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標的148 大空を継ぐ二人
「アルコバレーノの印は何とか四つ集まったけどまだ後三つも残ってるのね・・・」



学校の終わった其の日、新奈の部屋で其々のリングを見つめる新奈、獄寺、山本、了平

其の横で自分サイズの革張りの椅子に腰掛エスプレッソを啜るリボーン



「見た目は変わらねーし・・・もうこれで匣が開けばイイのにな」

「うむ、試してみたらどうだ沢田?何事も当たって砕けろだ!」

「何言ってんだ芝生頭!!本当に砕けたらどうする!?」



山本、了平の楽観的な考えを否定する獄寺



「あぁ、爆発するかもしれねーぞ」

「えぇ!?」

「兎に角、お前達は試練をやり遂げる必要がある、これからの戦いのためにもな・・・」

「リボーン?」

「この試練が乗り越えられないんじゃ十年後の世界の戻っても白蘭を倒すなんて無理だからな」



其れに同意するように此方を振り返る事無くリボーンが口を開くと新奈が驚き眉が次第に下がっていく



「しかし、十年後の世界に戻るまで今日入れて後三日しか・・・
アルコバレーノがいつ来るかもわかりませんし――・・・」

「そうね、タイムリミットは後三日・・・残り三人でリボーン以外の二人って――・・・」

「そのうちの一人、ヴェルデって奴は以前十代目の命を狙って刺客を送り込んで来た奴じゃないですか!」



思い出される何時かのジャンニーニと合わせて来た悪夢に獄寺は拳を握り締める



「あの時はひどい目に遭いました!」

「・・・獄寺君小さくなったりで大変だったよね・・・
ヴェルデって人が緑色のおしゃぶりだから残ってるのは――・・・」

「十代目と同じ大空のアルコバレーノですね」

「大空・・・どんな人なのかしら・・・・・・リボーン、その人の事知ってるのよね?」



未だ関わりのない大空のアルコバレーノの存在に新奈は獄寺からリボーンに視線を移し訊ねるが



「あぁ、まァーな・・・ただ大空のアルコバレーノは随分前から欠番になっている」

「「「え!?」」」

「?欠番とはどういう意味なんだ?」



リボーンの言葉に全員リボーンに視線を向け了平も身を起こしリボーンに訊ねる



「オレの口からは言えねー・・・アルコバレーノの秘密に関わる事だからな」

「・・・・・・」



一向に此方を見ないリボーンに新奈は眉を下げその横顔を眺める事しか出来なかった



「しかし、どういう事になるのだ?欠番という事は試練が一つ減るという事か?」

「あ、そうですね・・・印は七つ集めないといけないし、リボーンどうするの?」



腕を組み眉を寄せている了平の言葉に新奈はリボーンに再び訊ねる



「それは大丈夫だ、試練もちゃんとやる」

「え・・・居ないのにどうやって――・・・」



新奈の言葉を遮るように家のチャイムが鳴り山本が首を傾げた



「おっお客さんかな?」

「あ、母さんランボ達を連れて買い物に行ってるんだったちょっと行って来るね」



二回目のチャイムで母の不在を思い出した新奈は慌てて立ち上がり部屋を後にした



「はーい、どちら様ですか?」

「ニーナさん!よかった、いらっしゃったんですね!!」

「突然ごめんね」



玄関の戸を開けると其処には見慣れた二人が立っていた



「二人ともどうしたの?あぁ先輩なら今私の部屋に――・・・」

「ううん、そうじゃなくて」

「ハル達、この方を案内してきたんです」

「え?」



京子が了平を探しているのかと考え了平の居場所を告げるとそうではないらしく

二人の後ろに控えていた人物が新奈の前に歩み出た



「こんにちは」

「ハルちゃんと歩いてたら道を聞かれて」

「それがニーナさんの家だと分かって吃驚です!なのでお連れしました」

「そうなの・・・あの、どちら様ですか?」



初対面の女性を警戒しつつ新奈は訊ねると左目の下にタトゥーだろうか

花の様な印を付けたスーツの女性は綺麗な笑みを新奈に向けた



