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標的7 極限!燃えるお兄ちゃん!
「キミは誰だい〜ボクはランボ〜
ボクは誰だい〜キミはランボ〜ランボ、ナイスな仔牛のボンバーヘッド〜」

「オメー何やってんだ、んな所で」

「何って〜オレっち通りかかっただけだよ」



と塀の上をランチャー片手にライフルを背負い器用に歩くランボ



「それ・・・通りがかりの格好?」

「あははは、スゲーおもちゃだな!」



塀の上を歩くランボに笑顔を向ける山本に新奈は相変わらずだと息を吐く



「これ、イタリアのボヴィノファミリーのボスが
頑張ってるランボに送ってくれたんだもんね!リボーンどこだよ〜」

「呼んだか?」



喜びの声を上げリボーンを呼んだランボに答えた布(レオン)を使って

塀と一体になっていたリボーン、予想していなかった登場に新奈は思わず感嘆した



「全然気づかなかった・・・」

「尾行の術だぞ、気配を消すのがコツなんだ」

「パンパカパーン!リボーン覚悟!!」

「ニーナのママンが作ってくれたケーキだ」



ケーキを取り出したリボーンを其れを宙に放りランボは嬉しそうにケーキを口に入れた



「爆弾入りだけどな・・・」

「手榴弾のピン!?」



リボーンの手元で光ったモノの新奈は頬を引き攣らせランボを見ると

丁度器用に手榴弾を吐き出した、がタイミングよく爆発、ランボは空へと打ち上げられた



「容赦ないわね・・・」

「いいスよ・・・アイツ目障りなだけだから」

「しかし、最近のおもちゃってよく出来てんなー」

「はは・・・そうね・・・・・・あ!」



飛んで行ったランボを見送る一同、そんな中、新奈はある事を思い出した



「どうしたんスか?十代目」

「忘れてた今日、京子ちゃん、花ちゃんと約束があるだった」

「約束?」

「うん、昨日・・・まだ決めてない社会の自由研究の話し合いをするから早めにって
二人と約束したの・・・同じ班だから・・・・・・今からじゃ話し合いの時間なんて――・・・」



