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標的145 守護者対決!雲と霧
紙一重で攻撃を交わし交わされの攻防に新奈は眉を下げどうすれば良いか分からず

二人の戦闘をリボーンと共に傍観することしか出来ない



「なるほど・・・君も以前戦った時よりも進歩しているようだ」

「借りは返すよ・・・」



雲雀は一気に距離を縮めトンファーを打ち込むが骸は軽くイナシ再び距離が生まれる



「クフフ・・・何度やっても結果は同じですよ」

「咬み殺す・・・」



新奈は混乱しつつ手に持っていたお重を下に置く



「止めなきゃ、ヒバリさん!骸!」

「無駄だ、やめとけニーナ」



二人に駆け出そうとした新奈をリボーンは静止し新奈はリボーンに振り返る



「今のアイツ等は止める事は誰にもできねー」

「そんな、二人が戦っても意味ないのに・・・」

「ヒバリは過去の屈辱を忘れてねェ・・・
骸はそれを分かってて受けて立ったんだ、これはどっちかが倒れねー限り治まらねェな・・・」

「っ・・・ヒバリさん、骸・・・」



新奈はますます眉を下げ泣きそうだ、そんな中頭上から新奈達の背後に小さな影が落下してきた



「・・・―――落ちた!!」

「っえ!?・・・なに?」



リボーンはその落下物に溜め息を漏らし新奈は身構える



「これがテメーのいう頭を使った作戦ってヤツか・・・相変わらずお粗末だな」

「なっ!!」

「ぁ、マフィアランドで襲ってきた・・・」

「スカルだ、オレのパシリだな」

「誰がパシリだ!!」



地面に倒れたスカルはリボーンの言葉で勢いよく起き上がった



「スカルも、アルコバレーノ・・・じゃあ!これって試練なの!!?
じゃあどうして二人を戦わせたりなんかするの!?」



新奈はスカルに問い詰めるように迫ると其の問いにはリボーンが答えた



「大方、あいつ等を使って自分の手は汚さず、お前を潰すつもりだったんだろ」

「え?確かに・・・あの二人は守護者の中でも
ズバ抜けた戦闘力の持ち主で襲われたら一溜まりも無いけど・・・」

「あァ、あいつ等の因縁を調べてなかったお前のミスだな」

「なっ!!」

「二人が出会っちまった以上、この先何が起こるか分からねェ」

「よりによってヒバリさんと骸を・・・っ!?」



会話を遮るように攻撃の土煙が舞い上がり一同其方に視線を向ける

睨み合う二人に新奈は冷や汗を流す



「どうするの?これじゃあ試練どころじゃ・・・」

「いーや」

「え?」



いきなり空からスカルの上へと降り立ったラルはスカルを足蹴に其れを地面に埋めた



「試練は始まっている」

「ラル!どこから?」

「ココだ」

「っ!コロネロ?」

「頼まれたとおり急いでラルを連れて来てやったぜコラ!!」



声のした上空へと視線を移すとファルコで宙を舞うコロネロがいた



「立会人のラルがいなきゃ始まらねーだろ」

「まさかリボーン・・・こうなるって分かってたの?」

「まぁな、スカルとも長い付き合いだコイツがしそうな事なんて簡単に予想できるからな」

「なっ!なんだと!?」



顔を上げたスカルだったが再びラルによって地面へと戻された



「そういうことだ、オレが来たからにはこれを正式な試練とする」

「マジっすか!?」

「こんな状況で・・・?」



再び顔を上げたスカルだが努力は再び水泡に帰す



「甘えるな!どんな状況であろうと
確実に目的を達成する!それでこそ、それでこそボンゴレ十代目だ!!」

「っ・・・そんな事言われても」

「グズグズしてる暇はねェぞニーナ」



ラルの言葉に唇を噛み躊躇する新奈にリボーンが一喝入れ

ラルはスカルを足蹴に二人の前に飛び出し開始の合図を告げる



「第二の試練開始!参加者は、大空のリング保持者と雲の守護者、霧の守護者とする!」

「こうなったら・・・全員まとめ片付けてやる!!」



自棄になったスカルは自分の部下に命令し雲雀と骸に黒ライダーの男達は一斉に襲いかかった

が・・・雲雀と骸は武器を一振りし襲いかかった者を撥ね退ける



「何、群れてるの?それに僕の邪魔は許さない」

「その意見には同意しますね、ボンゴレやアルコバレーノが
何をしているかは知りませんが、今は邪魔をしないでもらいたい」