「私はアリア、貴女に試練を与える為に来たのよ沢田新奈ちゃん」



其の言葉に驚きに目を見張るとアリアは新奈の耳元で小さく耳打ちしった



「あんなかわいいガールフレンドが二人もいるなんてやるわね新奈ちゃん」

「えぇぇ!?あ、あの!私女なんですけど!?」

「女の子に道を外させるなんて中々出来る事じゃないわよ、同じ女として驚くばかり」

「友達ですから!私ノーマルですから!!あの、それより試練って・・・ぁ!!?」



慌ててアリアの言葉を否定して新奈は彼女の胸元に鎖で下げられた橙のおしゃぶりに目が行った



「(オレンジのおしゃぶり・・・どういう事?
大空のアルコバレーノは欠番だって・・・それにこの人リボーン達と違って大人だし・・・)」

「十代目!!」

「獄寺君!?」

「てめ―何者だ!!」



勢いよく新奈とアリアの間に入り新奈を背に庇う獄寺其の後に続いて山本と了平が階段を下りてくる



「ん?その人お客さんか?」

「お、京子・・・どうしたのだ?」

「あ、お兄ちゃん、私達この人を・・・」

「おい!何者かって聞いてんだよ!!」



答えないアリアに獄寺は懐からダイナマイトを取り出しと新奈が慌てて其れを制止する



「っ!?待って獄寺君!!この人っ」

「落ち着けお前等」



新奈を踏み台にその場に現れたリボーンにその場の注目がリボーンに集まる



「リボーン・・・この人」

「・・・・・・・・・やっぱり似てんな」



自分の頭上に居るリボーンに恨みの念を込めつつ訊ねるが

リボーンは其れに答える事無くアリアを見つめた



「すまねーな、わざわざ来てもらって」

「いいえ、これが私の役目だから」

「じゃあいきましょっか!」



アリアは新奈達に背を向け京子とハルの肩を抱き二人を連れ歩みだす



「あの・・・」

「ニーナさんにご用があるんじゃ・・・」

「いいのよ」

「おい!京子をどこへ連れていく!!」



京子とハルの戸惑いの声にも了平の荒い声にも笑みを浮かべたまま静かに答えるアリア



「ここへ来る途中で私が日本は初めてだと言ったらこの子達が町を案内してくれるって、ね?」

「はい!確かにそう言いました!!」

「本当に助かるわー、ありがと」

「いいえ、ハルでお役になてるなら嬉しいです!」

「私も、楽しんでもらえるかわからないけど・・・」

「新奈ちゃん、エスコートよろしくね」



会話に花を咲かせる女性三人に唖然としていた新奈達だが



「はぁ?エスコートって・・・私が!?」

「とっとと行け」



アリアの言葉に驚きの声を上げる新奈を蹴り出し後を追わせるリボーン










三人を観察する様に後ろを歩く新奈特に変わった様子は見られず成り行きを見守る



「どこから案内したらいいかな」

「そうですね、アリアさんはどんなところを見たいですか?」

「リクエストしてもいいのかしら?」

「ええ、是非どうぞ!」

「(この人、アリアさんって一体何者なのかしら・・・リボーンの知り合いらしいし
試練を与えるって言うからにはアルコバレーノの関係者なんだろうけど・・・)」

「それじゃあ、まずは・・・」



京子、ハルの言葉に腕組し軽く考えたアリアの所望した先は・・・



「ここがニーナさん達が通っている並盛中学校です」

「生憎放課後で、誰もいなけど」

「そう、ここが・・・」

「あの・・・どうして学校に」



並中を眺めるアリアに其の意図を訊ねるとアリアは変わらず笑みを浮かべたまま答えた



「興味があったから新奈ちゃんが普段どんな生活をしてるかなって」

「・・・(此れも何か試練に関係のある事なのかしら?)」

「学校は楽しい?新奈ちゃん」

「え?はい、とても楽しいです」

「うん、学生時代は大いに楽しみなさい勉強にスポーツに恋!やる事はたくさんあるわよ!」

「そうですね・・・」



アリアのテンションに戸惑いながらも答える新奈に不機嫌な声が掛かる



「何してるの?」

