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標的24 それぞれの反撃
新奈達は廃墟と化した黒曜センターへと足を踏み入れた



「(ビアンキが替えの服持ってて助かった・・・
ウエアのまま行ったら私ただの露出狂だもの・・・)」



ビアンキの用意しいてくれた服を着た新奈は歩きながら息を吐く



「ここもだわ、階段が壊されてる・・・」



その声に前方の階段に視線を向ける新奈

建物の中に入ってから上階への道を探すが階段が破壊され進むことが出来ない



「骸は多分、上の階だな・・・どこかに一つだけ生きてる階段があるはずだぞ」

「え・・・道を一つに絞ってメリットってあるの?自分達の退路を絶ってるのよ?」



リボーンの言葉に首を傾げ訊ねる新奈



「いい質問だな、こちらの移動ルートを絞ったほうが守りやすいんだ
まァ自分の退路を絶っちゃいるが・・・勝つ気マンマンってことだな」

「余裕ね、六道骸」



生徒の質問に口角を上げ疑問に答えるリボーン



「ん?ケータイが落ちてる・・・壊れてらー」



獄寺が足元に落ちていた携帯を拾い上げ

新奈は今朝見たその携帯の持ち主を瞬時に悟った



「あ!ヒバリさんの・・・やっぱり此処に居るのね」

「ヒバリがッスか?」

「うん・・・そういえば、如何でもいい事だけど
ヒバリさんのケータイの着うたって、ウチの校歌なのね・・・」

「なっ!?ダッセー!!」



雲雀の携帯を見つけた後

新奈達は階段を探すが全て壊されているものばかりだった



「そんな事より上に行く階段を探しましょう」

「あ、ごめんなさい・・・」



進むべき道を探すため黒曜センター一階フロアーを歩き回る新奈達



「ここでもないな・・・」

「ココも壊されてるわ」



幾つかの階段や梯子を発見するもやはり壊されている

ドアを開けさらに進もうとすると新奈が錆びた梯子を発見した



「!在った!」

「非常用のハシゴだ」



梯子の所在を確認した新奈達の背後から独特の高い音に全員其方に目を向ける

ヘッジホッグを手に構えている柿本が居た、瞬間的に獄寺はダイナマイトを放つ

柿本はそれに身構えると、ダイナマイトの先端が開き煙が吹き出てきた



「!?」

「煙幕・・・?」



新奈が呟くと目の前に獄寺が躍り出た



「十代目、ここはオレに任せて先に行ってください」



ダイナマイトを持ち、新奈の前に立つ獄寺



「獄寺君!!」

「隼人!シャマルの治療の副作用でさっきのような激しい痛みがくるわ!それでもやる気?」



ビアンキの問いに、獄寺は



「あたりめーだ!その為に、オレは居る」

「っ・・・行きましょ、ニーナ」



自分に振り向かず前を見据えたままの獄寺の心中を察したビアンキは

新奈に先に進むよう促し踵を返す



「え!?でも・・・」

「行ってください、十代目は骸を!」

「そりゃ、そうだけど・・・」

「終わったら、また皆で遊びにいきましょう」



戸惑いながら言葉を紡ぐ新奈に獄寺は笑顔で振り返り言った



「!・・・そうよね、行けるわよね」

「もちっス!」

「分かった、行くね!」



新奈、リボーン、ビアンキの三人は獄寺を残し非常用のハシゴを上って先へと進んだ



「大人しく行かせてくれたじゃねーか」

「骸様の、命令だ」



先へと進んだ新奈達は二階にあるボウリング場を見回し誰も居ないことを確認した



「二階にはいないみたいね・・・」

「ここから三階に行けるわ」



先程の苦労と打って変わり、難なく階段を見つけた

三人はボウリング場を横切り、階段を上った



「三階は映画館だったのね・・・」



ボロボロになったカーテンが風に揺らめき、新奈は思わず身を硬くする



「っ・・・!」

