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標的149 リボーンの試練
「リボーンが、次の・・・」

「何も驚くことはねーだろ、オレが次の相手だ・・・」

「っ・・・!」

「守護者を全員連れて来い、ランボもだぞ・・・並盛島で待ってるからな」



そう言い残すと、部屋の窓から飛び出して行った



「リボーン・・・」



隣の和室で既に夢の世界へ旅立っているランボに謝り抱き上げ下の階へと降りる



「ニーちゃんリボーン君は?」

「出掛けちゃった、私も用事が出来たからちょっと出かけるね」

「ランボ君を連れて?」

「うん・・・ランボの用事でもあるんだ」

「そうなの、気をつけてね」



笑みを浮かべ母に平気で嘘を吐く新奈は自分を蔑むように自傷の笑みを浮かべ

ランボを抱えたまま外に出た・・・公衆電話から獄寺の携帯へと掛ける

『・・・はい?』

「獄寺君・・・あの」

『じゅ、十代目!?失礼しました!!』

「ううん、遅くにゴメンね・・・試練の通達」

『試練スか!?』

「守護者全員連れて並盛島に来いってリボーンから言われたの」

『リボーンさん!?次の試練はリボーンさんなんですか!?』

「そう・・・山本君と笹川先輩に連絡頼める?私はクロームとヒバリさんに連絡するから海岸集合で」

『分かりました、直ぐに行きます!!』

「二人に連絡してからね・・・」



受話器を置き一つ息を吐く、家光から教えられた黒曜メンバーの連絡先を押す中々出ない・・・



「・・・・・・(公衆電話からだからかな?)」

『・・・はい?』

「(柿本君?)夜分遅くにゴメンナサイ沢田ですけど」

『・・・何?』

「クロームと話したいんですが、換わってもらえますか?」

『・・・・・・クローム』

『?何、千種』

『ボンゴレから』

『ボス?』

『あぁん!?ボンゴレ?切っちまえよ柿ピー!!』

『後でめんどい事になるからヤダ』

『切ってやるびょん!!』

『『『ぁ・・・ガッゴッ』』』

「痛っ(落とした?)」

『もしもし、ボス?』

「ぁ、クローム大丈夫だった?」

『うん』

「今からちょっと付き合って欲しい所があるの出てこれる?」

『今から?大丈夫・・・何処に――・・・』

『ボンゴレ!テメー何考えてんら!夜遅くにって!まさか骸さんと――・・・ドカッ』

『犬、ボンゴレと骸様の事で変な勘繰りするのは危険だよ・・・』

『今のって・・・何?柿ピー・・・』

『さぁ・・・クローム?』

『〔フルフル〕・・・私は何もしてない』

「(一体何が起きてるの?)もしもし・・・?」

『で、今からクロームと出掛けるんだよね?』

「(柿本君・・・)うん」

『何処に向かわせればイイの?』

「並盛港だけど・・・迎えに行くよ?」

『ボンゴレ、一応女だって自覚したほうがイイよ・・・じゃ』ブチッ



強制的に切られた電話からは空く音が響く

受話器を置き今度は雲雀の携帯に掛けると今度は恐ろしく出るのが早かった



『もしもし』

「(早っ!)もしもし、新奈です」

『どうしたの?』

「リボーンに言われて――・・・」



諸事情を話すと雲雀はあっさりOKを出した



『新奈、今何処?迎えに行くよ夜も遅いし』

「え・・・でも」

『いいから教えなよ』

「・・・はい」



電話からものの五分もしない間に










守護者全員を集まったのはまだ星の輝気の見える朝だった、ボート二隻で並盛島へ向かう一行



「よく眠ってんなランボ・・・ま、この時間じゃ無理もねーか」

「ったく・・・緊張感がねーんだから・・・」

「〜アホ寺ァ・・・肩揉めェガハハ・・・」



クロームの膝で寝るランボに視線を向ければ壮大な寝言を放った