「っ!ヒバリさん」

「放課後は立ち入り禁止だよ」

「すみません、入るつもりは無いので・・・」

「新奈ちゃんのお友達?」

「えっと・・・」

「新奈、誰?」

「ぁ、この人はリボーンの知り合いの方で――・・・」

「赤ん坊の?」

「新奈ちゃんのボーイフレンド」

「「!!」」



新奈と雲雀のやり取りに何かを感じたらしいアリアの問いに

新奈は顔を赤らめアリアの背を押し先を促す



「そ、それより次行きましょう!次!!京子ちゃんとハルも」

「あらあら」

「はーい!」

「次はどこに行きましょう?」

「キミが何を考えてるかは知らないけど、これ以上学校で騒ぎを起こしら・・・咬み殺す!」

「はいっすみません!」

「楽しそうなボーイフレンドね」



トンファーを取り出した雲雀を見ても尚笑みを崩さないアリアに新奈は引き攣った笑みを返すしかなかった



「(そういえばヒバリさん・・・ちゃんと十年後の未来に戻ってくれるのかな)」



後ろ見返すと並中の門に消える雲雀の姿に

新奈は首を左右に振りハル達のお勧めという場所を目指し商店街へ向かった



「あそこがハル達の行きつけのケーキ屋さんです!!」

「とっても美味しいんですよ!あれ?人がいっぱい・・・」

「はひ?はっアレを見てください!!今日は特製チョコレートの半額です!!」



人だかりの横の看板には【開店3周年記念特製チョコレートなんと半額大ラッキー】との宣伝があり

其れをハル、京子は覗き込みアリアと新奈は二人の後ろえ其れを眺める



「ハル感謝デーではなくてもこれは見逃せません!」

「そうだね、でも・・・」



乙女達が群れをなし奪い合ってる光景に二人は諦めたように肩を落とすと



「新奈ちゃん買ってきてくれる?」

「え?」

「二人の可愛いガールフレンドのために、ね!」

「え?ちょっ!わっ!?ああぁぁああ!!」



アリアに肩を押され反論するまもなく争う乙女達の群れの中に放り込まれた新奈



「さ、ここは新奈ちゃんに任せて」

「はひ?」

「え?でも・・・」

「ニーナさんを待たなくて良いんですか?」

「大丈夫大丈夫!」



揉みくちゃにされ悲鳴を上げる新奈をそのままにアリアはハルと京子の背を押しそのまま商店街を進む



「じゃあニーナちゃん後でね!」

「ニーナさん!ファイトです!!」

「はい、次行こ次!」



三人の声は新奈に届く事はなかった・・・それからしばらくして、新奈は

やっとの思いで目的のチョコレートを手中に収め息を切らせ熱気の中から這い出して来た



「ぜぇぜぇ・・・・・・女の力って恐ろしい・・・買えたけど・・・あれ?居ない・・・」



待っていると思った三人の姿が見当たらず周囲を見回すとハルの声に其方に視線を向ける



「ニーナさーん!こっちです!」

「ん?」

「アリアさんがお洋服見たいといわれるのでこちらに!!!」

「試練を与えるってこれってただのショッピングじゃ・・・何の関係があるんだか・・・」



溜息混じりにぼさぼさになった髪を軽く直し洋服店の前に居るハルの元へ駆け寄る新奈

其の後ろから数人の男達がつけて来ている事に気づかず・・・



「たくさんお買い物したね!!」

「日本に来たらショッピングをしないとね」

「そうなんですか」

「(何で女の子ってこんなに無駄に買い物するのよ・・・)重い・・・」



店を出た三人に続く新奈の手には視界を塞ぐほど高く詰まれた箱のや袋

あまり無駄な買い物をしない新奈は此処まで大量に衝動買いをする女性の心境が解らず

荷物の重さに思わず小さく漏らすと其れに気づいた京子が声を掛ける



「ニーナちゃん大丈夫?やっぱり手伝おうか?」

「大丈夫よ」

「本当に手伝いますよ?」

「大丈夫、二人よりも力はあるから私・・・(幾っらなんでもこんなに持たせられないわよ)」



ハルも心配気に声を掛けるが新奈は其れをやんわりと断り三人の後ろを多少ふら付きながら歩く