「油断な、骸は近いぞ」



奥にある劇場へ通じる扉を、ゆっくりと開けた先には・・・客席はなく

舞台の中央にソファが置かれているだけであった

其処に座っていた人物に新奈は目を細めた


「また会えて嬉しいですよ」

「・・・また、会えたわね・・・六道骸」



新奈の言葉にリボーンとビアンキは目を瞠り、ビアンキはすぐに身構えた



「クフフッ、ゆっくりしていってください、君とは永い付き合いになる・・・ボンゴレ十代目」

「そのつもりはないわ、貴方とは此処でケリを付ける」



妖しい笑みを浮かべる骸に新奈は吐き捨てるように告げる・・・

三人の背後の扉が音を立て閉じられ、新奈達の視線は其方に向けられた



「フゥ太・・・」

「無事みたいね」



青白い顔をさせたフゥ太が後ろ手に扉を閉めたらしく新奈は安堵の息を吐く

骸に背を向けフゥ太に駆け寄る



「随分探したのよ・・・」



骸は妖しい笑みを崩さず其れを眺め、リボーンも無言でその光景を見やる



「危険だから下がってなさい、フゥ――・・・フゥ太!?」



ビアンキがフゥ太を庇うようにフゥ太の前に立つと

フゥ太は手に持っていた三つの刃を持った鉾 ほこ ・・・三叉戟 さんさげき で

ビアンキの声に答えることなくその腹部を刺した



「ビアンキ!」



新奈は倒れるビアンキを支え切れずクッションになった程度で彼女を床に横たえた

リボーンと骸は表情を変えずに其れを見ていた



「ビアンキ!ビアンキしっかりして!!フゥ太、一体何を―――・・・!!」



ビアンキを刺した張本人フゥ太へ視線を移すと三叉戟を新奈へと振り下ろしてくる



「っ!?フゥ太!!?」

「うぅぅ・・・」



ぎりぎりで避け間合いを取った新奈はフゥ太の様子がおかしいことに気づく



「・・・まさか」

「マインドコントロールされてるみてーだな」

「そんな・・・フゥ太!目を覚まして!!」



リボーンの言葉に新奈の瞳に動揺の色が見て取れた・・・

新奈の言葉はフゥ太には届かず三叉戟で攻撃を続ける

それでも尚新奈はフゥ太の名を呼び続ける



「っフゥ太!お願いフゥ太、正気に戻って!!」

「クフフフ・・・」

「(どうすれば・・・どうすれば良いの!)・・・ッ!!?」



フゥ太の攻撃を避け続ける新奈を鞭で身を縛り引き寄せるリボーン

突然背後から引っ張られた為、新奈は尻餅を付く



「前にディーノから貰った鞭を持って来てやったぞ」

「こんなもん渡されてどうしろって言うのよ!」

「どーするもこーするも、やらねーとお前ががやられるぞ」

「相手はフゥ太なのよ!攻撃なんて出来るわけないでしょ!?」



新奈を絡めとった鞭はあっさり解かれ、鞭を渡された新奈は

救急箱の横に立ったリボーンに困惑する



「クフフフフさあ、どうします?ボンゴレ十代目」

「(フゥ太を操ってるのは恐らく骸・・・なら!)」



新奈は視線をフゥ太から骸へ移し駆け出した



「ほう」

「(直接、骸を狙えば!)って、フゥ太!?・・・ごめん・・・っ!!」



フゥ太の足止めの為、鞭をフゥ太の足元に向け放ったが

慣れない武器のため自分の足まで一緒に巻き込み派手な音を立てて転んでしまった



「〜〜〜っ!」

「クハハハハ、君にはいつも驚かされる・・・ほらほら後ろ、危ないですよ」



羞恥で頬を染め笑った骸睨みつけるが骸の言葉に後ろに居るフゥ太に視線を戻す



「うぅぅ・・・」

「!うわ・・・フゥ太すごい絡んでる・・・」

「うぅ」



鞭に全身絡めとられているフゥ太は

尚も新奈を襲おうと取り落とした三叉戟を取ろうと手を伸ばす

新奈は其れを払い除け、フゥ太から離す



「止めなさいフゥ太!」



それでもフゥ太は止まらない・・・其れを見ていた新奈はある事に気づく