背中合わせの二人を不安気に見つめる新奈の耳に大きな声が飛び込んで来た為其方を見やる



「あー!なんか騒がしいと思って、誰が暴れてるのかと思ったら・・・骸さんだびょん!!」

「骸様・・・!」



外の騒ぎを聞きつけたらしく黒曜ヘルシーランド内から城島と柿本が現れる骸の名を呼ぶ



「犬、千種、ちょうどいい僕は彼との戦いを楽しみたい、邪魔者を排除してくれますか?」

「え?あ――!アヒルにボンゴレ!!」

「・・・・・・ぁ」



新奈達を指差し驚きの声を上げる城島に新奈は苦笑する



「それに何だコイツ等!人ン家に大勢で乗り込んできやがって!!」

「邪魔者ってこいつ等ですか・・・骸様?」

「えぇ、此方に手出しをさせないでください、頼みましたよ」

「ふんっ・・・」

「っちょ!ヒバリさん!骸!!」



黒曜ヘルシーランドを背に森へと駆けだした二人に新奈の声は届かずその場に残される



「お前の相手はソコだ、ニーナ」

「え?・・・っ!!?」



リボーンの言葉とほぼ同時に新奈は上後方へと飛ばされ高い位置にある看板に激突し地面へと落ちた



「気を抜くな・・・もう試練は始まってるって言っただろ」



新奈は痛む体に鞭打ち起き上がり顔を上げると目の前に巨大な蛸姿を捉える



「これって確か・・・」

「相変わらず趣味の悪いペットだな、スカル」

「っな!?なんだど!!」

「本当の事だろうがコラ!」



看板の上に避難していたスカルはコロネロの蹴りよって

ペットの蛸の側へと飛ばされたが素早く起き上がる流石元スタント撃たれ強い




「アイツ等・・・いつもいつもバカにしやがって!!いつもいつもいつもいつもいつも!!
・・・だが!今はボンゴレ十代目が先だ!行け――!!」



スカルの合図と共に蛸は足で新奈へ攻撃を繰り出した



「おい!避けろコラ!!」



コロネロの声に素早く死ぬ気丸を飲んだ新奈は宙へと舞い蛸の頭部に着地しスカルに眼光を向ける



「なっ!?なんだコイツ・・・!以前会った時よりも、余りにも・・・余りにも違う!!?」

「来なさい」

「・・・なにしてるオイ!早くやってしまえ!!」



超モードの新奈に恐怖したのか焦って蛸に命令を出すスカル

蛸は新奈へと攻撃を繰り出すが新奈は其れを宙に飛ぶことで交わし蛸は己の頭を攻撃してしまう



「バカ!このマヌケ!!なんとかしろ!」



スカルの指に合わせて攻撃する蛸の足を払いのけ

其の巨体に一撃打ち込むと蛸は悲鳴を上げ、ニ撃目で蛸は横たわる



「どういうことだ!?ボンゴレがコレほどの戦闘力を身につけているなんて・・・!!」

「当たり前だコラ!この俺の試練をコイツは既にクリアしてるんだぜ」

「あぁ!!そういえば・・・!」



スカルの疑問にサラリと答えたコロネロにスカルはしまったという空気を醸し出す



「オペレーションX・・・」

『了解しましたボス』



新奈の声と共にヘッドフォンとコンタクトが作動、掌に死ぬ気の炎が集中する

蛸が素早く足を伸ばし新奈は避けるすると蛸の動きが突然止まる



「どうした!?」

「っ!?」

「勘違いすんな・・・別にお前を助ける訳じゃないびょん!」



新奈に伸ばされた足をコングチャンネルを装着した城島が掴んでいた



「っおいコラ放せ!!離せェェェ!!」



もう一本動いた足にヘッジホッグが打ち込まれる



「骸様の命令だからね・・・」



ヘッジホッグを受け止め城島と言葉を繋げる柿本



「だァァァ!!なにやってる!潰せ!こんな奴等叩き潰せェェ!!!んっ!?」



叫んだスカルの視界を上空から眩い橙の光が照らす

其方に目を向ければ新奈が蛸へと左手を向け構えている



「あわわっっ!!まずい!なんとかしろ!!」

『ゲージシンメトリー、発射スタンバイ』

「(]バーナー・・・エアー!)」



新奈の掌から放たれた炎は勢いよく蛸を森へと吹き飛ばした、其の蛸の真横にでは

雲雀と骸が未だ戦闘を行っている光景が視界に入り新奈は其の間へ素早く飛び込んだ



「止めなさい」

「ワォ」

「ほぉ」



雲雀と骸が互いの武器を引くと新奈の額から炎が消える



「止めて下さいヒバリさん!骸も・・・
何で二人が此処に居るのか、戦っていたのか解りませんけど・・・
兎に角、今二人が戦って意味が無くて・・・仕組まれていたことなんです――・・・」



