」

「っ!!?先生!人権って言葉知ってますか!?」

「バカにすんなよ、あたりめーだろ・・・だがお前に選択肢はねー」

「いやああああ!!露出狂のレッテルが貼られるのも時間の問題だァァ!!」



**********

あとがき

ハリケーンボムに吹いた回 (≧3≦)ブッ

大人の(アニメ的)事情 中学生が煙草etc問題がある故にこんな事に

アニメで見返すと意外に雲雀さんが出張っている事実にも笑った (≧×≦)ぷっ

それとやはりヒロインの今後の対策のため死ぬ気の炎に強いウエアを着用させることとあいなりました

次回の話がアレなので・・・この回で登場なインナーマッスルウエア長いので名称『ウエア』でお願いします


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