「(ランチアさんと同じ目・・・)」



脳裏に過ぎるのは操られていたランチアと悲しげな瞳のフゥ太『もう僕帰れない』



「(もしかして、フゥ太も骸に操られて、ひどいことをさせられて・・・罪の意識を感じて・・・・・・)」



その瞳に意識を取られていると

フゥ太の手が三叉戟に届き新奈に振り下ろされようとしていた



「(フゥ太)・・・貴方は悪くないわ」

「!」



新奈の言葉にフゥ太の動きが止まった、新奈の顔には優し気な笑顔が浮かんでいる



「全然フゥ太は悪くないの・・・皆フゥ太の味方だよ、安心して帰って来て」

「!」



それを見て、骸もピクッと反応する



「っ・・・!」



フゥ太は頭を押さえ顔を歪める



「(ほう・・・マインドコントロールを解く“一番望むこと”を言い当てたか)」

「・・・ニーナ、姉・・・」



フゥ太の瞳に光が戻り、涙をいっぱい溜めた瞳で笑みを浮かべ

新奈を見て、新奈の名を呟くと倒れてしまった



「フゥ太!?」



倒れてきたフゥ太を支え声を掛ける



「君が余計なことをするから、彼、クラッシュしちゃったみたいですね」

「そんな!フゥ太!?」

「彼はこの十日間ほとんど眠っていないようでしたしね・・・
思えば、最初から手のかかる子でした
我々はボンゴレ十代目所在の当たりをつけて日本に来たのですが、特定にはいたらなかった・・・
そこで十代目と顔見知りと噂のフゥ太くんに来てもらったのですが
オメルタを貫き通し、ずっとだんまりでしてね・・・」

「(沈黙の掟・・・オメルタ)」



骸の言葉にフゥ太を抱く手の力を強める



「僕にマインドコントロールされている状態でも
ボンゴレに関する事は一切口にしなかった・・・たいしたものです」

「それで仕方なく、以前作られた並盛のケンカランキングを使い
ニーナとファミリーを炙り出そうとしたんだな」

「目論見は大成功でしたよ・・・現に今、ボンゴレはここにいる」



リボーンの言葉に薄い笑みを浮かべる骸

フゥ太を床に横たえゆっくりと立ち上がる新奈



「・・・罪のないフゥ太を、こんなにして・・・六道骸、人を何だと思ってるの!!」

「玩具・・・・・・ですかね」



声を荒げる新奈に、骸は笑い答える



「このっ・・・・・・ふざけるな!!」



骸へと駆け出す新奈・・・その行動に骸はゆっくり立ち上がり昆を取り出した



「まさか僕が直接手を出すことになるとはね」



その言葉と共に骸の右目に変化が現れた刻まれていた“六”から“四”へと数字が変わった・・・

その変化に気づいたリボーン・・・新奈も違和感を感じたが

向かって来る骸に拳を向け背後に回ったところに蹴りを入れるが顔を歪ませる



「っ!・・・痛・・・・・・」

「どうか―――・・・しましたか?」



新奈は床に手を付き骸を睨みつけるが骸は余裕を醸し出しゆっくりと振り返る



「見えなかった・・・全部すれ違い様に・・・?」

「あぁ・・・すれ違いざまに凄まじい攻撃をあびせたんだ」



体中に無数の傷跡を作り呟く新奈にリボーンは答えた



「さすがアルコバレーノ・・・その通りです」



フゥ太の側に落ちていた三叉戟を拾い

新奈を攻撃した長い金属製の昆の先端に取り付け

三叉戟 さんさげき 改め、三叉槍 さんさそう を携え新奈へ振り返った骸



「・・・!?目から死ぬ気の炎!?」



骸の右目に灯っていたインディゴの炎・・・



「ほう、見えますか?このオーラこそ
第四の道、修羅道で身につけた戦闘スキルのオーラ」

「しゅらどう・・・スキル?」

「六道輪廻という言葉をご存知ですか?」

「人は死ぬと生まれ変わって
地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天界道のいずれかへ行くというやつだな」