時計を確認すると眉を下げた



「やってみなきゃわかんねーだろ?」

「え?」

「死ぬ気で登校してみろ」

「!!?ちょっ!」



銃を向けるリボーンに待ったを掛けようとするがリボーンの銃のほうが当然早い



「イッツ死ぬ気タイム!」

「・・・復活!死ぬ気で登校する!!」



獄寺達に背を向け学校へ向かって走り出す新奈を二人は見送った



「ウエアだけになると、いつもスゲーな・・・あ」

「ん?・・・十代目、鞄忘れてる・・・」

「しょーがね、持って行ってやるか」

「つーか、あんな事で死ぬ気弾撃ってイイんスか?」

「今に分かるぞ」



そんな三人のやり取りが死ぬ気で登校中の新奈に届くわけもなく

屋根の上を突き進み一気に通学路を駆け抜ける



「待ちな」



途中男子生徒に腕を掴まれるが新奈はそれに気づくことなく

その男子を無視し爆走する、そして校門に到着すると額の炎は消えた



「はぁ、はぁ・・・リボーンまたこんな醜態を・・・間に合っても嬉しく・・・」

「紛れもない本物・・・」

「ん?誰!!?」



自分の右腕を掴んだまま地面に倒れている銀髪の並中生に驚く新奈

数回後転し新奈の前に膝を立てる



「聞きしに勝るパワー、スタミナ、そして熱さ!やはりお前は・・・百年に一人の逸材だ!!」

「は?」

「我がボクシング部に入れ!沢田ニーナ」



新奈の肩を掴み突如勧誘を始める男



「え?何で私の名前・・・」

「剣道部の持田との勝負・・・ボクシングこそ!お前のような熱いヤツのやるスポーツだ!!」

「(目が燃えてる・・・)いや、私・・・女なのでボクシングは遠慮しま――・・・」

「見えるか沢田!アレがマジソンスクエアーガーデンの星だ!!」

「知りません、そんな星!」

「ボクシングの世界タイトルマッチの聖地・・・あの星を目指せ沢田!!」

「(何なのこの人・・・)」



暑苦しい男に視線を逸らす新奈



「お兄ちゃーん!」

「どーした京子!」

「?きょうこ・・・って」



男の視線の先に目を向ければクラスメートの笹川京子の姿



「もー、鞄道に落っことしてたよ」

「おぉ、スマン!スマン!」

「ぁ、ニーナちゃんおはよう」

「・・・・・・おはよう」



今までの二人の会話から推測するまでもなく、この二人が兄妹である事は予想できた

新奈は信じられない現実を受け止め京子に返事を返した



「(似てない・・・親戚筋でももう少し似てるんじゃない?)」

「まさかお兄ちゃん、ニーナちゃん捕まえて迷惑掛けてないでしょうね!」

「ない!!」

「(いえ、迷惑です)」

「ニーナちゃん、お兄ちゃんのボクシングの星の話なんて聞き流してイイからね」

「うん、そうする・・・」



京子の言葉に新奈は冷めた目で言った



「そーだ、そういえば自己紹介がまだだったな・・・
オレは並盛中ボクシング部主将、笹川了平だァァ!!座右の銘は・・・極限――!!」

「・・・あつい(自己紹介ごときで)」

「でしょ?熱すぎなのよ・・・いつも」



白熱した自己紹介に新奈はドン引きする



「お前を部に歓迎するぞ!沢田ニーナ!!」

「・・・だから」

「駄目よお兄ちゃんニーナちゃんを無理矢理誘っちゃ・・・」

「無理矢理ではない!そーだろ、沢田ニーナ!」

「いや・・・」

「そうだな!では放課後、ジムで待つ!」

「っちょ!」

「さらばだ!」

「(押し切られた・・・)」



颯爽と校内に入っていく了平に新奈は何も言えなかった



「ガサツでしょう?お兄ちゃん・・・でも、あー見えて意外に優しい所もあるんだよ
でもニーナちゃん凄いなぁ何だか私も嬉しくなっちゃった!
あんな嬉しそうなお兄ちゃん久しぶりに見たもん」