「(ランボまで強制参加って
一体何をさせる積りなのかしら・・・)来てくれてありがとう、クローム」



新奈の言葉に頷き返すクロームに笑みを向け

横のボートに乗る了平と雲雀に視線を向けると雲雀が口を開く



「赤ん坊とは一度本気で戦いたかってみたかったんだ」

「あぁ!相手にとって不測は無い!!」

「(やっぱり戦闘なのかな・・・私、戦える?リボーンと・・・)」



二人の言葉に新奈は俯く



「でもリボーンさんの試練って何スかね・・・」

「聞いてない・・・けど(あのリボーンの空気・・・)バトルじゃない事を願うわ・・・」

「だとイイけどな・・・」



獄寺の言葉に瞳を閉じ思い出すは昨晩のリボーンの背中、山本の声に顔を上げる



「オレは十年後の世界で特訓を受けたから身を持って知っている
もし、小僧とガチで戦うなんて事になったら(勝ち目はねーかもな・・・)」

「山本君・・・」

「リボーンさんが十代目相手にガチは無いですよ!!
案ずるより産むが易いって事になるんじゃないですか」

「・・・獄寺君」



二人の励ましに少し落ち着きを取り戻すも新奈の不安は募るばかり










島に付いた頃には陽は完全に上っていた

ボートを岸に結び、目の前の崖を上る新奈達



「凄い所ね・・・並盛島って・・・」

「うむ、これぞ、決戦の場!」

「足元気をつけてください、十代目」

「もう夜明けだぜ・・・」

「来たぞコラ」



ラル、コロネロ、リボーンの視界に

崖から上ってきた新奈達が入ってきた影から様子を窺うアリアにも然り



「試練を始めるぞ」

「っ・・・リボーン」



全員上り終えたのを確認するとリボーンの声がその場に響く



「オレの試練は守護者も全員参加だ」

「待ってリボーン、ランボまで一緒じゃなくても」

「甘めぇな」

「試練は遊びじゃないんだぞコラ」

「・・・試練は何をするの?」



クロームに抱かれて眠るランボに視線を向けるが

リボーンとコロネロの言葉に反論できず試練の内容を尋ねるとラルが口を開いた



「アルコバレーノ第六の試練は
沢田新奈がボスとして相応しいかを試すボス力 りょく をはかるモノだ」

「ボス力・・・?」

「そんなの相応しいに決まってんじゃないスか!
ボンゴレ九代目が正式に後継者に決めたんだし・・・!」

「それはどうかな・・・」



リボーンの言葉に一同言葉を失う



「でも・・・ボス力ってどうやって」

「このオレとガチバトルだ」

「っ!!?」

「リボーンさんと」

「ガチバトル」

「やはりな!」

「フッ」

「・・・っ」



其々の反応を見せる



「本当にリボーンと戦うの・・・」

「だからお前はいつまで経っても甘ちゃんなんだ」



明らかに迷いを見せる新奈の腹に蹴りをを入れ、新奈は後ろの岩壁に叩きつけられ



「十代目!!」

「ニーナ!」

「沢田!」

「ボス!?」

「・・・」



倒れて動かない新奈を呼ぶが反応は無い



「イキナリとは卑怯ではないか!」

「試練を始めると言ったはずだ」

「その通りだ」



了平の言葉に岩を足場に全員の視線の変わらない高さのリボーンから放たれた言葉にラルも肯定する



「誰でもいいから掛かって来い」



凄まじいプレッシャーの中先陣を切ったのは雲雀だった

新奈は獄寺達に崖に持たれ掛けさせるように起こされる

リボーンの放った一撃で雲雀が倒れると今度は了平が動くが・・・



「それだけか・・・一人ずつ来たんじゃウォーミングアップにもならねー全員で来い」



その言葉に山本と獄寺は匣を開匣し武器を構えクロームもランボを新奈の横に寝かせ三叉槍を構える