「僕の体には前世に六道全ての冥界を廻った記憶が刻まれていましてね・・・
六つの冥界から六つの戦闘スキルを授かった」 

「・・・・・・」

「それが本当なら、オメーはとんでもねー怪物だな」



そのリボーンの一言に、



「君に言われたくありませんよ、呪われた赤ん坊アルコバレーノ・・・」

「(アルコバレーノ・・・虹?リボーンの事なの?)」

「さあ、次の能力をお見せしましょう」

右目の“四”の数字が“一”へと変わる

その変化を目の当たりにした新奈は拳を握り身構える



「いきますよ」



そう言って、骸は三叉槍の柄で床を軽く叩いた・・・

すると、そこから床が割れ、骸のいる場所を中心として

天井へ引き上げられるように崩れていった



「!!?床が・・・!フゥ太!ビアンキ!!リボーン!!!」



全員底へと落ちていくのを目の当たりにし

自分の足場も全て崩れていく事に恐怖する新奈に痛い一撃が頬に入った

リボーンが新奈を殴ったのだ



「あっ!!・・・痛っ・・・え!?リボーンっ?な・・・えっ?どういうこと?」



目の前には落下した筈のリボーン、周りを見渡しても変化のない事に気づく



「お前が見たのは幻覚だぞ」

「えっ?げ、幻覚!?今のが!?」

「クフフフ、見破るとはやりますね・・・
そう、第一の道地獄道は、永遠の悪夢により精神を破壊するスキル」

「・・・っ」



今までにない経験に新奈の背中に悪寒が走った



「しかし、君たちのことを暫く観察させてもらい
二人の関係性が見えてきましたよ・・・
アルコバレーノはボンゴレのお目付け役ってわけですね」

「ちげーぞ、オレはニーナの家庭教師だ」



骸の言葉に胸を張って答えるリボーン



「クフフフ・・・なるほど、それはユニークですね
しかし先生は攻撃して来ないのですか?僕は二人を相手にしても構いませんよ」

「掟だからだ」

「掟ときましたか・・・また実に正統なマフィアらしい答えですね」

「それにオレがやるまでもなく、お前はオレの生徒が倒すからな」

「リボーン・・・・・・!」



二人のやり取りに新奈は目を見開きリボーンを見る



「ほう、それは美しい信頼関係だ、面白い・・・良いでしょう」



また骸の右目の字が変化した・・・今度は“三”の字

それに新奈が立ち上がろうとすると上から大量にあるものが降ってきた



「へ・・・?蛇!!?」



突如頭上から降って来た蛇に固まり涙目の新奈



「チッ・・・ニーナこんな所で女らしさなんか見せなくて良いからさっさと立て」

「女らしさじゃなくてこれは人間性じゃない!?
普通にムリ!!例え幻覚だろうとこんな大量の蛇ムリ!!」

「おやおや、ここにきて中々可愛らしいところが見れましたね・・・
しかしこれは、正真正銘の毒蛇ですよ」

「っ!!」



骸の言葉に完全に固まる新奈、それに構わず言葉を続ける骸



「第三の道、畜生道のスキルは人を死に至らしめる生物の召喚・・・
さあ生徒の危機ですよ、良いんですか?」

「あんまり図にのんなよ、骸・・・オレは超一流の家庭教師だぞ」



リボーンの言葉と共に骸に向かってトンファーが一直線に飛んできた、骸はそれを三叉槍で薙ぎ払う



「十代目!伏せてください!」

「え!?」



顔を上げた新奈の上空には大量のダイナマイト一気に爆発し蛇が新奈の周囲から消えた

声の発生源を見るとそこには雲雀と、その肩に担がれた獄寺



「遅く・・・なりました」

「ヒバリさん!!獄寺君!!二人とも・・・」

「分かったか、骸、オレはニーナだけを育ててるわけじゃねーんだぞ」



獄寺と雲雀の姿を確認するとより口角を上げリボーンは骸に向かって堂々と言った



「借りは返したよ」



と、雲雀は獄寺から手を離し床へ落とした



「いでっ」

「!?(捨てた!あっさりと!)」

「これはこれは、外野がゾロゾロと・・・千種は何をしているんですかねぇ・・・」



骸は眉をひそめた



「へへ、メガネヤローならアニマルヤローと下の階で仲良くのびてるぜ」

「成程・・・」



骸は溜息混じりに言葉を発する



「凄い、獄寺君!」

「え・・・オレが倒したんじゃねーんスけど・・・」



雲雀はフラフラしながら先程投げたトンファーを拾い構える



「覚悟はいいかい?」

「怖いですねぇ・・・だが今は僕とボンゴレの邪魔をしないでください・・・
第一、君は立っているのもやっとのはずだ、骨を何本も折りましたからねぇ」

「ヒバリさん、そんなヒドい目に・・・」

「遺言はそれだけかい?」

「面白いことをいう、仕方ない・・・君から片付けましょう」