懸命に二人を止める新奈に雲雀は息を吐き頭を撫でる



「知ってたよ・・・新奈が僕にあんな事するはずないからね」

「え?あんな事?」

「同じくボンゴレがクロームにあの様な…」

「何!?あの様なって!」



骸の言葉に焦り視線を骸に移した新奈から雲雀は手を引く



「この僕が、あんな幻術に騙されると思いますか?相手は前に一度僕が破った術士だ」

「前に破った術士って・・・マーモンが?」



骸の言葉に新奈は体ごと骸に向ける



「相手の策に乗ってみるのも一興かと思いまして・・・復讐者の牢獄は酷く退屈な所なのでね・・・」

「っ・・・・・・」



骸の言葉に新奈の瞳が揺れ俯く

其れを雲雀は視界から消すように二人に背を向け其れを見た骸が再度口を開く



「しかし、彼の相手をしているうちに少し本気で面白くなってきてしまって・・・」



雲雀に視線を移すと新奈も其れを追うが骸の言葉に噛み付くように向き直る




「それは彼も同じようですが」

「面白がらないでよ!だって・・・だって貴方はっ」

「えぇ・・・解っていますクロームに少し無理をさせてしまいました・・・」

「(骸・・・十年後の貴方は・・・・・・ううん、無事・・・よね)」



表情の晴れない新奈に骸は新奈の装備に視線を向け再度口を開くと新奈は再び骸の瞳を見返す



「貴女も新しい力を手に入れたようですね」

「・・・!」

「僕の知らない所で、クロームを巻き込むのはやめてもらいたいのですが・・・そうもいかないのでしょうね」

「ごめんなさい、でも・・・」

「言い訳は結構です、ただ・・・彼女達を護っていただければ」

「うん、約束する、私がきっと・・・・・・絶対に!」

「マフィアの約束などを信じてしまう僕もどうかしているのかもしれませんね・・・」



視線を新奈から雲雀に移す骸、新奈もまた雲雀に視線を向けた



「残念ですが時間が無いようだ、お相手はまたの機会に」

「今の君を倒しても意味が無いからね、いつか本当の君を咬み殺してあげるよ」



二人を視界から消し前を向いて歩く雲雀は一度足を止め意地悪な笑みを新奈に向ける



「代わりに新奈が戦ってくれるなら続きをしてもイイけど?」

「遠慮します・・・激しく」

「そう・・・」



新奈は冷や汗を浮かべ即答した雲雀は不機嫌そうに返し其の姿を消した



「クフフ、ではボンゴレいずれまた・・・」

「ぁ・・・骸」



骸は言葉と共にその身をクロームへと変えた

其の途端クロームが倒れかけた所を新奈は慌てて支える



「クロームっ・・・大丈夫?」

「っ・・・ボス大丈夫だから」

「無理しないで骸が実体化して戦ってたんだから・・・」

「っ・・・」

「あ―――!!」

「「?」」



城島と柿本は始末がついたのだろうやっと合流すると骸が居ないことにクロームに八つ当たりする



「なんでお前に戻ってるびょん!?骸さんはどうした!!」

「もう居ない・・・」

「なんだと!!?もっともっと骸さんと話したかったのに・・・!」

「犬」

「ちぇー!なんだかなぁ・・・」



柿本に宥められ渋々折れる城島に新奈は苦笑



「あの、誰の下にも就かない奴等が引き下がった・・・ニーナにはそーいう魅了がある・・・そうだろラル」

「そうだな・・・確かに、アイツには人を引き付ける何かがあるようだ・・・」

「ぁ、リボーン!試練ってコレで終わり?今回は何を試してたの?」



リボーン達の存在に気づき新奈達の視線は赤ん坊四人に向けられた



「今回の試練は"魅力"だっただぞ」

「魅力?」

「お前はこの試練を見事クリアしたよって、印をボンゴレリングに!」

「オラ行け!」

「とっととやれ!」



ラルの声にコロネロに前に突き飛ばされ