「ここで休憩しましょ」



湖側の休憩スペースでのアリアの有り難い言葉に新奈は大量の荷物を降ろし息を吐く



「ふぅ」

「楽しかったですね!」

「うん!」



アリアと向かい合って座るハルと京子を眺め

固まった筋肉を伸ばすように伸びをすると背後から声が掛かる



「ボス?」

「ん?クローム」



鞄を大事そうに抱え大きな目を瞬かせるクロームを振り返ると

クロームに気づいたハルと京子がクロームに歩み寄る



「あ、クロームちゃん!」

「ホントだ!!」

「こっち来たとたんに消えちゃって心配したんですよ?」

「元気だった?」



二人に戸惑いながら促されるままに二人の間に座らされるクローム



「あの・・・」

「あら、また可愛らしい子ね」



目の前に腰掛けたクロームに笑みを向け軽く自己紹介するアリアにクロームは軽く頭を下げた



「クロームはどうしてここに?」

「犬と千種、探して・・・」

「また置いていかれたの・・・あの二人・・・」



クロームが置いていかれる情景を思い描き

原因だろう二人に溜息を吐く新奈にクロームは困った様に眉を下げる



「そうだ、知り合った記念に貴女にも何かあげたいんだけど・・・」



先ほど買った物の山を漁り服を一着取り出すアリア



「これなんかどう?でも色が地味かしら・・・そうだ新奈ちゃん
さっきのお店に行って取り替えてもらってきてピンクがいいわ」

「え?」

「私――・・・」

「はい、急いで!」

「・・・はい、わかりました」



クロームの言葉も遮り新奈に服を押し付けその場を追いやるアリア

新奈は諦め半分で其れを受け取り先程の店へと急いだ



「(もうアリアさんの目的が解らない・・・純粋にショッピングを楽しんでるだけなのでは・・・)」



先程の店で商品の交換を素早く済ませ足早に帰れば呆けた様にアリアを見る三人に首を傾げる新奈



「お待たせしました、ん?どうかした?」

「あ、ニーナさん」

「おかえりニーナちゃん」

「何でもないわ、ご苦労様新奈ちゃん
あーでも、喉が渇いたわね、ジュース買ってきてくれる?」

「あ、はい・・・」



もう完全に諦めたようにアリアの言葉に返事を返す新奈



「あ、ハルが行きます!」

「うん、今度は私たちが行ってくるよニーナちゃん」

「でも・・・」

「それじゃあ頼もうかしら」



ハルと京子が買いに行くと名乗り出ると戸惑う新奈を遮りアリアが二人に頼む



「はい、すぐに買ってきます!」

「クロームちゃんも一緒にいこ?」

「え・・・?」

「ね、行きましょう?」

「さっ行こ行こ」

「ハル、すっごく美味しい果物ジュースのお店知ってるんですよ!」



クロームの腕を掴み三人でジュースを買いに行く姿を見送るとアリアの方から口を開いた



「あたしに聞きたいことがあるんじゃないの?」

「・・・貴女は一体何者なんですか?リボーン達みたいな赤ん坊でもないし・・・
それに大空のアルコバレーノは欠番だと聞きましたが」

「私が偽物だって思う?」

「いいえ、貴女は嘘をついている感じがしないから」

「我がままで、貴女を振り回しているのに?」

「アリアさんは悪い人じゃないと思います」



互いに真っ直ぐ相手の目を見据えるアリアと新奈



「さすが大空の属性をもつものね・・・とてもまっすぐな目をしている」

「え?」

「あなたなら――・・・っ!」

「っ!?」



いつの間にか二人を取り囲む黒ずくめの男達・・・背中合わせに新奈はアリアに訊ねる



「・・・アリアさん、これって試練ですか?」

「いいえ違うわ・・・こんな男達は知らない」

「それじゃあ・・・匣兵器!?」

「どうやら敵のようね」



今では見慣れた未来の兵器に新奈は目を見張り

死ぬ気丸を取り出し、アリアに襲い掛かる男の前に出る



「さがってて・・・!」

「十代目!!」

「オレにまかせろ!!」

「加勢してもいいんだろ?小僧!!」