また骸の右目の字が“四”に変わり、目には死ぬ気の炎が灯っていた



「一瞬で終わりますよ」



骸も武器を構え雲雀へと駆け出す

金属同士のぶつかり合う音が劇場内にこだまする



「(速すぎてよく見えない・・・)」

「君の一瞬って、いつまで?」



雲雀の問いに骸は口元をつりあげたまま、何も答えない

両者は後ろへ飛び退いた



「やっぱり強い・・・さすがヒバリさん」

「こいつを侮るなよ、骸、お前が思ってるよりずっと伸び盛りだぞ」

「成程、そのようですね・・・
彼がケガをしてなければ勝負は分からなかったかもしれない」

「ヒバリさん!」



雲雀の左肩から大量の血が噴き出した



「時間のムダです、手っ取り早く済ませましょう」



骸の右目が“四”から“一”に変わる・・・すると、天井一面に桜が広がった



「桜?」

「ヒバリは桜を見ると動けなくなるサクラクラ病だぞ
シャマルが前にトライデント・モスキートをヒバリに使ったんだ」

「!?・・・今朝の?」

「クフフ・・・さあ、また跪いてもらいましょう」



骸は微笑んだまま、雲雀が倒れるのを待っている



「ヒバリさん!」



ふらつき倒れそうな雲雀・・・

しかし、雲雀は跪くどころか、骸の腹に一撃を喰らわせた



「!」

「(ニッ)」

「おや?」

「へへ・・・甘かったな、シャマルからヒバリへの薬を預かって来ていたのさ」

「それじゃあ!!」



さらに両手のトンファーで骸の顎に一撃をくらわせ、骸は上へ飛ばさた

口から大量の血を吐いき、そのまま床に落ち同時に、天井の桜が消える



「やった・・・」



スッと、雲雀が立ち直した



「おいしいとこ、全部持っていきやがって」



軽く舌打ちをする獄寺



「あ・・・ああ・・・」

「ついにやったな」

「・・・!お・・・終わった・・・」

「しかしお前、見事に骸戦、役に立たなかったな」

「ほっといて(気にしてるんだから)・・・!?・・・ヒバリさん、大丈夫ですか・・・!?」



雲雀が倒れると新奈は慌てて駆け寄り獄寺とリボーンも雲雀へと歩み寄る



「こいつ、途中から無意識で戦ってたぞ、よほど一度負けたのが悔しかったんだな」

「ヒバリさん・・・(そうだっ!)早く皆を病院につれて行かなきゃ!!」

「それなら心配ねーぞ
ボンゴレの優秀な医療チームがこっちに向かっている――・・・」

「その医療チームは不要ですよ」



新奈でも獄寺でもリボーンでもない声が聞こえ、三人は勢いよく振り返る



「なぜなら生存者は居なくなるからです」



三人に白い拳銃を向ける骸、獄寺は新奈を後ろに庇い前へ出る



「てめー!!」

「また会いましょう・・・Arrivederci アリベデルチ 」



しかし骸は銃口を自分の米神に当てイタリア語で“また会いましょう”と言って、引き金を引いた



「っ・・・・・・!」

「や・・・やりやがった」

「・・・そんな・・・なんで・・・こんなこと―――・・・」

「捕まるくらいなら死んだ方がマシってヤツか、それとも」



手で口元を覆い骸を見る新奈は突如奇妙な感覚に襲われた



「(何?・・・この感じ・・・何だろう・・・凄く嫌な感じがする・・・・)」



その時、ビアンキの瞳が開かれる、その右目には“六”の文字が刻まれていた



「ついに・・・骸を倒したのね」

「アネキ!」

「肩、貸してくれない・・・」

「しょーがねーなーきょ・・・今日だけだからな」



ゆっくりと起き上がったビアンキに眉間に皺を寄せながらも近づく獄寺



「っ!!獄寺君!!行っちゃだめ!」

「え?」



新奈の声に、獄寺は足を止め振り返った瞬間

ビアンキは三叉戟で獄寺の頬に傷をつけた



「なっ、何しやがんだ!!」

「まぁ!私ったら・・・!!」

「(やっぱり変だ・・・この不自然な感じ、前にも・・・)!!」



ビアンキを見て感じた人物の名が新奈の口から零れた



「(あ・・・!)・・・ろくどう・・・むくろ・・・?」

「クフフ、また会えましたね」



ビアンキの右目は、骸と同じように“六”の文字が刻まれていた



「まだ僕にはやるべきことがありましてね、地獄の底から舞い戻ってきましたよ・・・クフフ」



**********
骸の武器名称について補足

三叉戟(さんさげき)これは骸の三叉槍(さんさそう)の先端部分だけの名称です。

ギリシア神話のポセイドンの武器として有名な話ですが「違うんじゃね?」と思ったらご一報ください。


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