リボーンから前へと突き出されスカルは覚束無い足取りで前に出る



「分かってますよ・・・さぁ」



スカルに頷き新奈はリングを差し出すとスカルのおしゃぶりから紫の光リングへと送られた

新奈のリングが其れ受け光り同時にクロームのリングも輝きを放つ



「よし!これで魅力の試練クリアーだな」

「うん・・・ぁ、そうだ」



新奈は此処に来た本来の目的を思い出し、重箱の元へ駆けより、クローム達の前にへと歩み寄る



「クローム」

「え?」

「まだ何か用かびょん!」

「・・・」



あからさまに歓迎してない二人を軽くかわしクロームへと重箱を差し出した



「これ」

「何?」

「おむすびと軽く摘まめるオカズ、いっぱいあるから良かったら柿本君、城嶋君と三人で一緒に食べて」

「え?」

「京子ちゃん達からご飯全然食べてないって聞いたからこっちでもちゃんと食べてるのかな・・・って思って」



困惑する新奈に諸事情を離すと城島がかみついて来た



「余計なお世話らびょん!ちゃんとコイツにも食い物やってるぞ!」

「お菓子ばっかりだけど」

「え!?お菓子はご飯には入りません!!」



柿本の言葉に新奈は城島を叱りつけ怯んだ隙にクロームに重箱を無理矢理持たせる



「クローム、ちゃんと食べないと、ね・・・」

「変なもんが入ってるんじゃないだろーな!」



クロームに渡した重箱の臭いを嗅ぐ城島に呆れる新奈



「中身なら普通よ、おむすびの中身なら昆布とかオカカとか梅干・・・」

「梅干は要らない」

「柿ピー!何もー食べる気なってんだびょん!」

「それなら犬は食べなければいい」

「なにおー!さては一人占めする気だな!このメガネかっぱ!!」

「怒るよ?」

「喧嘩しなくても沢山あるから分けて食べて」



口喧嘩を始める二人の仲裁に入るも聞く耳持たずクロームにいたっては控えめではあるが笑ってる



「うっせーボンゴレ!テメーは黙ってろ!!」

「クロームも柿本君も何か言ってあげてよ」

「え?」

「だから食べなくて良いよ、犬」

「そのメガネへし折って、ただのかっぱにしてやるびょん!」

「っちょ・・・」



収拾がつかなくなり結局弁当の殆どを城島が食べる結果に終わった

其の夜新奈は部屋で髪を拭きながら息を吐く



「・・・なんか今日疲れた・・・一日に二つの試練って
獄寺君なんて立ち会えなかったって泣いて電話してくるし・・・(宥めるの大変だったし・・・)」

「なに言ってんだ、コレくらいで疲れてたんじゃ、コレからの試練を乗り越えられねーぞ
残ってるアルコバレーノはスカルなんかよりよっぱど強敵だ覚悟しておけよ」

「・・・・・・」



ドライヤー片手にリボーンの話に耳を傾ける新奈



「ま、死ぬ気でやるしかねーな・・・スピー」

「早っ!」



絞めた所でお休み三秒なリボーンに新奈は思わず口に出た

翌朝学校も休みの其の日、試練の事が気になり目が覚めた新奈は

欠伸を噛み殺し服は着替えたものの髪を下ろしたまま

ゆったりと階段を降りると固定電話が鳴り出した



「ん?」

「にーちゃんお願い、今手が離せないの!」

「はーい・・・もしもし、沢田です」

『並中で待つ・・・早く来ないと大変なことになる』



機械で声を変えているのか不気味な声に新奈の目はハッキリと覚めた

切られた受話器を手に数秒固まる新奈に奈々が声を掛ける



「にーちゃん電話誰からだった?」

「・・・間違い電話だった」

「あら、そうなの・・・」



笑顔で誤魔化し受話器を置く



「来たか?」

「うん・・・多分」



新奈は簡単に髪を纏め玄関に向かい靴を履く



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