京子の眩しい笑顔に新奈は頬を引き攣らせる



「(話が通じない天然的な所は似てるかも・・・)」



二人は並んで校舎へと向かう色んな所からの視線は気にせず

新奈は教室に置いていた予備の制服を早々に着た










放課後・・・新奈は一人でボクシング部へと向かい、現在部室の前である



「(京子ちゃんが喜ぶからってボクシングなんて絶対嫌・・・
ちゃんと断れば分かってくれるわよね)」



決意を固め戸に手を掛けようとした時、扉が開き了平が現れた



「おぉ沢田、待っていたぞ!」

「わっ!」



腕を掴まれ部室へと引きずり込まれる新奈だがその手を離し了平の目を見て口を開いた



「先輩、今朝は言えませんでしたが、私はボクシングをする気は――・・・」

「待ってたぞニーナ」



新奈の言葉を遮るように口笛が聞こえ

其方に顔を向けると山本、ハル、ランボ、イーピン、ビアンキの姿があった



「ニーナさんの勇姿が見たくて学校終わってマッハの早さで駆けつけました」

「イーピンモ来来!」

「ランボさん五歳も来てやったぞ」

「何でみんな知ってるの・・・?(まさか)」

「リボーンから連絡が来たの」

「やっぱりか!リボーン、仕組んだわね・・・」



ビアンキの言葉に新奈の額に青筋が走る



「獄寺のヤツも居たんだがな、急に腹が痛いとか」

「えぇ、リアルに想像できるわ」



山本の言葉に思わずビアンキに視線が向いた



「沢田!お前達の評判を聞きつけて、タイから、ムエタイの長老が駆けつけてるぞ」

「ムエタイって・・・足使わないでしょうボクシングは・・・」

「パオパオ老師だ!」

「パオーン」

「何やってるの!!?」



リングのコーナーに象の被り物をかぶり変装したリボーンが

悠然と立っていたおり新奈は思わず怒りをぶつける様に叫んだ



「オレは新入部員と、主将のガチンコ勝負が見たいぞ」

「私は断りに来たのよ!試合する気は無いわ!!」

「なに!?それは本当か!沢田!?」

「そうです!っと言うわけで、私は入部する気はありません!」

「認めん!お前の熱さはボクシングこそ極限に合っているのだ!!」

「熱くなれるスポーツはボクシング以外にもあります!」



押し問答を繰り広げる新奈と了平にパオパオ老子ことリボーンが口角を上げ告げた



「だったら試合して勝った方の意見を推すってのはどーだ」



了平は「なるほど!!」と目を輝かせるが新奈は怪訝な目でリボーンを見やる



「なんだニーナ、勝つ自信がねーのか」

「試合ってボクシングでしょ・・・空手なら兎も角
ボクシング部の主将に勝てる自信が有る方が――・・・」

「敵前逃亡か?」



リボーンの言葉に以外にも負けず嫌いな新奈の心はあっさり動いた



「・・・・・・先輩、私が勝ったらもう勧誘しないでくださいね」

「分かった!オレが勝ったら沢田はボクシング部に極限入部だな!」



お互い不純な志の元闘志を燃やす



「グローブの紐ってどうやって結ぶの?」

「やってあげるから貸しなさ」

「ありがとうビアンキ」



いつものウエアで、ヘッドガードまで着けてもらい

新奈は感覚を確かめるように数回ジャブを打つ



「・・・やっぱり生の拳とは違うわね(違和感・・・)」

「準備OKよ」



新奈の様子を確認したビアンキがそう言うと

ロープを上下に広げられリングに入るよう促される



「いくぞ沢田!手加減などせんからな!」

「正々堂々と勝負してくれるなら構いません」

「試合開始だぞ」

「ファイト!」



軽いフットワークの了平に翻弄されリングの端に追い詰められる新奈に・・・



「死ぬ気で戦え」



銃を構えたパオパオ老師兼、リボーン君がいた。



「っちょ!不公平だからやめて、リボーン!」

「なら、こうだ」



リボーンの銃口を新奈から了平に替え撃った、了平の額にあたりその額に炎が灯る



「先輩に、死ぬ気弾撃ったの――!!?
熱血なあの人に死ぬ気弾なんて撃ったら・・・」

「どうした沢田!続けるぞ!」

「あれ?変わって・・・ない?(まさかこの人・・・常に死ぬ気なの!?)」

「笹川了平、大した奴だ・・・」

「言葉も無いわ・・・」

「次はニーナだぞ、二人に撃てばあいこだろ?」

「え!?」



リボーンの銃から新奈へと死ぬ気弾が放たれ新奈の額にも炎が灯る



「イッツ死ぬ気タイム」

「復活!死ぬ気でボクシング部入部を断る!!」



ヘッドガードが破れたがグローブはそのままに新奈は了平に向き直り構えた



「オレは細かい詮索などせんぞ!何故なら人は
拳で全て語り合えると信じているからだ!入部しろ沢田!!」

「断る!!」

「そうだ、その動きだ!極限右ストレート!!」



鋭い了平の拳を交わす新奈に了平は目を光らせる



「オレの極限ストレートを、かわすとは!ますます気に入ったぞ!入部しろ沢田!!」

「絶対、断る!!」



了平は凄まじいラッシュを繰り出し拳を繰り出すたびに

新奈へ入部するよう促し新奈は避けるごとにそれを断り続ける

了平のラッシュを遮り新奈の右拳が了平の頬を殴りつけた

そのあまりの威力に了平はリング外へと弾かれ、新奈の額の炎は消えた



「さすがニーナさんです!!」



ハルが頬を染め新奈に駆け寄る・・・

了平はゆっくりと立ち上がった為、新奈の視線はハルから了平へ移った



「ますます気に入ったぞ沢田!」

「!!?」

「お前のボクシングセンスは、プラチナムだ!!」

「めげてない・・・」

「決着をつけようぜ!」

「大変よ!」



慌てて入ってきた花に二人は拳を降ろした



「何かあったのか?」

「空手部が京子を!!」

「なに!?」



山本の問いに花が告げると了平は妹の名前に飛びついた



「なぁに?」

「花ちゃん・・・?此処にいるじゃない・・・」



本人の登場に新奈は力が抜けロープにもたれかかった



「覚悟しろ!笹川了平!!」

「おまえは・・・!」



先日了平が倒した空手部主将がボクシング部へと数名を引き連れ乗り込んできた

その主将をやんわりと横へ促し大柄な男が前に出た



「お前が笹川了平か弟の話だと相当強いらしいのぉ」

「え?弟って・・・」

「並盛高校空手部主将、大山大五郎!相手したるけん・・・かかってこんかい!!」

「兄弟・・・らしいわね」



大山兄の言葉に山本、新奈の疑問は解消された



「笹川この勝負に勝ったらお前の妹は空手部がいただく!」



大山弟の言葉に新奈の眉間に皺が寄る



「そうなのよ、どーしても京子を空手部のマネージャーにしたいんだって」

「俺らの時代から空手部はむさ苦しい男ばかり・・・
花のような女子マネージャーにどれだけ憧れたことか!
可愛い弟達の為じゃ・・・手加減はせんぞ!!」



大山兄の言葉に空手部の士気があがり大山弟が京子の腕を掴む



「この学校の男どもは・・・女を商品にしか見てないわけ・・・?」



新奈はリングから降りようとすると空手部の一人が倒れ其方に全員の視線が向いた



「獄寺!」

「隼人!?」

「十代目の為なら・・・たとえアネキが居ようと、やってやるぜ!」

「どうする、リボーン」

「ま、テキトーに相手してやれ」



リボーンの言葉を合図にビアンキ、山本、獄寺、了平が空手部を全員伸してしまい

それを見た大山弟は京子を連れ逃げようとする姿に新奈はリングから下り其れを追った



「待ちなさい!」

「ニーナちゃん!・・・きゃっ」

「邪魔はさせん!」

「一人で来れるようになってから出直しなさい!!」



京子を離し新奈へと右拳を振るう大山弟の拳を避け、新奈はカウンタを見舞った



「やった・・・流石、十代目!」

「ニーナさん凄いです!ハルの為に愛を込めたスーパーデンジャラスパーンチ!!」

「勝手に愛を込めないで!」



空手部を適当に放りグローブを外し息を吐く新奈にリボーンが歩み寄ってきた



「ファミリーの結束がより強まったな」

「ふぁみりー?なんだ、そのファミリーってのは」

「こーいう極限男も必要だぞ」

「?・・・・・・」



首を傾げリボーンから了平に視線を向けたがリボーンを抱え其れを否定する



「組織としてはこういう明るい人も必要かもしれないけど
私はマフィアのボスには成らないからそーいう話はいりません・・・みんな、帰りましょう!」



新奈は笑顔でみんなに振り返り全員笑顔で頷きボクシング部をあとにした


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