全員でリボーンに休む間を与えぬよう攻めるも交わされリボーンの放った一撃の弾丸に山本とクロームが倒れる

了平は肉弾戦にて倒れ残された獄寺は自身の攻撃を跳ね返され倒れる

意識の残っている山本が立ち上がり刀を構えも全て交わされ顔面を蹴られ地面に倒れるが直ぐに立ち上がった



「今のはよく避けたな、オレと特訓しただけあるぞ」

「余裕だな、小僧・・・勝負だ!!」



特式十の型 燕特攻 スコントロ・ディ・ローンディネ



山本とリボーンの擦れ違い様に激しい水飛沫が上がりその音に新奈の瞼が動く



「っ・・・・・・!?・・・山本、君?」

「ニーナ・・・っ」



眼前のリボーンと山本の姿を見ると新奈は恐る恐る山本の名を呼ぶと山本は

振り返り新奈の名を呟くと倒れ、新奈は立ち上がり叫ぶが目の前に広がる光景に目を瞠る



「山本君!っ!?・・・獄寺君・・・クローム・・・笹川先輩・・・・・・ヒバリさんまで」

「残ったのはお前だけだニーナ」

「そんな・・・」



後ろで寝ているランボ以外の悲惨な姿に新奈の瞳が揺れる



「お前がボスだろ、ボスなら何とかしやがれ」



リボーンの言葉に拳を強く握り歯噛みする、その光景に

未だ自分と戦う決心の着かない事を悟るとリボーンはボルサリーノの下から新奈を睨みつける



「お前がこの試練をクリアしなけきゃ世界は終しめェなんだ、京子やハル、ママン達がどうなってもイイのか」

「っ・・・」



新奈は迷いを払拭できないままリボーンの言葉に死ぬ気丸の小瓶に手を掛け其れを飲み額に炎を灯す



「ようやくその気になったか・・・(覚えとけニーナ、試練からは決して逃げられねェんだ、試練からわな・・・)」



新奈はリボーンに接近戦を挑み組み手をするも相手は小さく素早いリボーン、中々当たらない



「っ・・・あ!」

「ボス・・・」

「っ沢田!?」

「・・・・・・っ」

「ぁ・・・十代目!」



山本、クローム、了平、雲雀、獄寺が目を覚まし新奈とリボーンへと視線を向ける

リボーンが大きく跳んだ所に裏拳を入れ防がれたが拳を打ち込み岩壁へ飛ばし叩きつけ新奈は宙へ飛んだ



「やった、さすが十代目・・・」



動かないリボーンに視線を向け新奈は口を開く



「オペレーション]」

『了解しましたボス、]バーナー発射シークエンスを開始します』

「!?リボーンさんに]バーナーを!!?」



右手を後ろに左を前へと構える新奈



「ターゲットロック、ライトバーナー炎圧上昇20万FV フィアンマボルテージ
レフトバーナー炎圧上昇18万、19万、20万FV・・・ゲージシンメトリー発射スタンバイ」

「(コレを打てば・・・)・・・・・・・・・っ(出来ない)」



後は撃つだけだという時に過ぎった師の顔に新奈は目を強く閉じ手を下ろした



「ニーナ・・・」

「十代目・・・」

「絶好のチャンスを逃したな」

「あぁ、リボーンが態と作ってくれたたった一度のチャンスだったのに・・・」

「何、ワザとだと!?」



コロネロとラルの言葉に了平は目を見開いた



「甘めェな・・・」

「っ!」

「仲間がボロボロになって戦ってんのに
まだ甘さが捨てきれねーのか・・・ボンゴレリングを受け継ぐことの意味が解ってんのか!」



リボーンの言葉に新奈は口を結ぶ



「仲間の為、世界の為に戦う覚悟がお前には無い・・・カオスショット!」



リボーンの銃口から放たれた黄色い光は幾重にも別れ新奈を襲い新奈は地面へと落ち気を失った



「ボスとしてなってねー奴は合格とは言えねェな」



倒れた新奈に歩み寄ったりボーンは傷だらけのその姿に一言残し背を向けた


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