新奈が一人を殴り飛ばすと後を付けて来ていた獄寺、了平、山本が駆け出した



「果てろ!!」

「うわああ!!」

「時雨蒼燕流公式八の型篠突く雨」



獄寺は匣を開匣し山本は刀に炎を灯す



「マキシマムキャノン!」



了平と新奈はその拳で大勢の敵を地に沈めた



「これが、ボンゴレ十代目のファミリー・・・」



其の光景を静かに見守るアリア



「十代目!ご無事でしたか!?」

「皆・・・」

「コロネロ師匠直伝のオレの拳があれば心配無用だがな!」

「いやぁー間に合ってよかったス!」

「ケガはねーみてーだな!」

「それにしても奴等は・・・っ!?どこに消えやがった!!?」

「いつの間に・・・もういいよ獄寺君」



倒した敵が全員消えており憤る獄寺を宥めていると紙袋を手に並んで帰ってくる京子達



「あれ?おにいちゃん・・・どうしたの?こんなところで」

「お、おぉ京子偶然だな!オレはロードワークの途中なのだ!!」

「そうなのだ!みんなも?」

「あ、まあな!!な?」

「あぁ・・・」

「偶然よね・・・」



新奈達は目を逸らし乾いた笑いを浮かべた



「あっ!困りました、ジュース全然足りません・・・もうひとっ走り買ってきましょう」

「いいわよハル、自分達で買いに行くから」



駆け出そうとするハルを止める新奈にクロームは静かにジュースを差し出す



「ボス・・・」

「クローム?」

「おにぎりのお礼・・・」

「いいのにそんなの」

「でも・・・」

「・・・ありがとう、クローム」

「うん・・・」



譲りそうにないクロームと手を重ね

新奈は笑みを浮かべ其れを受け取るとクロームは嬉しそうに頬を染めた



「あら、もうこんな時間・・・みんな、私帰るわね!」

「え!?もう帰っちゃうんですか!!?」



腕時計で時間を確認したアリアは声を張り全員に告げハルが驚きに声を上げる



「人と待ち合わせしてるの、遅れるとうるさいし・・・今日はとても楽しかったわ、ありがとう」

「私たちも楽しかったです」

「また、いつでも遊びに来てくださいね!」

「えぇ、また来るわ!きっと・・・」



京子とハルの笑顔にアリアもまた笑顔を返し踵を返すが



「おっと、忘れるところだった・・・新奈ちゃん」

「っはい!」

「ちょっとこっちに来て」



去ろうとしたアリアは其の足を止め新奈を自分の元へと呼びつけ新奈はアリアの元へと駆け寄る



「ごめんね、大事な用事を忘れるところだったわ」

「大事な用事?」

「包容力の試練はクリアよ」

「包容力?」

「どんなわがままにも付き合ってくれて敵であるかもしれない私まで守ってくれた
その心のおおらかさが包容力・・・さすがはすべてを包み込む大空ね」

「私・・・そんな大袈裟な事は・・・何もしてないです・・・」

「ふっ・・・その心をいつまでも忘れないでね」



アリアがおしゃぶりに手を掛けると橙の光がボンゴレリングへと注がれ、其々のリングに光が灯った



「ニーナさん?」

「?」

「・・・っあ」

「おっ」

「やりましたね十代目!」

「よしっ!」

「どうしたのお兄ちゃん?」

「い、いや・・・なんでもない」



クローム、山本、獄寺、了平は二人からリングを隠しあさっての方向を向いた



「アリアさん・・・ありがとうございます」



其の背を見送り新奈はリングを覆い笑みを浮かべ静かに礼を送った










其の日の夜新奈の部屋で真ん丸の月を見上げるリボーン



「まずいことになるかもしれね―な・・・だが、まず・・・」

「リボーン」



明かりも点けず月見を眺めていたリボーンの背に電気を点け声を掛ける新奈



「晩御飯できたって・・・リボーン?」

「ニーナ、次の試練の相手はオレだぞ」

「っえ!!?」



振り返る事無く告げられたリボーンの言葉に新奈は目を大きく見開いた


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